「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」展 内覧会
新橋・汐留
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汐留のパナソニック 汐留ミュージアムでは、「表現への情熱 カンディンスキー、
ルオーと色の冒険者たち」展が
開かれています。
会期は12月20日(水)まで、休館日は水曜日ですが、12月6、13、20日は開館しています。
10月16日に内覧会があったので、行ってきました。

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ドイツ表現主義の画家で、抽象絵画の創始者の一人となったヴァシリー・カンディンスキー
(1866-1944)と、宗教的で精神性の高い作品を描いたジョルジュ・ルオー(1871-1958)の
関係に焦点を当てた展示です。
また、カンディンスキーと親交があり、バウハウスで共に教えたこともある、パウル・クレー
(1879-1940)の作品も併せて展示されています。

内覧会では富安玲子学芸員の解説を伺いました。
会場の写真は特別の許可を得て撮影しています。

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第1章 カンディンスキーとルオーの交差点

カンディンスキーはロシア出身ですが、ドイツのミュンヘンで法律家になる勉強をしていた
ところ、モネの「積みわら」を見て、その色彩の表現に驚き、画家を志しています。

ヴァシリー・カンディンスキー 「商人たちの到着」
 1905年 麻布、テンペラ 宮城県美術館

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1905年のパリのサロン・ドートンヌに出展された作品で、モスクワ川を商船が
やってきたところでしょうか、人々が大勢集まっています。
輪郭線は太く、鮮やかな色彩が散りばめられ、ステンドグラスのように
きらめいています。

この展覧会にマティスやヴラマンク、ドランらが出展した作品の強烈な色彩などにより、
「フォーヴィズム」という呼び名が始まっています。
サロン・ドートンヌは1903年にマティス、ルオー、マルケ、ヴィヤール、ボナールらによって
設立された美術展覧会で、カンディンスキーは1904年から出品しています。

ジョルジュ・ルオー 「町外れ」 1909年 麻布、油彩・デトランプ 姫路市立美術館
寂しそうな家並みの間に人物が立っています。
この展覧会のために修復されての出品とのことです。
ルオーも写実を求めるのではなく、深い精神性を色彩で表しています。

カンディンスキーは1906~7年に恋人のガブリエーレ・ミュンターと共にパリに出て、
ギュスターヴ・モロー美術館にも行っています。
モローに教わったルオーが館長を務めていて、この時、二人は会っていたかも
しれないということです。


第2章 色の冒険者たちの共鳴

カンディンスキーやクレーの他、ドイツ表現主義の画家の作品とルオーの作品が
展示されています。

左:「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作(カーニバル・冬)
  1914年 厚紙、油彩 宮城県美術館

右:ガブリエーレ・ミュンター 「抽象的コンポジション」
  1917年 板、油彩 横浜美術館

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左はシボレーの創立者の一人、エドウィン・R・キャンベルのニューヨークの自宅に飾る
4枚の壁画の注文を受けて制作された習作です。
抽象化が進み、3原色がにぎやかに響き合っています。

右のガブリエーレ・ミュンターも画家で、カンディンスキーのパートナーでしたが、1916年に
別れた後、ナチスによるいわゆる退廃芸術弾圧時代にも彼の作品を守り続けています。

左:エーリヒ・ヘッケル 「木彫りのある静物」  1913年 麻布、油彩 広島県立美術館
中:マックス・ペヒシュタイン 「森で」 1919年 画布、油彩 高知県立美術館
右:ハインリヒ・カンペンドンク 「少女と白鳥」 1919年 画布、油彩 高知県立美術館
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左のエーリヒ・ヘッケル(1883-1970)はドイツ表現主義のグループ、「ブリュッケ」の
創立メンバーです。
ドイツ表現主義は20世紀初めにドイツで起こった芸術運動で、対象を写すのではなく、
自己の内面の表現を目指しています。
社会的不正の告発や不安の表出に特徴があり、暗めで荒々しさのある作品が
多いようです。

中のマックス・ペヒシュタイン(1881-1955)は「ブリュッケ」に参加し、南太平洋への旅行で
ゴーギャンの作品に影響を受けています。

右のハインリヒ・カンペンドンク (1889 – 1957)はフランツ・マルクの動物画の影響を受け、
動物もよく描いています。


第3章 カンディンスキー、クレー、ルオー —それぞれの飛翔

3人の作品の展示です。

中:ヴァシリー・カンディンスキー 「活気ある安定」
 1937年 麻布、混合技法 宮城県美術館

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整然とした画面で、色彩の対比も面白くまとめられていて、カンディンスキーも
ここまで来たか、という感じです。
カンディンスキーによれば、それぞれの形の間には緊張関係があり、
一方でそれを緩める作用も働いているとのことです。

左:パウル・クレー 「グラジオラスの静物」 1932年
 紙、水彩・インク、台紙に添付 宮城県美術館
右:パウル・クレー 「橋の傍らの三軒の家」 1922年
 紙、水彩、台紙に添付 宮城県美術館

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右はバウハウスでの講義ノートには、オレンジ色と青色を加熱と冷却に結び付けた
説明が書かれていたそうです。

左はナチスを逃れてスイスのベルンに亡命する前年の作品です。
グラジオラスを赤系統の色、花瓶を水色で表しています。

左:パウル・クレー 「綱渡り師」 1923年 紙、石版 宮城県美術館
右上:ヴァシリー・カンディンスキー 「素描」 1923年 紙、インク・ペン 宮城県美術館
右下:ヴァシリー・カンディンスキー 「素描」 1927年 紙、墨 宮城県美術館

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富安さんのバッグも右下の音楽的な素描をあしらったものでした。


会場の最後にはロシアの雑踏の中での撮影スポットもあります。
撮影端末に自分や背景が映っていて、画面にタッチすると撮影され、
画像を自分のPCからダウンロード出来ます。

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展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「ヘレンド展 ― 皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯 ―」展です。
会期は2018年1月13日(土)から3月21日(水・祝)までです。

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【2017/10/19 19:01】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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