「ターナー 風景の詩(うた)」展 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館
新宿
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新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館では、
「ターナー 風景の詩(うた)」展が開かれています。
会期は7月1日(日)までです。

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4月23日に内覧会があったので、行ってきました。
写真は許可を得て、撮影しています。

ターナーの作品を背景にしたフォト・スポットもあります。

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ターナーの作品を出展しているスコットランド国立美術館群総館長のジョン・レイトン卿と、
日本側監修者の郡山市立美術館富岡進一主任学芸員のギャラリートークを伺いました。

作品の前で解説するジョン・レイトン卿。

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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)はロンドンで理髪師の家に
生まれています。
早くから絵の才能を認められ、27歳でロイヤル・アカデミーの会員に選ばれています。

右 「マームズベリー修道院」 1792年展示 
 水彩、インク・紙 ノーフォーク、ノリッジ城博物館アート・ギャラリー
左 「フォーリー橋、オックスフォード」 1794年 
 水彩・紙 アべリストゥイス大学、美術学校アート・ギャラリー博物館

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右は17歳でロイヤル・アカデミーに出展した作品です。
イングランド南西部、ウィルトシャー州にあって、1180年頃に建てられ、1500年頃に
嵐のため損壊した建築で、若いターナーは複雑な形状を見事に描き上げています。
左はオックスフォードのテームズ川にかかる橋です。

「スノードン山、残照」 1798-99年頃 
 水彩、スクレイピングアウト・紙 エディンバラ、スコットランド国立美術館群

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スノードン山はウェールズ地方の山岳地帯、スノードニアにある山です。
1798年にここを訪れたターナーは「崇高」というイメージを意識し、以後、
作品に表すようになります。
スクレイピングアウトとは絵の具を塗った紙を爪で引っ掻いて白色を
際立たせる技法で、ターナーはよくこれを行なっています。

右 「フォントヒル・アベイの東景、真昼」 1800年展示 
 水彩・紙 エディンバラ、スコットランド国立美術館群
左 「ソマーヒル、トンブリッジ」 1811年展示 
 油彩・カンヴァス エディンバラ、スコットランド国立美術館群

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右はフォントヒル・アベイという、ターナーのパトロンだったウィリアム・ベックフォードが
建設した中世風邸宅で、教会のような高い塔が際立っています。

左のソマーヒルはケント州トンブリッジにある邸宅で、所有者の依頼で
描かれた作品です。
静かな水面の向こうの丘と建物は夕暮れの残照の下に浮かび上がり、
しみじみとした情景が広がっています。
この邸宅は現在、女子校となっているそうです。

右 「風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様」 1802年展示 
 油彩・カンヴァス サウサンプトン・シティ・アート・ギャラリー
左 「嵐の近づく海景」 1803-04頃 油彩・カンヴァス 東京富士美術館

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ターナーはよく海景を描いています。
右は荒天の中で舟を操る漁師たちで、雲の切れ間、打ち寄せる波、揺れる小舟が
劇的な情景をつくっています。
ターナー自身、この絵を気に入っていて、買い戻そうとしたこともあるそうです。

右 「モンテ・マリオから見たローマ」 1820年 
水彩、スクレイピングアウト・紙 エディンバラ、スコットランド国立美術館群
左 「ミネルヴァ神殿、コロンナ岬」 1830年 
 水彩・紙 バーンリー、タウンリー・ホール・アート・ギャラリー 博物館群

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ターナーは1819年、44歳の時に初めて憧れのイタリアに旅行し、ローマを訪れています。
右は遠くにサン・ピエトロ大聖堂やサンタンジェロ城が見えます。
左のコロンナ岬はイタリア半島の南にある岬です。


右 「ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号」 1832年展示 
 油彩・カンヴァス 東京富士美術館
左 「ゴスポート、ポーツマス港の入り口 」 1829年頃 水彩・紙 ポーツマス博物館群

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右のヘレヴーツリュイス(ヘレヴートスライス)はオランダの港町で、ユトレヒトシティ64号は
1688年のイギリス名誉革命の時、後にイングランド王となるオレンジ公ウィリアムが
イギリス議会に招かれ、出航した時の先導艦です。
歴史画と海景画が一体となっています。

「風景―タンバリンをもつ女」 1840-50頃 油彩・カンヴァス 栃木県立美術館
晩年の作品で、クロード・ロランに倣った古典古代風の情景ですが、
霧のかかったようなおぼろげな景色です。
自分の描きたいように描いている感じで、心の風景を写しています。

ターナーの収入源の多くは版画によるもので、版画作品も多く展示されています。

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レイトン卿によれば、ターナーは背は低く、態度は大きく、気難しく、嫉妬深く、
コクニ―(ロンドンの下町訛り)を直そうともせず、あまりパーティーには
呼びたくない人物だったそうで、いろいろ興味深い話も伺えました。

油彩、水彩、版画による、初期の写実的な作品から、崇高さの現れた山岳や海の絵、
光の中に色彩も溶けている晩年の作品が揃い、ターナーの画風の変化も分かり、
充実した展覧会です。

2013年に東京都美術館で開かれた「ターナー展」の記事です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「巨匠たちのクレパス画展」です。
会期は7月14日(土)から9月9日(日)までです。

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【2018/04/28 21:02】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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