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「線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」展 虎ノ門 菊池寛実記念智美術館
神谷町
chariot

虎ノ門の菊池寛実記念智美術館では「線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と
田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」展が開かれています。
会期は7月16日(月・祝)までで、会期中、全作品が展示替えされます。

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4月21日にアートブログイベントが開かれたので、参加してきました。
写真は許可を得て、撮影しています。

地下の展示室に向かう螺旋階段に置かれた、四代田辺竹雲斎による高さ7mの
竹のインスタレーションです。

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支えなどは無く、自立しています。
竜巻のような、龍がうねりながら昇るような造形で、迫力いっぱいです。
学芸員の方の解説によれば、高知県産の虎竹を使っていて、3人のお弟子さんと
一緒に9日間かけて組上げてあるそうです。
この展覧会が終わった後は解体され、材料の竹ひごは再利用されるとのことです。

日用品の竹細工が発展して、作家による芸術としての竹工芸となったのは
大正、昭和期とのことです。
展覧会では東京を拠点にした飯塚琅玕齋(1890‐1958)と、大阪・堺を拠点にした
初代田辺竹雲斎(1877‐1937)、その後継者たちの作品約120点が展示されています。

S字型の展示台は初代田辺竹雲斎、奥の列は二代田辺竹雲斎の作品です。
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右 初代田辺竹雲斎 「唐物写二重編花籃 温公」 1918~1930年
左 初代田辺竹雲斎 「唐物写四神花籃」 1901~1930年
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江戸から明治にかけて、中国の文人趣味である煎茶が流行し、それに伴って
唐物が珍重されたので、唐物写の竹工芸も盛んになります。
右は内と外、二重に編み上げた精緻な細工がなされています。
温公とは北宋の政治家、司馬光のことです。
左は四面に南画家の近藤翠石が四方位の神獣、青龍・朱雀・白虎・玄武を
描いています。

右 初代田辺竹雲斎 「天然竹手烏府」 1901~1937年
左 初代田辺竹雲斎 「天然竹上手附花籃 雲龍」 1928年
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右は煎茶席で使う炭の容れ物で、炭をカラスにたとえ、府は集まる所という
意味があります。
左は荒編みと呼ばれる編み方で、勢いよく編み上げていて、縄文時代の
細工のような趣きがあります。

二代田辺竹雲斎(1910‐2000)の作品
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二代田辺竹雲斎は初代竹雲斎の長男で、造形は繊細です。

右 三代田辺竹雲斎 「条文」 1974~1991年
左 三代田辺竹雲斎 「未来への歓喜」 2009年
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三代田辺竹雲斎(1940‐2014)は二代竹雲斎の長男で、竹を割らずにそのまま
利用して、円や直線を表現しています。

手前 四代田辺竹雲斎 「創造都市」 2016年
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向こうが透けて見え、超高層ビルの構造をコンピュータグラフィックで見ているようです。

四代田辺竹雲斎(1973‐)は三代竹雲斎の次男で、近年は荒編みの竹による
インスタレーションを手掛けています。


二代飯塚鳳斎(1872‐1934)は初代飯塚鳳斎の長男で、栃木市に生まれ、
父と共に工房を東京に移しています。

右 二代飯塚鳳斎 「花籃」 大正初期~中期
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銅板で作ったような輝きのある、重厚な作品です。

手前 飯塚琅玕齋 「盛花籃 蓬莱」 1950年頃
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1本の竹を曲げてつくった、力強い作品です。

手前 飯塚琅玕齋 「盛籃 国香」 1939年
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割った竹を12本束ねたものを編んでいて、花のように華やかです。

飯塚琅玕齋(1890‐1958)は初代飯塚鳳斎の七男で、二十歳代半ばで独立して、
芸術性ある作品の制作を追及しています。

飯塚琅玕齋の作品
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竹工芸は日本よりも海外で評価が高く、作品も海外に流れて行く一方で、
制作者は減少を続けており、やがては田辺竹雲斎の系統の工房しか
残らない可能性もあるそうです。
日本の伝統工芸のかかえる問題はここでも現れていることを知りました。

東京で竹工芸に特化した展覧会の開かれるのは33年振りとのことで、
さまざまな技法を凝らし、変化に富んだ作品を鑑賞できる貴重な機会です。

鑑賞の後、併設のレストラン「ヴォワ・ラクテ」で、お庭を眺めながらお茶をいただきました。

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展覧会のHPです。


次回の展覧会は「陶と模様のものがたり―菊池コレクション(仮称)」です。
会期は7月28日(土)から11月4日(日)までです。


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【2018/04/24 19:35】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんにちは。
  • コメントありがとうございます。
    7月には展示品はすべて入れ替わっている筈ですが、さまざまな技法を凝らした作品が揃っていて、見応えがあります。
    美術館のレストランはお庭の眺めが素敵で、ゆったりランチを楽しめると思います。

    【2018/04/25 07:16】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • ご紹介ありがとうございます!!
    ワタシは実は7月の初め頃、東京に行く予定がありまして、しかもホテルオークラに宿泊します!
    こちらの美術館はホテルから近いから行ってみようかなと思っていました!そして美術館のカフェ、レストランでランチしようかな~と考えていたところなんです!
    ナイスタイミングの紹介記事でとっても嬉しかったです。
    竹細工も大好きですし、ちょうど会期中に行けそうなので参考になりました!

    【2018/04/24 22:56】 url[GUIHUA #-] [ 編集]
    please comment















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