「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」展 東京ステーションギャラリー
東京
chariot

東京駅の東京ステーションギャラリーでは、「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」展が
開かれています。
会期は6月18日(日)まで、入館料は一般1100円です。

ヴェルフリ0


アドルフ・ヴェルフリ(1864-1930)はスイスの貧しい家庭に生まれ、里親の元を転々として、
学校にもあまり通えず、労働者として暮らしています。
31歳で統合失調症と診断され、病院に収容され、66歳で亡くなるまで病院で過ごします。
絵を描き始めたのは収容から4年後で、鉛筆と白い新聞用紙を与えられたことに始まります。
ヴェルフリはまず、4年間かけて2970ページにおよぶ、空想による自伝的シリーズの叙事詩、
「揺りかごから墓場まで」を制作します。
辛かった過去の記憶を壮大な旅行記に書き換えたと言える作品で、紙面をすべて絵と文字と
音符で埋め尽くす描き方をしています。

続いて、「地理と代数の書」、さらに「歌と舞曲の書」を描き、最後に「葬送行進曲」を
未完にして亡くなります。

こうして生涯に描いた合計で約25000ページにもおよぶ作品群はヴェルフリの亡くなった
15年後の1945年にフランスの画家、ジャン・デュビュッフェによってアール・ブリュット/
アウトサイダー・アート(芸術について伝統的教育を受けていない人の芸術)の画家として
認められています。

ヴェルフリはまだ描き足りないと嘆きながら亡くなったそうですが、隣のドイツではナチス政権が
1939年からT4作戦と呼ばれる、精神障害者などを安楽死させるという、恐ろしい政策を
実行しています。

会場にはベルン美術館アドルフ・ヴェルフリ財団の所蔵する約70点の作品が展示されています。
時期の経過とともに色彩が増えたり、コラージュを利用するようになったりしますが、
同じような形の繰り返しは初期から晩年まで変わりません。
隙間なく描き込まれた画面を観ていると、息が詰まりそうで、25000ページも描いたと聞くと
気が遠くなりそうです。

『ネゲルハル「黒人の響き」』  1911年

ヴェルフリ1

部分
ヴェルフリ0_1


『クリノリン、ギーガ―=リナ、糸つむぎ=リナ、安楽椅子=リナ、
おとぎ話=安楽椅子=リナ、大=大=女神』 1914年

ヴェルフリ4

部分
ヴェルフリ1_1


ヴェルフリの形態語彙とされるものの一覧表もあります。

ヴェルフリ2_1

ヴェルフリ3_1


ヴェルフリの思い描いていた、微細で壮大な世界をまざまざと見せてくれる展覧会です。

展覧会のHPです。

次回の展覧会は、「没後40年 幻の画家 不染鉄展」展です。
会期は7月1日(土)から8月27日(日)までです。

不染鉄5-7-2017_008

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【2017/06/06 19:37】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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