「驚異の超絶技巧!-明治工芸から現代アートまでー」その1 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では特別展、「驚異の超絶技巧!
-明治工芸から現代アートまでー」が開かれています。
会期は12月3日(日)までです。
会期中、一部展示替えがあります。
細かい細工が多いので、単眼鏡を持って行くとよいでしょう。

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2014年に同じ三井記念美術館で開かれた、「超絶技巧! 明治工芸の粋」展に
続いての企画で、今回は現代作家15名の作品、約50点も併せて展示されています。

「超絶技巧! 明治工芸の粋」展の記事です。

9月16日にブロガーナイトが開かれたので、参加してきました。
ブログ「弐代目・青い日記帳」主催のTakさんの挨拶の後、小林祐子学芸員の司会で、
山下裕二明治学院大学教授の解説を伺いました。
解説を聴くと、なぜ超絶技巧なのかがよく分かります。

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明治工芸と現代アートの2回に分けて記事にします。
写真は特別の許可を得て撮影しています。
写真の数は多いですが、どれも素晴らしい作品です。

「猫ニ花細工花瓶」 初代 宮川香山 眞葛ミュージアム
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猫の毛並みまで表現されています。
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会場の最初に置かれています。
初代宮川香山の興した横浜眞葛焼は高浮彫で有名で、多くが輸出されました。
横浜眞葛焼は三代で絶えていますが、五代目に当たる方と眞葛ミュージアムの
山本博士さんが会場に来られていました。

「崖ニ鷹大花瓶」 初代 宮川香山 眞葛ミュージアム
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2016年にサントリー美術館で開かれた、「没後100年 宮川香山展」の記事です。

「紫陽花図花瓶」 並河靖之 清水三年坂美術館
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並河靖之は色の境目に銀線などを置く、有線七宝を京都で制作し、
これも多くが輸出されました。

2017年に東京都庭園美術館で開かれた、「並河靖之七宝展 
明治七宝の誘惑―透明な黒の感性」の記事
です。

「月に時鳥図花瓶」 安藤重兵衛 個人蔵
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並河靖之の有線七宝に対し、色の境目に線を置かない無線七宝で、
絵画のようなグラデーションを見せています。
安藤七宝店は安藤重兵衛に始まる尾張七宝の店で、現在は名古屋市と
東京の銀座5丁目に店舗があります。

並河靖之と並び称せられた、濤川惣助の無線七宝も展示されています。

「群鶏図香炉(蟷螂摘 矮鶏摘)」 正阿弥勝義 清水三年坂美術館
蟷螂の摘まみ
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矮鶏の摘まみ
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正阿弥勝義は岡山藩御抱え彫金師の出身の金工家です。
正阿弥勝義の作品は2010年に泉屋博古館分館で開かれた、
「幕末・明治の超絶技巧展」でも何点か展示されていました。

「古瓦鳩香炉」 正阿弥勝義 清水三年坂美術館
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古瓦に留まった鳩に見付かった蜘蛛が逃げようとして、下の方にわずかに
身を寄せた瞬間を捉えています。
鉄が古錆びた色を出しており、鳩は銀製です。

「幕末・明治の超絶技巧展」の記事です。

安藤緑山 「胡瓜」 個人蔵
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初公開の作品です。
牙彫(げちょう)と呼ばれる象牙彫刻で、色も質感も本物とまったく
見分けが付きません。
安藤緑山は牙彫師で、野菜や果物を得意とし、素材に着色するという
当時は異端だった技法を使っています。
緑山自身の経歴はほとんど判っていません。
2014年の「超絶技巧! 明治工芸の粋」展にも出品され、話題になりましたが、
注目された結果、その後約80件が新たに発見されたそうです。

安藤緑山のさまざまな牙彫の作品です。

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「吹上菊図文庫」 旭玉山 清水三年坂美術館
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桐の箱に象牙などの別の素材を嵌め込む彫嵌の技法によっています。
旭玉山は江戸生まれの牙彫作家で、高村光雲とともに東京美術学校の
教授も勤めています。

「釣瓶に蝦蟇」 三代 正直 個人蔵
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正直(まさなお)は伊勢の根付師で、三代まで続いています。
根付(ねつけ)は印籠や煙草入れなどを帯に提げるときの留め具で、
装飾のため細かい細工がされています。
作品は根付より大きな木彫で、一木から古びた釣瓶、ガマガエル、
カタツムリなどを彫り出しています。

「羽根蒔絵香合」 白山松哉 清水三年坂美術館
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漆工で繊細な研ぎ出し蒔絵が施されています。

老松に桐鳳凰図刺繍屏風」 二代 田中利七 清水三年坂美術館
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10月29日までの展示です。
伊藤若冲の「動植綵絵」のうち、「老松白鳳図」に拠った作品で、
若冲の印も縫い出されています。
絹糸で表した羽根が輝いています。

参考 「老松白鳳図」 伊藤若冲
皇10-8-2009_004

「大工図刺繍額」 昇竜 清水三年坂美術館
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10月29日までの展示です。
小品で、細密な刺繍によって人物を描き出しています。

「瓢形一輪生」 山田宗美 清水三年坂美術館
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何気ない造形に見えますが、1枚の鉄板から打ち出す鍛金の技法により
制作しています。

「伊勢海老」 宗義 清水三年坂美術館
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自在という工芸で、触覚や脚、胴体を自在に動かすことが出来ます。
明治維新で甲冑の需要を失った甲冑師が考案し、龍、鯉、伊勢海老、虫などを
制作しています。
鉄や銅などを使いますが、この作品は銀製です。

「伊勢海老」 山崎南海 清水三年坂美術館
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2016年には東京藝術大学大学美術館でも「驚きの明治工藝展」が開かれました。

「驚きの明治工藝展」の記事です。

現代作家の作品は次回に紹介します。

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【2017/09/18 14:41】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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