「没後40年 幻の画家 不染鉄展」展 東京ステーションギャラリー
東京
chariot

東京駅の東京ステーションギャラリーでは、「没後40年 幻の画家 不染鉄展」展が
開かれています。
会期は8月27日(日)まで、入館料は一般900円です。

不染鉄5-7-2017_008

不染鉄(不染哲治 1891-1976)は東京の小石川出身の日本画家で、日本美術院の
研究生となりますが、写生旅行に行った伊豆の式根島で3年を過ごしています。
その後、京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)に入学し、首席で卒業しています。
上村松篁と親交を深め、共同制作も行なっています。
帝展に入選を重ねますが、戦後は画壇を離れ、奈良で晩年を過ごしています。

初期の作品は朦朧体と呼ばれる技法を使ったりして、美術院風の描き方です。
 
「林間」 1919年頃 奈良県立美術館
不染img006 (1)

横山大観の「作右衛門の家」(1916)や「山路」(1925)などと似た趣きがあります。
不染鉄は民家を好んで描いていて、描き方も細密です。
民家と一緒に中の人物を描くことも多く、南画風の趣きがあります。

「山海図絵」 1925年 木下美術館
不染img001

部分
不染img002 (4)

不染img002 (2)

不染img002 (3)

不染鉄の代表作と言われています。
富士山を中心に据え、太平洋側の入江、雪を被った日本海側の家々が
画面を埋めています。
細い描線で装飾的に描かれた海の中で泳ぐ魚も見えます。
陸には蒸気機関車が走り、海には蒸気船が浮かんでいます。
大きな構想の作品で、国土を寿ぐ心も表れています。

「南海之図」 1955年頃 愛知県美術館
不染img006 (2)

不染鉄は式根島での生活を思い出して、海と島を題材にした作品をよく描いています。
水墨画で、画面の上側に岩の塊を置くという大胆な構図です。
画面の下側は「山海図絵」と同じく、びっしりと波が埋め尽くしています。
古代の理想郷、蓬莱山を思い浮かべる作品です。

「薬師寺東塔の図」 1970年頃 個人蔵
不染img006 (3)

奈良に住んだ不染鉄は奈良の古寺もよく描いています。
若草山を背景にした薬師寺東塔の姿です。
不染鉄は対象を正面に据えた、左右対称の安定した構図を好んでいます。

「廃船」 1969年頃 京都国立近代美術館
不染img006 (4)

民家の並ぶ向こうに鋼鉄製の廃船が置かれていて、民家の一角には炎も上がっています。
何か不思議な雰囲気の作品です。

他にも、実家の小石川光円寺の大イチョウを描いた絵など、追憶の風景を絵画化した
作品が多く、不染鉄が追憶の情を大切にした、特異な作風の画家だったことを知りました。

展覧会のHPです。

次回の展覧会は、「マルク・シャガール 三次元の世界」展です。
会期は9月16日(土)から12月3日(日)までです。

関連記事

【2017/07/08 20:08】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/3315-a407c477

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |