「祈りのかたち―仏教美術入門」展 出光美術館
日比谷・有楽町
chariot

丸の内の出光美術館では「祈りのかたち―仏教美術入門」展が開かれています。
会期は9月3日(日)までです。
8月13日までの前期と8月15日からの後期で一部展示替えがあります。

祈りimg001


出光コレクションの中の仏教美術品の展示で、仏教美術についての解説も掲示されています。

第1章 仏像・経典・仏具 ―かたちと技法

金銅仏、経典、経箱などの展示です。

「絵因果経」(部分) 奈良時代 重要文化財
やまと絵001

5世紀に漢訳された、釈迦の前世の善行から現世で悟りを開くまでの伝記である、
過去現在因果経を絵入りの経巻にしています。
上段に釈迦の物語が素朴な表現で描かれています。

釈迦は風、水、火で攻め立てられていますが、動じません。
風神雷神も描かれています。

やまと絵002

やまと絵003


第2章 神秘なる修法の世界 ―密教の美術

仏教にヒンドゥー教の要素を取り入れた密教の美術です。

「愛染明王図」 鎌倉時代
祈りimg096

煩悩即菩提を表し、一面六臂の赤身で、日輪を背負い、紅蓮の上に座しています。
恋愛や縁結びなどを司るとされる明王です。

「真言八祖行状図(龍智)」 保延2年(1136) 重要文化財
やまと絵004

明治の廃仏毀釈で廃寺となった、奈良県の内山永久寺の旧蔵です。
真言宗の龍猛、龍智、金剛智、不空、善無畏、一行、恵果、空海の事績を描いた
縦173㎝ほどの大きな八幅の掛軸です。
龍智は南インドの人で、龍猛から密教を授かり、これを金剛智に伝えています。
紅葉の風景の中で、左には龍智と玄奘、下には龍智と金剛智、善無畏、
右上には楽器を持った二人の人物が描かれています。

やまと絵005

やまと絵007

やまと絵006


第3章  多様なる祈り―弥勒・普賢信仰の美術

「普賢菩薩騎象図」 鎌倉時代
祈りimg097 (4)

白象に乗った普賢菩薩の像で、頭光を発しています。
法華経普賢菩薩勧発品に登場する菩薩です。
本来、菩薩に男女はありませんが、女人成仏を説く法華経の中にあることから、
特に女性の信仰を集めています。
この菩薩も唇は紅く、目鼻立ちも優しい美人に描かれています。


第4章 極楽往生の希求―浄土教の美術

「十王地獄図」 鎌倉時代末期~南北朝時代  重要文化財
やまと絵012

双幅の片方で、上部には、右から初江王、五官王、変成王、平等王、五道転輪王が
居並び、裁きを行なっています。
亡者たちは腕を打ち砕かれたり、広げられた舌を牛の挽く鋤で切られたり、
さんざんに責めさいなまれています。

やまと絵014

やまと絵016

耐え難い寒さの八寒地獄には、亡者を救う観音菩薩が現れています。
地獄に仏とはこのことです。

やまと絵013


「六道・十王図」 六幅対の内 「閻魔王図」 室町時代
祈りimg097 (5)

祈りimg104

祈りimg097 (7)

祈りimg097 (6)



地獄の十王の裁きの内、閻魔王の場面で、浄玻璃の鏡で生前の行ないを映され、
天秤で罪の重さを量られ、熱く煮えた銅を飲まされ、広げられた舌を牛の挽く鋤で
切られたりしています。


「当麻曼荼羅図」 鎌倉時代末期〜南北朝時代
祈りimg097 (1)

奈良県の当麻寺に伝わる当麻曼荼羅を1/4に縮小してあり、縦101㎝、
愛知県の巌窟寺(岩屋寺)の旧蔵です。
観無量寿経に説く極楽浄土を表していて、密教の曼荼羅とは異なります。
阿弥陀、観音、勢至の三尊を中心にした極楽浄土の様が描かれています。


第5章 峻厳なる悟りへの道―禅宗の美術

「達磨図」 拙宗等揚 室町時代
祈りimg097 (3)

雪舟(1420-1506?)の作で、「拙宗等揚」の名は、「雪舟等楊」を名乗る前のものです。
衣の太い線と顔や髭の細い線をていねいに使い分けています。

出光美術館が数多く所蔵する仙厓の絵も何点か展示されています。

仙厓義梵(せんがいぎぼん)(1750~1837)は臨済宗の僧で、博多の聖福寺の
住持を勤め、引退後も博多に住んでいます。
その洒脱な人柄と巧みな書画から、町の人に「仙厓さん」として親しまれました。

坐禅蛙画賛
仙002

坐禅して人か佛になるならハ

いつも坐っている蛙だって悟りを開けることになるから、形ばかりを真似ても
真実は得られないという教訓です。
しかし、にやりと笑った蛙の顔には、本当に何か自得したような気配があります。

○△□
仙009

仙厓といえば、この絵が有名です。
画賛には、扶桑最初禅窟とあります。
後鳥羽上皇より聖福寺に賜った号で、日本最初の禅宗寺院という意味です。
聖福寺は南宋より帰国した栄西が最初に立てた禅寺です。

セザンヌが世界を丸、三角、四角で捉えていたことを思い出します。

一円相画賛
仙003

これくふて
茶のめ

悟りを得てもそこに留まることなく、更に前に進めという意味です。
悟りを表す円もお茶菓子になってしまいます。

指月布袋画賛
仙007

を月様
幾ツ
十三七ツ

布袋が月を指差しても、人は布袋の指を見て月を見ない、本質を見なければ
仏の境地には行き着かない、という禅画の題材の一つです。
わらべ歌も書き入れた、月を見て喜ぶ布袋さんと子供の姿には、元の意味を超え、
活き活きとした自由な境地が表れています。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「江戸の琳派芸術」展です。
会期は9月16日(土)〜11月5日(日)です。

img106.jpg

関連記事

【2017/08/10 19:33】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/3340-b8f161af

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |