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『「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ』展 出光美術館
日比谷・有楽町
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丸の内の出光美術館では『「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ』展が開かれています。
会期は9月9日(日)までです。

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2015年に重要文化財に指定された「江戸名所図屏風」を中心にして、
江戸の賑わいなどを描いた作品の展示です。

「江戸名所図屏風」 八曲一双 江戸時代 重要文化財
寛永の頃の江戸の賑わいを、屏風の右を北、左を南にして、3月の浅草三社権現の祭礼と
9月の神田明神の神事能を一緒にして描き、2千人以上の人物を描き込んでいます。
右隻には、寛永寺、浅草寺、湯島天神、神田明神、神田川、日本橋などが見えます。
左隻は江戸城天守閣、銀座、旧吉原、愛宕社、増上寺、芝浦海岸、東海道などです。
三社祭、櫓を上げた歌舞伎小屋、軽業の舞台、湯女風呂、柄杓を持った勧進僧、
念仏踊り、子供の輪踊り、盲人の琵琶法師に吠えかかる犬、刀を抜いて喧嘩する
男たちなども描き込まれています。

浅草三十三間堂の通し矢が描かれていることから、通し矢の始まった寛永20年(1643)
以降の作と思われ、明暦の大火(1657年)以前の江戸の様子を伝える、貴重な資料とも
なっています。
注文主は不明ですが、左隻の右下に描かれた武家屋敷だけが紋所から誰の屋敷か
推定できることから、屋敷の主で水軍の頭、向井将監忠勝(1582-1641)の子による
注文とも考えられるそうです。

日本橋(右隻部分)
江戸img027 (5)

鉦を叩いて釣鐘鋳造の寄付を募る鐘勧進や、ござむしろに座り喜捨を募る僧が見えます。
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米や薪を積んだ船が日本橋川を行き交います。
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八丁堀、築地(右隻部分)
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若衆歌舞伎が演じられています。
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若衆歌舞伎は、阿国歌舞伎に始まる女歌舞伎が禁じられた後、寛永時代に始まった
少年による歌舞伎で、後にこれも禁じられて現在の野郎歌舞伎に至っています。

神田明神での演能(右隻部分)
屏風6-18-2010_006

演じられているのは「加茂」で、舞台を下がる天女と鉾をかざして舞う別雷神
(ワケイカヅチノカミ)が描かれています。
神田明神の楼門、舞台、拝殿、本殿も見えます。

「阿国歌舞伎図屏風」(左隻部分) 六曲一双 桃山時代
屏風6-18-2010_007

歌舞伎の始まりといわれる阿国歌舞伎は京都の北野天満宮でまず興行されていて、
この屏風も北野天満宮での舞台を描いています。
男装の阿国が道化役の猿若を連れて、「茶屋のおかか」を訪ねる場面です。
阿国は両刀を差し、覆面をして腕を組んで立ち、猿若は右側でおどけています。
お囃子は、小鼓、大鼓、太鼓の3人です。
桜も満開で、おおらかな雰囲気です。

「江戸風俗図巻」(上巻部分) 二巻 菱川師宣 江戸時代
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上巻には隅田川の川遊びや、三味線太鼓に合わせた男女の輪踊りが描かれています。
屋形船の中では三味線や鼓で音曲を奏で、碁を打ち、思い思いに楽しんでいて、
屋根の上にも人が乗っています。
江戸風俗を描く菱川師宣の作風は弟子たちにも受け継がれています。

「春秋遊楽図屏風」(左隻) 六曲一双 菱川師平 江戸時代 重要美術品
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菱川師平(生没年未詳)は菱川師宣の弟子とされる浮世絵師です。
右隻は春の上野寛永寺の花見、左隻は秋の吉原の賑わいを描いた屏風です。
左隻は紅葉、萩、菊が秋を表しています。
禿(かむろ)が通る人の袖を引き、張見世では遊女が手を出して、按摩さんの頭を
つついて、からかっています。
座敷では客が按摩さんに肩を揉んでもらったり、縁側に緋毛氈を敷いて寝転がっています。
右隻では、桜の下で歌舞伎役者たちが輪踊りをしたり、翁と媼が花見をしているかと
思うと、二人の男が刀を手に不穏な雰囲気でにらみ合い、若衆が止めに入っています。

「四季日待図巻」(部分) 英一蝶 元禄11年~宝永6年(1698~1709) 重要文化財
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江戸img027 (2)

江戸img015 (5)

「日待」は、日の出を拝むため、集まって夜を明かす行事とのことです。
1月、5月、9月の中旬に行なわれることが多く、この図巻では炭火を起こしているので、
1月の情景のようです。
酒を飲んだり、碁を打ったり、瓢箪を的に弓を射たりと、人々が賑やかに楽しんでいます。
修験者がお勤めをしている後ろで、団扇であおいでいる小僧さんは居眠りをしています。
一蝶が徳川綱吉の禁令に触れて、三宅島に島流しにされている時の作品ですが、
着物の柄まで細かく描かれ、目の前の光景を写したように活き活きとしています。
一蝶の画力と、江戸を懐かしむ思いの伝わる絵巻です。

「蛍狩美人図」 蹄斎北馬 江戸時代 双幅
夏らしい画題で、浴衣姿の女性が二人、団扇を持って一人は川に入って蛍を追い、
一人は岸で帯を直しています。
隅田川の情景で、遠くには両国橋も見えます。
涼しげな姿ですが、団扇の柄が川の中の女性は結目(ゆいめ)と呼ばれる四角い形、
岸の女性は矢筈です。
これは平家物語の宇治川の先陣争いの見立てとのことで、結目は佐々木高綱、
矢筈は梶原景季の家紋で、佐々木高綱は梶原影季に馬の腹帯が緩んでいると
呼びかけて騙し、自らが一番乗りを果たしています。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「仙厓礼讃」展です。
会期は9月15日(土)から10月28日(日)です。

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【2018/08/07 23:10】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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