「オットー・ネーベル展 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
chariot

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「オットー・ネーベル展」が開かれています。
会期は12月17日(日)までです。

ネーベルimg076


オットー・ネーベル(1892-1973)はベルリン生まれで、第一次世界大戦で戦死した
フランツ・マルク(1880-1916)の回顧展を観て感銘を受けたことがきっかけで、
戦後の1919年に画家となっています。
そしてワイマールに滞在し、バウハウスで教えていたワシリー・カンディンスキー
(1866-1944)やパウル・クレー(1879-1940)と親交を深めます。
後にカンディンスキーはネーベルの作品をニューヨークのグッゲンハイム美術館が
購入することに尽力しています。

展覧会では影響を与えた、シャガール、カンディンスキー、クレーの作品や
バウハウス関係の資料も展示されています。

2010年に三菱一号館で開かれた、「カンディンスキーと青騎士展」の記事です。

2011年に東京国立近代美術館で開かれた、「パウル・クレー おわらないアトリエ」展の記事です。


「アスコーナ・ロンコ」 1927年 
 水彩、グアッシュ・紙、厚紙に貼付 ベルン美術館

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アスコーナはスイス南部、イタリアとの国境に近いマッジョーレ湖沿いの町です。
赤い尖塔はジュゼッペ・モッタ広場近くの教会のようです。
初期の作品で、幻想的な雰囲気や色彩の使い方など、シャガールの影響を
受けています。

「イタリアのカラー・アトラス(色彩地図帳)」より、「ナポリ」 
 1931年 水彩・紙 オットー・ネーベル財団

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1931年にイタリアに旅行し、各都市の印象をスケッチブックにまとめています。
抽象画的な表現で、明るい色彩の単純な四角形を並べ、色調の違いで
各都市の違いを表しています。
青い丸はナポリ湾でしょうか。

ところがドイツでは1933年にナチスが政権を握ったため、ネーベルは逃れて
スイスのベルンに移住します。
パウル・クレーも迫害を受け、同じ年にベルンに移住しています。

「避難民」 1935年 グアッシュ、インク・紙 オットー・ネーベル財団
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迫害を逃れて旅をする家族で、矢印が行き先を告げています。
聖書の「エジプトへの逃避」のイメージがあります。

「ムサルターヤの町 IV 景観B」 1937年 グアッシュ・紙 ベルン美術館
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建築を学んでいたネーベルは都市の景観を単純化された形で再構成しています。

現実を写すのではなく、抽象化されたものを描こうとしたネーベルは音楽の
絵画化を試みています。
音楽の絵画化はカンディンスキーも行なった表現です。

「ドッピオ・モヴィメント(二倍の速さで)」 1936年
ネーベルimg304 (7)
 
 ラッカー塗料・紙 オットー・ネーベル財団

強弱のリズムを絵にしたような感じです。

ネーベルは抽象化を進めて、音楽の他、古代ゲルマンのルーン文字や
古代中国の易経、旅行した中東の印象などに想を得た作品を描いています。

「明るい黄色の出来事」 1937年 油彩・キャンヴァス オットー・ネーベル財団
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「満月のもとのルーン文字」 1954年 
油彩・板、はめ込み式の枠 オットー・ネーベル財団

ネーベルimg304 (10)

木々と木の葉のようで、ゲルマンの森を思わせます。

オットー・ネーベルの作品は親交のあったカンディンスキー、クレーに近いものが
ありますが、色調は優しく、楽しげです。
細かい点をびっしり並べて均一な画面をつくるという、几帳面な描き方をしていて、
この画面の特徴は実際に作品を間近に観るとよく分かります。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「ルドルフ2世の驚異の世界展」です。
会期は2018年1月6日(土)から3月11日(日)までです。

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【2017/10/26 19:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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