「大英自然史博物館展」 上野 国立科学博物館
上野
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上野の国立科学博物館では特別展、「大英自然史博物館展」が開かれています。
会期は6月11日(日)までです。

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ロンドンにある大英自然史博物館は1881年に開館した、博物学標本約8000万点を所蔵する
世界有数の科学博物館です。
展覧会では博物館の歴史の紹介と共に、約370点の標本が展示されています。

展示室は一部を除いて撮影可能です。

最初の展示室は教会建築のような自然史博物館の内部を模してあります。

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私は以前、ロンドンに行った時、ロマネスク風の壮麗な石造建築を見て、これが博物館とは知らず、
どこの教会だろうと不思議に思ったことがあります。

サファイアのターバン用ボタン
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おそらくインドの品で、サファイアは31.5カラットあります。
所蔵者だったハンス・スローン(1660-1753)は医者で、蒐集した動植物や考古遺物などの
膨大なコレクションは政府に買い取られ、自然史博物館のコレクションの基礎となっています。

リチャード・オーウェンの肖像
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リチャード・オーウェン(1804-1892)は高名な解剖学者で、恐竜類(Dinosauria)という名前の
名付け親でもあります。
また、増え続ける大英博物館の収蔵品を収容するため、新しい博物館の建設を政府に働きかけ、
自然史博物館の設立に漕ぎ着けています。
そして、誰でも気軽に入館できる博物館を目指し、展示品には説明文を書いたプレートを
添えることも提案しています。
一方で、リチャード・オーウェンは大変に性格の悪い人で、他人の功績を横取りしたり、
抹殺したりしており、ダーウィンとは極めて仲が悪かったそうです。
人相も悪かったようで、この絵はかなり美化されています。

ダーウィンの「種の起源」草稿
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フィンチの標本
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チャールズ・ダーウィン(1809-1882)はビーグル号の航海でガラパゴス諸島に寄り、
そこに多様なフィンチが生息していることを知って、進化について研究を深めています。
ダーウィンとフィンチについては、2014年に同じ国立科学博物館で、「ダーウィンフィンチ展」が
開かれています。

「ダーウィンフィンチ展」の記事です。

モアの全身骨格
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ニュージーランドにかつて棲息していた巨大な鳥です。
リチャード・オーウェンはこの鳥の骨の一つを調べて、飛べない絶滅鳥類であることを
正確に予測しています。

始祖鳥の化石
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脳や三半規管の形が詳細に復元出来る化石はこのロンドンの標本だけとのことです。

リョコウバト
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かつて北アメリカに生息し、鳥類史上最も数の多い鳥とされていますが、乱獲のため激減し、
1914年に動物園で最後の1羽が死んで、絶滅しています。

ウィリアム・スミスのイギリス地形図
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ウィリアム・スミス(1769-1839)は高等教育を受けていない測量技師で、地層というものの
存在を発見し、1815年には世界最初の地質図を完成させています。

メアリー・アニングの肖像
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愛犬のトレイと一緒に描かれています。
メアリー・アニング(1799-1847)はドーセット州の海岸の崖で化石を集めて、売っていました。
世界初の魚竜(イクチオサウルス)やプレシオサウルスの化石も最初に発見しています。
彼女はShe sells sea shells by the sea shore.という早口言葉の元になっていると言われています。

メアリー・アニングが発掘した魚竜の化石
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リチャード・オーウェンやダーウィン、メアリー・アニングのことはビル・ブライソン著、
「人類が知っていることすべての短い歴史」(新潮文庫)の上巻でも触れられています。

ハマゴウ属のスケッチや水彩画
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ジェームズ・クック(1728-1779)はタヒチ島での金星の太陽面通過を観測するため、
1768年にプリマス港からエンデヴァー号で大西洋経由で南太平洋に向かっています。
この探検に同行した科学班のリーダーのジョゼフ・バンクス(1743-1820)が、
植物学者のダニエル・ソランダー(1733-1782)と共にタヒチやニュージーランド・
オーストラリア東海岸・ジャワなどで採集した植物標本を基に743点の彩色銅版画
「バンクス花譜集(植物図譜)」を制作しています。
図譜はバンクスの生前には完成されず、後に自然史博物館によって完成されています。

植物画を描いたのはシドニー・パーキンソン(1745頃-1771)ですが、自身は航海中に
亡くなっています。

2015年にBunkamuraザ・ミュージアムで開かれた、『キャプテン・クック探検航海と
「バンクス花譜集」』展の記事
です。


トリング分館はロスチャイルド家の嫡男で、動物の研究家だった、ライオネル・ウォルター・
ロスチャイルド(1868-1937)の収集した大量の動物や鳥の標本を所蔵する博物館です。

シマウマに牽かせた馬車に乗るウォルター・ロスチャイルド
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ヒクイドリの標本
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ウォルター・ロスチャイルドは飛べない鳥への関心が高く、自宅に多数を飼育していました。

中には日本からの標本もあります。

薩摩(九州)隕石
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1886年に落下した隕石です。

タカアシガニ
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世界最大のカニです。

第2会場では、自然史博物館にゆかりの人たちの業績や著書が紹介されています。

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ミュージアムショップです。

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左はウィリアム・スミスのイギリス地形図です。
右はロバート・スコット(1868-1912)の南極探検隊のエンブレムをあしらっています。
スコットの探検隊は南極点への到達競争でノルウェーのアムンセン隊に敗れ、
帰途に全員が遭難死しています。

とても興味深い展覧会ですが、人気が高く、整理券が配られます。
混雑状況は展覧会のHでご確認下さい。

私のもらったのはモアの整理券でした。

自然史5


展覧会のHPです。

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【2017/04/13 19:52】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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