「桜 さくら SAKURA 2018 ―美術館でお花見!―」 山種美術館
恵比寿
chariot

山種美術館では企画展、「桜 さくら SAKURA 2018 ―美術館でお花見!―」が
開かれています。
会期は5月6日(日)までです。

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今年も桜の頃を迎え、山種美術館の桜の絵も咲き揃いました。
先ず、桜の名所にまつわる作品です。

土田麦僊 大原女 1915年
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京都大原の桜で、右隻には三人の大原女が柴を頭を載せて、山道を歩いています。
左隻には何本もの竹が伸び、水車が回り、屋根にはキジバトが止まっています。
満開の桜の枝が両側に向けて広がり、右隻の大原女は右に体を傾け、左隻の竹は
左に傾き、左右に広がりを見せています。
大原女の足元をデッサンのままに残して、動きを感じさせる工夫をしています。

小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「入相桜」 1930年 
院004

紀州の安珍清姫伝説を絵巻物風に8枚続きの絵に仕立てたものです。
鐘の中で焼き殺された安珍と、日高川に身を投げた清姫の亡骸は共に
比翼塚に葬られ、桜が植えられ、入相桜と呼ばれます。
悲恋の物語は最後に満開の桜によって優しく慰められています。

橋本明治 「朝陽桜」 1970年
東山002

1968年に完成した皇居宮殿を飾った作品群に感銘を受けた山種美術館の
初代館長、山﨑種二は同種の作品を各作家に直接依頼したもので、
福島県三春の滝桜のスケッチを元にした作品です。
花弁一つ一つが、橋本明治の特徴の、ステンドグラスのようなくっきりと太い輪郭線で
描かれ、堅牢で装飾的な画面をつくっています。

「醍醐」 奥村土牛 1972年
百003

奈良の薬師寺で行なわれた、小林古径の七回忌の法要の帰りに見た、
京都醍醐寺三宝院の枝垂桜に感激し、その後10年越しで完成させた作品です。
静かに咲いて静かに散る桜の姿と、亡き小林古径の姿を
重ね合わせて描いたとのことです。
幹と支柱の縦線、土塀の横線を基本にして、幹を真中に据え、画面上を
桜で埋め尽くし、土塀の連なりで奥行きを見せています。
花弁の重なりは濃く薄く描かれて、立体感があり、塗りを重ねた幹の色は
桜の経てきた年月を感じさせます。

奥村土牛 「吉野」 1977年
冨士008

霞の中に広がる、花の吉野です。
緑から青へと変わる色彩と山の間の霞によって、遠近感を出しています。
手前から奥へと三角形を重ね、桜の木も三角形にした理知的な構成の画面ですが、
描いていて、「歴史画を描いているようで、目頭が熱くなった」とのことです。

続いて、さまざまの桜を描いた作品です。

松岡映丘 「春光春衣」 1917年
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松岡映丘は大和絵の復興を目指し、古画や有職故実を研究して作品を描いています。
切箔や金砂子を散りばめ、華麗な王朝絵巻を再現した作品です。

上村松園 「桜可里」 1926-29年頃 
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肉筆浮世絵風の華やかな絵柄で、着物の作りだす線がリズミカルです。

川合玉堂 「春風春水」 1940年 
玉006

川の急流に張ったワイヤーを使った渡し舟には農婦が乗り、
岩場には山桜が咲いています。
満々とした蒼い水の描写が印象的な作品です。

小野竹喬 『春野秋溪のうち「春野」』 1944年頃 山種美術館
冨士007

いかにも京都の画家、小野竹喬らしいやわらかな色彩で、
空も霞と同じ色に霞んでいます。

伊東深水 「吉野太夫」 1966年
歴003

吉野太夫は江戸初期の京都の廓を代表し、茶道にも秀でていたとされる
太夫とのことです。
立兵庫という、上に伸ばした独特の髪形で、吉野太夫の名に因んで、
満開の桜花を背景に立っています。
桐や扇面散らしの模様で埋め尽くされた打掛や小袖の輪郭線は、リズムを
持って交差しています。
茶入を載せた盆を差し出している禿(かむろ)は、鹿の子絞りに菊を刺繍した
小袖を着ています。

守屋多々志 「聴花(式子内親王)」 1980年
前田003

式子内親王の歌に依っている作品とのことです。

 はかなくて過ぎにし方をかぞふれば花に物思ふ春ぞへにける

桜は薄墨桜、鬱金桜とのことで、花弁の色は沈んだ銀色です。
白と朱の十二単は清楚で、若い内親王のお顔は理知的、意思的です。
薄幸であったと伝えられる式子内親王へのオマージュでしょう。


夜桜の絵もあります。

速水御舟 「あけぼの・春の宵のうち 春の宵」 1934年 
速10-9-2009_006

淡紅色の朝鮮色紙に描かれているそうです。
薄墨色の夜のなかで、斜めに伸びた満開の桜の枝から、はらはらと
花が散っています。
三日月に照らされた桜は、盛りの最後の時の妖しさを湛え、
白く浮かんでいます。

千住博 「夜桜」 2001年 
冨士005

覆いかぶさる夜桜を、下から見上げた視線で捉えています。
黒々とした夜空の中、ライトに照らされたような紅く細かい点を
びっしり重ねた桜は、現実の夜桜を見ているようで、伝統的な
日本画とは異なる凄みがあります。

山種美術館のHPです。


次回の展覧会は特別展、「琳派―俵屋宗達から田中一光へー」です。
会期は5月12日(土)から7月8日(日)までです。


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【2018/03/29 19:38】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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