「ほとけを支える ―蓮華・霊獣・天部・邪鬼―」 根津美術館
表参道
chariot

表参道の根津美術館では企画展、「ほとけを支える
―蓮華・霊獣・天部・邪鬼―」が開かれています。
会期は10月22日(日)までです。

img264.jpg


蓮華や霊獣・天部など、ほとけを支える存在に焦点を当てた展覧会で、
根津美術館のコレクション、約40点が展示されています。

「大日如来像」 平安時代 12世紀 重要文化財
曼004

大日如来は密教の中心にある仏です。
如来は悟りを得た存在であるため、通常は装身具を着けない姿で表されますが、
大日如来は宇宙のすべてを包摂することを表すため、宝冠や瓔珞(ようらく)を
着け、豪華な宝壇の上の蓮華座に坐しています。
輪郭線はくっきりとして、肌色に濃淡を付けて、お顔や腕の立体感を表しています。
平安後期の貴族の「美麗」と呼ばれる美意識に拠っているとのことで、
やや下ぶくれのお顔の、荘厳で繊細な雰囲気の仏です。

「釈迦三尊像」 南北朝時代 14世紀
ほとけ003

ほとけimg265 (1)

釈迦は赤い衣を着け、光背にはぼかしが入っています。
乗っている蓮の花は通常は花弁が上を向く仰蓮ですが、この絵では花弁が開ききって、
雄しべが見える形で、宋・元の仏画に見られる描き方とのことです。
脇侍の獅子に乗った文殊菩薩と白象に乗った普賢菩薩には動きがありますが、
獅子と白象はゆったりうずくまる形で描かれています。


「文殊菩薩像」 鎌倉時代 14世紀
ほとけimg265 (5)


文殊菩薩は智慧を司る菩薩で、獅子に乗った姿で表されます。
獅子は振り向きながら咆哮しているところです。

「降三世明王像( 五大尊より)」 鎌倉時代 13世紀 重要美術品
ほとけimg265 (4)

ほとけimg265 (6)

降三世明王(ごうざんぜみょうおう)は不動明王など五大明王の一尊で、
明王は密教において大日如来の命により民衆を教化する役割を担っています。
降三世明王はヒンドゥー教の神、大自在天(シヴァ)と、その妃の烏摩妃
(パールヴァティー)を踏みつける姿で描かれます。

「毘沙門天像」 鎌倉時代 14世紀
ほとけimg265 (3)

毘沙門天は仏教の守護神である四天王の一尊である多聞天の別名です。
甲冑を着け、棒や宝塔を持ち、邪鬼を踏みつける姿で表されます。
上杉謙信が信仰し、「毘」の字を旗印に用いたことで知られています。

ふんどし一つで、四天王たちに数百年間踏みつけられている邪鬼の姿には
つらいものがあります。

「阿弥陀二十五菩薩来迎図」 鎌倉時代 14世紀
ほとけimg265 (2)

阿弥陀如来に従う諸菩薩が雲に乗り、楽器を奏でながら死者を迎えています。
平安時代に比べ、鎌倉時代の来迎図は雲の尾を長く曳かせ、スピード感を
出しているそうです。

「金剛界八十一尊曼荼羅」 鎌倉時代 13世紀 重要文化財
曼003

曼荼羅(まんだら)は密教の世界を絵画化したもので、両界曼荼羅や
浄土曼荼羅などさまざまの種類があります。

金剛界曼荼羅は金剛頂経に基くもので、八十一尊曼荼羅はその一種です。
金剛とはダイヤモンドのことで、堅固な悟りの世界を大日如来を中心に整然と
並んだ諸尊によって表しています。
八十一尊曼荼羅は慈覚大師円仁が唐から請来した図に基くとされ、
天台宗系に伝わる曼荼羅です。
滋賀県の金剛輪寺に伝来していました。


「善光寺縁起絵」 鎌倉時代 13〜14世紀 重要文化財
根008

阿弥陀三尊像が長野の善光寺に祀られるまでを描いた三幅対の真中の絵です。
善光寺阿弥陀の特徴である一光三尊(一つの光背の中に三尊が立つ)形式の
阿弥陀像の下には善光寺の伽藍が描かれています。
礼拝の対象としての仏画と縁起絵とを組合わせた図像とのことで、阿弥陀三尊は
金色に輝いています。


展示室5は「水瓶」の展示で、瓶や水差しなど、水の器が揃っています。

「五彩孔雀文仙盞瓶」 景徳鎮民窯 施釉磁器 明時代 16世紀
ほとけimg275 (2)

仙盞瓶(せんさんびん)はペルシャ風の形をした水差しのことです。
金襴手の彩色が華やかです。

「白磁浄瓶」 施釉炻器 唐時代  8世紀
根003

僧が浄水を入れる金属製の器をかたどっています。
白磁は白い生地に透明な釉薬をかけたものですが、これは生地の上に白い土を
かぶせてから透明な釉薬をかけてあるそうです。
丸みのあるおだやかな形で、浮き出した土の色に温かみがあります。


展示室6のテーマは「菊月の茶会」です。
菊月は旧暦9月のことで、秋にちなんだ茶道具の展示です。

「一重切花入 銘 三井寺」 千宗旦作 江戸時代 17世紀
ほとけimg275 (1)

千利休の作った、園城寺という名の一重切花入に倣って、孫の宗旦が作ったものです。
謡曲の「三井寺」は中秋の名月の日の三井寺(園城寺)を舞台にしています。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展、「鏨(たがね)の華―光村コレクションの刀装具―」です。
会期は11月3日(金・祝)から12月17日(日)です。

img272.jpg

関連記事

【2017/10/12 19:02】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/3390-5a24c3cc

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |