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「禅僧の交流 墨蹟と水墨画を楽しむ」展 根津美術館
表参道
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南青山の根津美術館では企画展、「禅僧の交流 墨蹟と水墨画を楽しむ」が
開かれています。
会期は10月8日(月・祝)までです。

禅僧img090 (2)


鎌倉時代の13世紀半ばから約100年の間、多くの禅僧が中国に渡って修行しています。
帰国後も師との交流は続き、また文化サークルを作って水墨画などを楽しんでいます。
展覧会ではその模様を伝える禅僧たちの墨蹟、画僧の描いた水墨画、もたらされた
青磁などが展示されています。

「布袋蔣摩訶問答図」 因陀羅筆・楚石梵琦賛 元時代 14世紀 国宝
根津004

布袋と、釈迦の前世の姿である蔣摩訶(商莫迦)が問答しているところです。
因陀羅はインドの僧で、南宋の首都、汴京(べんけい、現在の開封)の寺の住職を
務めた禅僧です。
楚石梵琦(1296~1370)は元末・明初の臨済宗の僧で、日本からも多くの修行僧が
その下に集ったそうです。

「剣門妙深墨蹟」 中国・南宋時代  淳祐9年(1249) 常盤山文庫蔵 重要文化財
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南宋の僧、剣門妙深が日本の僧、円爾(1202~1280)に宛てた手紙で、共通の師の
無準師範(1177~1249)の遷化と遺言を伝えています。
無準師範は臨済宗の僧で、無学祖元や牧谿などの師でもあり、円爾も宋に渡って
参禅しています。
遺言では自らの語録の刊行には円爾の助力を得るようにとあり、無準の円爾への
信頼の高さを示しています。

「江天遠意図」 伝 周文筆 
 大岳周崇ほか11僧賛 室町時代 15世紀

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足利義満の帰依を受けた大岳周崇(1345~1423)をはじめ、京都五山を中心にした
禅僧、12人が賛を寄せていて、わいわいと賑やかな書画一体になっています。
京都五山とは南禅寺、天龍寺、相国寺など、京都の臨済宗の5つの寺院を言い、
周文は相国寺の僧で、雪舟の師でもあります。
臨済宗は同じ禅宗の曹洞宗に比べ、絵画や文芸を好む特徴があります。

「山水図」 拙宗等揚筆 室町時代 15世紀
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拙宗が雪舟(1420~1506)を名乗る前の作品です。
後年の雪舟に比べ、描線が柔らかいそうです。

「観瀑図」(部分)  芸阿弥筆 月翁周鏡ほか2僧賛 
 室町時代 文明12年(1480) 重要文化財

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芸阿弥(1431~1485)は絵師、連歌師で、足利義政に同朋衆として仕えています。
芸阿弥の下で修業した鎌倉建長寺の画僧、賢江祥啓が鎌倉に帰るにあたって
贈られた絵です。
滝の裏の草庵に向かって僧と童子が歩いていて、滝の上流には湖も見えます。
奥行きの深い作品で、滝の音も聞こえて来そうです。
祥啓の帰国は最先端の京都の画風を関東に伝える、画期的な出来事だったそうです。

関東の禅僧による絵画も何点か展示されています。

「山水図」 賢江祥啓筆 室町時代 15世紀 重要文化財
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細部まで丁寧に描かれており、祥啓の帰国後間も無い頃の作と思われるそうです。

「龍虎図屏風」 雪村周継 室町時代 16世紀
(左隻)
絵の音002

虎が吼えて起こす強風で竹がなぎ倒されています。
どこかのどかな顔の虎ではあります。

(右隻:部分)
絵の音007

龍が唸り、雲が湧き、波が逆立っています。
通常は龍虎を左右両隻の端に寄せて描くところ、それぞれの中心に置いて、
迫力を出しているそうです。
河と海の水流と翻波が二つの空間を一つにしています。

雪村は戦国時代の絵師で、幼少時に禅寺に入り、関東地方を中心に活動しています。
雪舟を尊敬していたそうですが、画風は異なり、おおらかでとぼけています。

「青磁袴腰香炉」 龍泉窯 中国・南宋時代 12~13世紀 重要美術品
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青銅器を模した3本足の香炉で、胴の部分が袴を着けているような形なので、
この名があります。
浙江省の龍泉窯は青磁の産地として有名です。
青磁は鎌倉時代にかなり渡って来ており、この品は新品のようにきれいで、
大事に伝えられてきたことが分かります。

天目茶碗も中国の天目山の寺院で修行した日本の僧たちが持ち帰ったものです。
禅は詩や絵画、茶など、一つの文化であることが分かります。


展示室5のテーマは、「切り取られた小袖 ─辻が花から広がる世界─」です。

桃山時代から江戸時代初期の小袖裂の展示です。
小袖裂とは古い着物の断片で、収集が盛んになったのは大正時代とのことです。
染め、刺繍、描絵など、さまざまな技法を駆使して華やかです。

「扇丸草花模様裂」 
 絹 練緯地/縫い締め絞り・鹿の子絞り・刺繍・摺箔・描絵 江戸時代 17世紀

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展示室6のテーマは、「名残の茶」です。

茶葉を新茶に、風炉を炉に替え、夏の名残を惜しむ茶会です。

「書状(九月廿四日付、烏大納言宛)」 小堀遠州筆 江戸時代 17世紀
床の間に掛けられています。
烏丸光広に宛てられた手紙で、和歌が添えられています。

  木の葉ふくあらしもよそにゆくしもの いくたびめぐるしぐれ成らむ

「銹絵茄子文細水指」 尾形乾山作 江戸時代 18世紀
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細身の水指で、絵柄や色合いがひなびた味を出しています。

「染付葡萄絵水指」 景徳鎮窯 明時代 17世紀
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直径20㎝ほどで、江戸初期に茶人の注文で明の景徳鎮で焼かれた品です。
白地に藍色の葡萄の絵にみずみずしさがあります。

「色絵武蔵野図茶碗」 野々村仁清作 江戸時代 17世紀 重要美術品
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銀を塗って夜景を、大きく丸く塗り残して満月を表し、すすきをあしらって
秋の風情としていて、仁清らしい華やぎがあります。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展、「新・桃山の茶陶」です。
会期は10月20日(土)から12月16日(日)です。

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【2018/09/11 19:49】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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