「地獄絵ワンダーランド」展 日本橋 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では特別展、「地獄絵ワンダーランド」が
開かれています。
会期は9月3日(日)までです。
8月6日までの前期と8日からの後期で、一部展示替えがあります。

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展示室1は水木しげるの「水木少年とのんのんばあの地獄めぐり」(2013年)の原画、
13点です。
先ず、三途の川のほとりで脱衣婆(だつえば)が亡者の着物を剥ぎ取ります。
この着物を懸衣翁が木の枝に掛け、その重さで生前の罪を量ります。
その後、大焦熱・焦熱・大叫喚・叫喚など、さまざまな地獄の場面が続きます。

展示室1には「往生要集」(鎌倉時代・建長5年、龍谷大学図書館蔵)が置かれています。
往生要集は平安時代の僧、源信の著で、地獄の恐ろしさを説き、念仏を勧めています。
地獄の概念をありありと人びとに伝えることになった書です。

以下の展示は地獄のイメージのオンパレードです。

「地蔵十王図」  紙本着色 13幅のうち4幅 江戸時代 東京・東覚寺
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部分
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地獄で人は閻魔王はじめ秦広王・初江王など10人の王(十王)の裁きを受けることに
なっています。
秦広王は初七日、閻魔王は35日目に裁きを行ないます。
諸王にはそれぞれ、本地仏があり、閻魔王の本地仏は地蔵菩薩とされています。
稚拙な、ちょっと笑える表現の十王で、左上にはそれぞれの本地仏も描かれています。
右端の絵では亡者が天秤で罪の重さを量られたり、火の車に乗せられたりしていますが、
真中にキリシタンのような衣装の女性が描かれているのが不思議ということです。

東覚寺は田端にある真言宗のお寺で、門前に立っている、病気平癒を願って
体中に赤い紙を貼られた赤紙仁王で知られています。

「木造 十王像・葬頭河婆像・白鬼像」 12躯 木喰明満作
 江戸時代・文化4年(1807)  兵庫・東光寺

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木喰明満(1718~1810)は全国を巡って、大胆なノミさばきによる仏像を彫っています。
前列正面で顎髭を生やしているのが閻魔王で、横で葬頭河婆(脱衣婆)が歯を剥いて
座っています。

「熊野観心十界曼荼羅」 紙本着色 江戸時代 個人蔵
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部分
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前期の展示です。
熊野観心十界曼荼羅は大きな絵解き図で、画面上に人の一生を坂道にたとえた
「老いの坂」、その下に六道と声聞・縁覚・菩薩・仏の10の世界に分類した十界が
描かれています。
特に地獄図はさまざまな地獄が詳細に描かれています。
閻魔大王の前の浄玻璃鏡を見ると、僧を斬り殺そうとする男が映っていて、
裁かれる亡者の罪深さを示しています。
絵解きは熊野比丘尼と呼ばれる女性芸人が行なっていました。
熊野観心十界曼荼羅は60点ほどが現存しているそうです。

映像ギャラリーのビデオでは講談仕立てて、熊野比丘尼の人形が地獄の様子を
解説していました。

「熊野観心十界曼荼羅」 紙本着色 江戸時代 日本民藝館
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後期の展示です。

熊野観心十界曼荼羅は2014年に東京国立博物館で開かれた「栄西と建仁寺」展でも
六道珍皇寺所蔵の品が展示されていました。

「栄西と建仁寺」展の記事です。


長谷川町子の「いじわるばあさん」で、いじわるばあさんの夫が生前放埓に暮らしていたため、
地獄の釜の蓋が開くといわれるお盆にも、娑婆に帰りづらく、閻魔様と将棋を指していて、
鬼たちがそれを眺めている、というのがありました。

鬼に追い立てられた亡者が舌を抜かれ、焼かれ、砕かれ、潰される地獄絵図を
これでもかこれでもかと見せつけられると、誰でも何とかこの責め苦を逃れることは
出来ないものかと思うことでしょう。

そこで、最後の展示室に置かれている、何点かの阿弥陀図を見ると救われる思いがします。
法然、親鸞の浄土の教えが広まった理由もうなずけます。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展、「驚異の超絶技巧!-明治工芸から現代アートまでー」です。
会期は9月16日(土)から12月3日(日)までです。

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【2017/08/01 20:24】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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