「安藤忠雄展―挑戦―」と安藤忠雄さんのギャラリートーク 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では国立新美術館開館10周年、「安藤忠雄展―挑戦―」が
開かれています。
会期は12月18日(月)まで、火曜日は休館日です。

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建築家、安藤忠雄さん(1941-)の挑戦の軌跡と未来への展望を約200点の設計資料で
紹介する展覧会です。

「原点/住まい」「光」「余白の空間」「場所を読む」「あるものを生かしてないものを
つくる」「育てる」という6つのセクションに分かれ、模型と資料が展示されています。
広い展示場を使って、安藤さんの作品の模型が数多く並べられ、安藤さんの挑戦の
過程を見ることが出来ます。

会場ではパリのブルス・ド・コメルス(旧証券取引所の改造計画)の模型の横で
安藤さんのギャラリートークがあったので、急いでメモを取りました。

「ブルス・ド・コメルス改造計画の模型は学生6人が6か月かかって、良くこれだけの物を
造ったと思う程、実に精巧に造り上げている。
本人たちは二度と御免だと言っているが、若い頃は一生懸命何かを造った方がいい。
建築は皆で打合せを繰り返して造り上げていくところが面白い。
昔は建設現場を囲いなどで覆ったりしなかったので、丹下健三の建築でも、建設過程を
外から見ていることが出来た。
建築というものは見て、体感して、覚えるもの。
本や作品集などで調べてから現物を見ると良い。
櫻井翔(1982-)も建築が好きで、時々対談している。
現在、建築好きな人は40歳以上が多く、30歳以下はコンピューターで何でも済ましている。
今まで自分が50年かかって造ってきたものを、展覧会で1時間くらい見ただけで
分かる筈がない。

この国立新美術館は黒川紀章(1934-2007)の設計だが、ロビーはとても良い。
妹島和世(1956-)や伊東豊雄(1941-)のようなものを自分は造れないし、逆に彼らは
自分のようなものを造れないだろう。
妹島の設計の、うねる床(スイスのロレックス・ラーニングセンターのこと?)という発想は
自分には思い付かない。
妹島に、床がうねっていたら人がつまずいてしまうだろうと言ったら、つまずく方が悪いと
言い返されてしまった。
伴茂(1957-)の災害時の仮設建物も素晴らしい。

(ル・コルビュジエについて訊かれて)
ル・コルビュジエは1887年に生まれて、1965年に地中海で遊泳中に亡くなっている。
ルイ・カーン(1901-1974)は誰とも知られずに亡くなっている。

(何を希望とすれば良いか訊かれて)
希望とは人それぞれ、固有のもの。
自分の現在の希望は子どものための図書館造りで、市民や企業から資金を募って、
大阪に作ろうとしているところ。
地震で被害を受けた東北にも出来ると良い。
今の人は本を読まないが、それではいけない。
日本人は昔から自然と共に助け合って生きてきており、いわば地球と共に生きている
ことになる。
自分の設計した「住吉の長屋」の思想もカーボンゼロの生活。
最近、それが失われているのが残念。」


辛口の内容もありましたが、安藤さん特有の語り口で、安藤さんのエネルギーと
熱い思いの感じられるトークでした。
終わるとギャラリーからは大きな拍手が起こりました。
コルビュジエについての感想を求められた時に、生没年を覚えていて、コルビュジエと
ルイ・カーン(1901-1974、公共建築の大家。ニューヨークの駅のトイレで心臓発作で
亡くなり、数日後に発見。)の最期に言及したことも印象に残りました。


会場内では直島のプロジェクトのインスタレーションが撮影可能です。

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野外展示場では代表作で1989年竣工の、大阪府茨木市にある茨木春日丘教会礼拝堂
(光の教会)が原寸大で再現されていて、こちらも撮影可能です。

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打放しのコンクリートを積み重ね、黒い板張りの床は階段状になっており、
正面は十字架の形に開かれ、明るい光が差し込みます。

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壁にも光の十字架が映ります。

あIMG_0139


2008年に乃木坂のギャラリー・間で開かれた、『安藤忠雄建築展 「挑戦-原点から」』では
「住吉の長屋」の原寸大模型が展示されていました。

『安藤忠雄建築展 「挑戦-原点から」』の記事です。

展覧会のHPです。

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【2017/10/07 09:15】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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