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「琳派―俵屋宗達から田中一光へー」 山種美術館
恵比寿
chariot

山種美術館では特別展、「琳派―俵屋宗達から田中一光へー」が
開かれています。
会期は7月8日(日)までです。

琳派img420 (1)


「槙楓図」 伝俵屋宗達 江戸時代・17世紀 山種美術館
江戸7-19-2010_004

右側に大きく曲がった幹と直立した幹の槙を置き、槙と楓の葉が左上に力強く
伸びていく、躍動感のある画面です。
下に女郎花と桔梗も見えます。
槙の葉は大きく描かれ、全体に重い印象があります。

「新古今集鹿下絵和歌巻断簡」 俵屋宗達(絵) 本阿弥光悦(書) 
 江戸時代・17世紀 山種美術館

金銀009

宗達と光悦の合作です。
画面上に金泥、下に銀泥を塗り、金泥を使った優美な筆遣いで、
振り返る鹿の姿を描いています。
歌は、新古今集の西行の作です。

  こころなき身にも哀はしられけり鴫たつ澤の秋の夕暮

元は巻物で、三井財閥の益田鈍翁の所蔵していたものが、戦後になって切り離され、
現在のような断簡になっています。

「白楽天図屏風」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 根津美術館
光007

謡曲、「白楽天」を描いた作品です。
唐の詩人、白楽天が日本に渡ろうとしたところ、海上で老いた漁師
(実は和歌の神、住吉明神の化身)に出会い、和歌の力を知らされ、
神風によって吹き戻されたというお話です。
白楽天を乗せた船の描き方の奇抜さが眼を惹きます。

「秋草鶉図」 酒井抱一 江戸時代・19世紀 重要美術品 山種美術館
江戸7-19-2010_003

薄、女郎花、露草、楓の茂る中にウズラが群れています。
薄の葉は細くリズミカルに描かれ、繊細で、デザイン感覚に満ちています。
銀の月も低く置かれ、落着いた風情と品の良い華やかさがあります。
月の黒いのは銀が酸化したのではなく、銀の上に黒を塗ってあるそうです。
ウズラは土佐派の好んだ画題で、この作品も土佐派に倣った画風です。

「菊小禽図(部分)」 酒井抱一 江戸時代・19世紀 山種美術館
琳派002

小鳥の重さで菊の枝が大きくしなり、小鳥が今にも飛び立ちそうで、
飛び立った後の赤い菊花の揺れまで予感させ、抱一の感覚の
繊細さを見せています。

「四季花鳥図」 鈴木其一 江戸時代・19世紀 山種美術館
右隻 
江戸絵画2

春夏の図で、向日葵、朝顔、燕子花、オモダカ、菜の花、立葵などと一緒に
鶏のつがいと雛が描かれています。

左隻
江戸絵画1

秋冬の図で、薄、菊、女郎花、竜胆、ナナカマド、ワレモコウなどの下に
つがいのオシドリが居ます。
さまざまの草花を活け花のように手際よくまとめ、濃密に描き出した画面は
とても豪華です。

「牡丹図」 鈴木其一 1851年 山種美術館
冨士002

白、薄紅、赤と色を変え、蕾から盛り、しおれ始めまでを
一つの絵の中に収めています。
中国画風の細密な写実で、琳派とは少し雰囲気が異なっています。

「翠苔緑芝」 速水御舟 1928年 山種美術館
右隻
速10-6-2009_007

左隻
速10-9-2009_002

四曲一双の金箔地の屏風で、右隻に枇杷と青桐、つつじです。
枇杷の木には、まだ青い実から熟れた実まで付いていて、木の下では
黒猫が振り向いています。

左隻には紫陽花と2匹の白兎です。
紫陽花は咲き始めから満開まで様々に咲いています。
白兎は、向こうに黒猫がいるのも知らずに、呑気に草をかじったり、
寝ころがったりしています。

全体に、右奥から左手前に広がり、右上から左下に下がっていく構図で、
琳派風の装飾性を極め、きっちりとまとまった、近代的な作品です。
御舟の言葉、「もし無名の作家が残ったとして、この絵だけは面白い絵だと
後世言ってくれるだろう」。

「うさぎ」 安田靫彦 1938年頃 山種美術館
琳派img435

細い描線と薄紅色が兎のふわりとした柔らかさを表していて、
目の赤と桔梗の青が効いています。
俵屋宗達の「兎桔梗図」に倣った作品です。

(参考)
「兎桔梗図」 俵屋宗達 江戸時代・17世紀 東京国立博物館
ト0117

桔梗の咲く野で兎が月を見ています。
柔らかな筆遣いで、兎の見上げる先に月を思わせ、しんみりとした秋の風情が
感じられます。

「蓬莱山・竹梅図」 神坂雪佳 大正—昭和時代・20世紀
琳派img420 (3)

三幅対で、左右に梅と竹、真中には松の木の生えた蓬莱山が描かれ、
松竹梅となっていて、構図も左下から右上に向いています。
神坂雪佳(1866-1942)は琳派を学び、京都で活躍した画家で、琳派に傾倒し、
伸びやかな雰囲気の作品を描いています。

「筍」 福田平八郎 1947年 山種美術館
福田12-12-2009_001

2本の筍の際立つ、単純化された、明快な画面です。
皮の巻き付き方もリズム感があり、皮の先の緑色がアクセントになっています。
福田平八郎も琳派に傾倒していて、装飾的で、デザイン性のある画面を
取り入れています。

「華扇屏風」 加山又造 1966年 山種美術館
金銀010

左隻
金銀011

右隻
金銀012

季節の花を描いた扇面を貼り並べた扇面散らし屏風です。
継ぎ紙、色の異なる銀箔、野毛、銀泥などを駆使した、加山又造らしい、
とても工芸的な作品です。

「JAPAN」 田中一光 1986年 紙・シルクスクリーン 東京国立近代美術館
琳派img420 (2)

俵屋宗達の鹿の絵をデザイン化して取り入れたポスターです。
グラフィックデザイナーの田中一光(1930~2002)も琳派に傾倒し、
琳派に影響を受けた作品も制作していました。

(参考)
「平家納経 平清盛願文」 平安時代・長寛2年(1164) 厳島神社蔵 国宝
平002

平清盛など平家一門が厳島神社に奉納した法華経など32巻に添えた願文です。
見返しには厳島神社の神鹿でしょうか、鹿が描かれています。
安芸の領主だった時の福島正則に命じられて、俵屋宗達が行なった平家納経の
修復の際に描かれたようで、いかにも宗達らしい姿の鹿です。

俵屋宗達に始まり、現代にまで続く琳派の流れをたっぷり味わえる展覧会です。

山種美術館のHPです。


次回の展覧会は企画展、「水を描く―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお―」です。
会期は7月14日(土)から9月6日(木)までです。

img434.jpg

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【2018/06/12 19:32】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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