映画「セザンヌと過ごした時間」 試写会
飯田橋
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8月24日に飯田橋の神楽座で開かれた、東京新聞×青い日記帳特別映画試写会
「セザンヌと過ごした時間」に行ってきました。

img169.jpg

上映の後、ブログ「弐代目・青い日記帳」主催のTakさんと、「イラストで読む美術シリーズ」
作者の杉全美帆子さんのトークも伺いました。

作品はダニエル・トンプソン監督で、ポール・セザンヌ(1839-1906)と小説家の
エミール・ゾラ(1840-1902)の友情と訣別を描いています。

エクス=アン=プロヴァンスの中学校でセザンヌはゾラと知り合い、親友となります。
やがてゾラはパリで小説家として成功しますが、セザンヌはパリで印象派の画家たちと
交わったものの、世間の評価は低く、故郷に戻ります。
そして、失敗した画家の生涯を書いたゾラの小説により、二人は訣別してしまう
という内容で、概ね史実に沿っています。

パリのカフェ・ゲルボアで気勢を上げる印象派の画家たちの場面では、マネやモネ、
ピサロたちが登場します。
観ていて、ピサロは年長で、ルノワールは痩せていて、などと思って人物を特定
しようとしていたら、あっという間にその場面は過ぎてしまいました。
夜のモンマルトルの小路を歩くセザンヌとゾラの後ろにサクレ・クール寺院の
丸屋根が見えたりもします。

印象派の画家たちのピクニックの場面は、まさにモネやルノワールやカイユボットの
作品を思わせます。
二人が喧嘩別れする場面では、ゾラの物書きとしての苦悩も現れ、緊迫した会話に
迫力がありました。
近代科学の象徴である汽車や写真も登場し、バジールが戦死した普仏戦争、
ゾラがドレフュスを弁護したドレフュス事件なども会話に織り込まれ、その時代の状況や
雰囲気が伝わります。

二人それぞれの男女関係も取り入れられ、作品にふくらみを持たせています。
実際にセザンヌは夫人のオルタンスをよく描いていて、辛抱強くモデルを務めた
オルタンスを「りんごのようにポーズをとる」と褒めています。

参考
「赤いひじ掛け椅子のセザンヌ夫人」 1877年頃 ボストン美術館
セ006


パリで初めてセザンヌの個展を開いた画商、ヴォラールが肖像を描いてもらう
場面もあって、ヴォラールは「りんごが動くか!」と怒られています。

参考
「アンブロワーズ・ヴォラールの肖像」 1899年 パリ市立プティ・パレ美術館
セ012

舞台となったエクス=アン=プロヴァンスの風景、特にサント=ヴィクトワール山の
たたずまいは印象的です。

参考
「サント=ヴィクトワール山」 1902年頃 プリンストン大学付属美術館
 (ヘンリーアンド・ローズ・パールマン財団より長期寄託)

セ014

作品の最後にもサント=ヴィクトワール山が映され、やがてそれはセザンヌの描いた
サント=ヴィクトワール山に変わります。
その中にはブリヂストン美術館所蔵の作品もあったように見えました。

参考
「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」 1904-06年頃 ブリヂストン美術館
b004.jpg


セザンヌ好き、印象派好き、そしてフランス好きの方には特にお薦めする映画です。

「セザンヌと過ごした時間」は9月2日からBunkamuraル・シネマで一般公開が始まります。


日本では2012年に国立新美術館でセザンヌの展覧会が開かれました。
初期から晩年までの作品が揃い、大変見応えのある展覧会でした。

国立新美術館の「セザンヌ パリとプロヴァンス」展の記事です。

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【2017/08/26 21:24】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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