「タイ ~仏の国の輝き~」展 東京国立博物館
上野
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上野の東京国立博物館平成館では、日タイ修好130周年記念特別展、
「タイ ~仏の国の輝き~」が開かれています。
会期は8月27日(日)までです。

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タイの各王朝の仏教文化を紹介する展覧会で、日本との交流を示す
資料も展示されています。

「ナーガ上の仏陀坐像」 スラートターニー県チャイヤー郡ワット・ウィアン伝来
シュリーヴィジャヤ様式 12世紀末~13世紀 バンコク国立博物館蔵

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会場の最初に置かれています。
ナーガは蛇の神で、瞑想する仏陀を守護して傘となって雨風を防いでいるところで、
台座部分は蛇がとぐろを巻いた形をしています。
シュリーヴィジャヤはスマトラ島を中心とする海洋国家で、7世紀にはマラッカ海峡を
支配していたとされています。
スラートターニー県チャイヤー郡はタイ南部、マレー半島にあり、シュリーヴィジャヤの
重要な拠点であったと考えられています。
この像には12世紀後半にこの地に及んだクメール美術の影響があるとのことです。
クメールはカンボジア、タイ、ラオス、ベトナム南部を支配した王朝で、始めはヒンドゥー教、
後に仏教を信仰しています。

法輪 スパンブリー県ウートーン遺跡第11号仏塔跡出土
ドヴァーラヴァティー時代 7世紀 ウートーン国立博物館蔵

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自動車のタイヤほどもある大きな石の輪です。
法輪は仏教のシンボルで、教えが伝わることを転法輪といいます。
ドヴァーラヴァティーは6世紀頃から11世紀頃までタイ中部にあったとされる
モン族の王国で、法輪を数多く造って信仰していたそうです。
モン族の多くは現在はミャンマーに居住しています。

「仏陀遊行像」 スコータイ県シーサッチャナーライ郡ワット・サワンカラーム伝来
スコータイ時代 14 ~15世紀 サワンウォーラナーヨック国立博物館蔵

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仏陀の母である摩耶夫人は出産の7日後に亡くなり、三十三天に転生したとされています。
仏陀はその摩耶夫人の許に赴き、1か月説法した後、地上に降り立ったということです。
降りるに際しては金、銀、瑠璃の3つの階段が用意されたことから、三道宝階降下と
呼ばれています。
そのときの姿を表した像で、とても優し気なお姿です。

スコータイ王朝は中国の雲南地方から南下してきたタイ族によって13世紀に初めて
建てられた王朝です。
上座部仏教を信仰し、現在のタイの仏教信仰の基本となっています。
上座部仏教はスリランカから東南アジアに伝わった仏教で、南伝仏教とも呼ばれています。
これに対し、中国、朝鮮、日本、ベトナムなどに伝わった仏教を大乗仏教(北伝仏教)と
いいます。

「金象」 アユタヤー県ワット・ラーチャブーラナ遺跡仏塔地下出土
アユタヤー時代 15世紀初 チャオサームプラヤー国立博物館蔵

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ワット・ラーチャブーラナ遺跡は寺院の遺跡で、仏塔の下から多数の金細工などの
工芸品が出土しています。
その中の一つの置物のような小さな象で、精緻な細工が施され、豪華な輿を乗せて
誇らしげに鼻を振り上げています。
アユタヤー王朝は14世紀中頃にタイ中部のアユタヤーに興ったタイ族の王朝で、
上座部仏教を信仰し、後にスコータイ朝を吸収しています。

他に、アユタヤー王朝時代のタイで活躍した山田長政などの資料も展示されています。

「ラーマ2世王作の大扉」 バンコク都ワット・スタット仏堂伝来
ラタナコーシン時代 19世紀 バンコク国立博物館蔵

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この扉は撮影可能です。
バンコクにある、1807年創建のワット・スタット寺院の正面大扉で、高さ5.6m以上あり、
厚さ16㎝の1枚板の全面に、奥まで何層もびっしりと森の動物たちを彫り出しています。
ラタナコーシン王朝は1782年にラーマ1世の建国した現王朝で、ラーマ2世(1767-1824)が
自らこの扉を彫ったとの言い伝えがあります。
火災で損傷しましたが、日本の協力で修復することが出来ました。

大乗仏教の日本とはかなり異なる、上座部仏教のタイの仏教美術の流れの分かる、
興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2017/08/15 19:48】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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