「燕子花図と夏秋渓流図」展 表参道 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館では特別展、「燕子花図と夏秋渓流図」が開かれています。
会期は5月14日(日)までです。

燕子花3-12-2017_001


毎年この季節恒例の、「燕子花図屏風」を中心にした展示です。
今年は、同じ琳派の鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」も並べて展示されています。

「桜下蹴鞠図屏風」 6曲1双 江戸時代 17世紀 重要美術品
(右隻)
根4-29-2010_005

お公家さんや僧侶が蹴鞠に興じています。
蹴鞠は4本の木の間で行なわれますが、この絵では満開の桜になっています。
鞠が画面上で半分だけ飛び出しています。

左隻では、塀の外で従者たちが退屈そうに主人の帰りを待っています。
大きく伸びをして、あくびする者もいて、のどかな風景です。
右隻の人物が様々の衣装を着て、動きのあるのに対し、左隻の従者たちは
黒烏帽子に白の水干姿で、静かに座っています。
左隻の、水辺を表す線も大胆で、モダンです。
右隻と左隻を、枝を伸ばした桜がつないでいます。
大らかな雰囲気で、俵屋宗達の工房による製作と考えられています。

「四季草花図屏風」 6曲1双 「伊年」印 江戸時代 17世紀
(左隻)
根4-29-2010_004

穏やかな色調で、植物を四季の移り変わりにつれて、右から左に描いています。
薊、蒲公英、土筆、大根、鉄線花、撫子、牡丹、立葵、百合、紫陽花、鶏頭、粟、
茄子、薄、桔梗、萩、菊、南天、水仙などです。
「伊年」の印が押してあるので、これも俵屋宗達の工房の作品と思われます。

「燕子花図屏風」 尾形光琳 江戸時代 18世紀 国宝
光003

(左隻)
根4-29-2010_002
(右隻)
根4-29-2010_003

この季節になると観ることの出来る屏風で、今年も咲いてくれたという
思いで鑑賞します。

「白楽天図屏風」 尾形光琳 江戸時代 18世紀
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謡曲、「白楽天」を描いた作品です。
唐の詩人、白楽天が日本に渡ろうとしたところ、海上で老いた漁師
(実は和歌の神、住吉明神の化身)に出会い、和歌の力を知らされ、
神風によって吹き戻されたというお話です。
白楽天を乗せた船の描き方の奇抜さが眼を惹きます。

「夏秋渓流図屏風」 鈴木其一 江戸時代 19世紀
根002

(左隻)
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(右隻)
根4-29-2010_007

江戸琳派の鈴木其一の作品です。
右隻は夏で山百合、左隻は秋で桜葉の紅葉を写実的に描きこんでいます。
一方で、笹の葉は単純で様式的な形にまとめてあるので、観る人の注意は
山百合と桜葉に向きます。
檜は葉の緑が盛り上がるように厚く塗られ、右隻の檜には蝉が一匹止まっています。
全体に濃密な画面で、こちらに向って流れ込んでくる鮮やかな青色の水流の
表現は劇画のようです。
土手や奥の樹木は、芝居の書割のように重ねられていて、平面的な構成です。
圧迫するような力と、近代的なデザイン感覚にあふれています。

「高尾大夫・吉原通船図」 歌川広重 江戸時代 19世紀
燕子花2

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肉筆画で、天童広重と呼ばれる作品の一つです。
出羽天童藩織田家は織田信長の子孫ですが財政難に苦しみ、商人からの上納金や
借入金への返礼や返済の代わりに、歌川広重に描かせた肉筆画を下賜しています。 
右幅は、吉原の太夫、高尾が物思いをしていて、上をほととぎすが飛んでいます。
この季節らしい展示です。
左幅には浅草寺近くの駒形堂辺りを行く、吉原通いの男を乗せた小舟が描かれています。

  君はいま駒形あたりほととぎす 二代目高尾大夫

「不忍蓮・枯野牧童図」 渡辺省亭 明治〜大正時代・19〜20世紀
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山の端の月と雁を眺めながら、牛の背に乗った牧童が笛を吹いています。
牧童騎牛として好まれた画題で、広々とした空間を感じる、さらりとした抒情味のある作品です。

右幅は上野不忍池の情景で、弁天堂前の蓮池に咲く花に点々と紅を差しています。

渡辺省亭(1852~1918)は菊池容斎(1788~1878)に師事し、1878年のパリ万国博覧会などで
受賞したのを機に日本画家として初めてヨーロッパに渡っています。
今年は100回忌の年に当たることから、山種美術館や松岡美術館など都内の各美術館で
渡辺省亭の作品が展示されています。


展示室3の展示は「仏教美術の魅力 ─金銅仏─」です。

「釈迦多宝二仏並坐像」 銅造鍍金 中国・北魏時代 太和13年(489) 重要文化財
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法華経見宝塔品による像で、釈迦如来と多宝如来が並んで座っています。
北魏時代に多くの作例があるとのことで、裏に「兄弟四人為上父母造」と
銘文が彫られ、兄弟たちが父母の供養ため発願したことが分かります。


展示室5の展示は「行楽を楽しむ器 ─堤重と重箱─」です。

堤重(さげじゅう)は手に提げて持ち運びする重箱で、行楽や観劇に使われました。

「梨地謡寄蒔絵提重」 木胎漆塗 江戸時代 19世紀
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扇や団扇に謡の場面を描き込んだ、豪華な蒔絵の提重です。


展示室6のテーマは「新緑のころ─初夏の茶の湯─」です。

茶席では炉を塞ぎ、風炉を据えます。

「青磁筍花入」 龍泉窯 施釉陶器 南宋時代 13世紀
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頸や肩に細い帯を竹の節のように巡らせてあるので、タケノコの名があります。
頸の太い、面白い形をしています。

展覧会のHPです。


美術館の庭は新緑の盛りでした。

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燕子花はまだ咲いていませんでしたが、藤が満開でした。

ねIMG_0551 - コピー


次回の展覧会は企画展、「はじめての古美術鑑賞-紙の装飾-」です。
会期は5月25日(水)から7月2日(日)までです。

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【2017/05/02 20:00】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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