「絵巻マニア列伝」展 サントリー美術館
六本木・乃木坂
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六本木のサントリー美術館では、「絵巻マニア列伝」展が開かれています。
会期は5月14日(日)までで、休館日は火曜日です。

絵巻1-28-2017_001


絵巻物と共に、それを愛で、マニアとなった人たちについての資料を併せて展示する展覧会です。

「病草紙断簡 不眠の女」 平安時代・12世紀 サントリー美術館 重要文化財
絵巻1

板張りの床の上に敷物を敷いて、侍女たちでしょうか、女たちが眠っています。
他の人たちが寝入っている中で、一人だけ眠れずに起き上がっています。
本人にとっては辛いでしょうが、この時代にも不眠症があったのかと思うと、
観ていて面白くなります。

「病草紙断簡 居眠りの男」 平安時代・12世紀 個人蔵 重要文化財
4月24日までの展示です。
今で言うナルコレプシーか何かでしょうか、居眠りしている男が周りから笑われています。

後白河法皇は蓮華王院(三十三間堂)に宝蔵を建て、収集した多数の書籍や絵巻物などを
収めています。
現在は断簡になっている「病草紙」もその中の一つです。

「法然上人絵伝」巻十 鎌倉時代・14世紀 京都・知恩院 国宝
後白河法皇の臨終に際し、法然が呼ばれると、阿弥陀如来が来迎し、後白河院は坐したまま
往生を遂げています。
史実とは異なりますが、浄土信仰の隆盛を物語る絵巻です。

「春日権現験記絵」巻九 鎌倉時代・延慶2年(1309)頃 宮内庁三の丸尚蔵館
絵巻2

会期中、場面替があります。
西園寺公衡(1264-1315)が一門の繁栄を願って発願して制作された、
春日明神の霊験譚の絵巻で、絵は絵所預の高階隆兼が描き、
書は前関白鷹司基忠父子4人が担当しています。

高階隆兼の様式は後の絵巻物に受け継がれていったそうです。

「玄奘三蔵絵」巻四 藤田美術館 鎌倉時代・14世紀 藤田美術館 国宝
絵巻5

4月24日までの展示です。
4月26日からは巻八が展示されます。

玄奘三蔵が仏頂骨城(現アフガニスタン)に至り、釈迦の頂骨を拝しています。
絵巻10

灯光城近くの岩窟に描かれた釈迦を熱心に拝すると、暗くてよく見えなかった
釈迦の姿がきらきらと輝き出します。
異時同図法を用いています。
絵巻8

鹿も面白い柄の毛並みをしています。
絵巻9

興福寺大乗院の秘宝だった「玄奘三蔵絵」を後花園天皇(1428-1464)が借り出し、
それを父の後崇光院(1372-1456)も借りたことが、後崇光院の日記、「看聞日記」に
書かれています。
「看聞日記」には、第6代将軍足利義教(1394-1441)も絵巻物の貸し借りの仲間だったことが
書かれており、足利将軍家の人たちも絵巻物好きだったことが分かります。

「放屁合戦絵巻」 文安4年(1449)写 サントリー美術館
絵巻3

仁和寺に伝来した平安時代の絵巻の模写で、詞書は後崇光院の直筆、絵は近臣が写したと
思われます。
人気のあった題材らしく、後には河鍋暁斎も模写しています。

「福富草紙」 室町時代・15世紀 京都・春浦院 重要文化財
伽005

伽011

ある男が、自在に放屁する芸で財を得た男をうらやんで、貴人の前で真似を
したところ、粗相をしてしまい、散々に打たれて追い出されるという話です。
男が放屁の芸を披露して、貴人を喜ばせ、衣を賜っているところです。

「蒙古襲来絵詞」後巻 鎌倉時代・13世紀 三の丸尚蔵館
4月17日までの展示です。
石塁の上に陣取る菊池武房の軍勢の前を竹崎季長たちが進む場面です。

松平定信は蒙古襲来絵詞を研究させ、摸本を作らせるなど、絵巻物を中心とした
文化財の調査・記録を行なっています。


絵巻物だけでなく、その需要者にも焦点を当てた、興味深い展覧会です。


次回の展覧会は、「神の宝の玉手箱」展です。
会期は5月31日(水)から7月17日(月)までです。

玉手箱0

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【2017/04/04 20:04】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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