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「ピエール・ボナール展」 六本木 国立新美術館
乃木坂
chariot

六本木の国立新美術館では「ピエール・ボナール展」が開かれています。
会期は12月17日(月)までで、火曜日は休館日です。

ボナールimg183 (2)


オルセー美術館の所蔵する作品を中心にした、本格的なボナールの回顧展です。

第1章 日本かぶれのナビ

ピエール・ボナール(1867-1947)はドニやヴュイヤールと同じく、ナビ派の画家ですが、
浮世絵などの日本美術の影響を強く受けており、「日本かぶれのナビ」と呼ばれています。

ピエール・ボナール 「庭の女性たち」 1890-91年 オルセー美術館 
ナビ2-13-2017_001

左から、白い水玉模様の服を着た女性、猫と座る女性、ショルダー・ケープを着た女性、
格子柄の服を着た女性という題の付いたシリーズです。
高さ約160㎝、カンヴァスに貼った紙にデトランプ(テンペラ)で描かれています。
紙を使うことで、絵具の吸収を良くして、画面のツヤを消しています。
掛軸のような縦長の画面は極めて平面的、装飾的で、浮世絵などの影響が分かります。

 「格子柄のブラウス」 1892年 オルセー美術館
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モデルは作曲家のクロード・テラスと結婚した、妹のアンドレです。
抱かれている猫はお皿の料理を狙って前足を延ばしています。
服の格子柄が平面的に描かれ、浮世絵の影響がはっきり分かります。
ヴュイヤールとともに親密派(アンティミスト)と呼ばれたボナールらしい、
温かで家庭的な情景です。

 「白い猫」 1894年 オルセー美術館
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猫の足を極端に長くして、縦長の画面に収めています。
ボナールは動物好きで、あちこちの作品に犬や猫が登場していて、
その表情までよく描かれています。

 「大きな庭」 1895年 オルセー美術館
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クロード・テラスの別荘で過ごした時の情景で、鶏を放し飼いにしている庭で
女の子たちが果物を拾い、それを犬が見ています。
縦2mほどの大きな画面は緑に包まれ、洗濯物を運ぶ女中さんの服も緑色です。


第2章 ナビ派時代のグラフィック・アート

ボナールは始め法律を学びますが、絵が好きでポスターや挿絵などを手掛けています。

「フランス=シャンパーニュ」 1891年 川崎市市民ミュージアム
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リトグラフによるシャンパンの広告ポスターで、この作品が認められたことで、
画家への道を進むことになります。


第3章 スナップショット

一時期、よく写真も撮っていています。
家族やヴュイヤール、ルノワールの写真や、作品によく描かれた妻のマルトの
ヌードを撮った写真も展示されています。


第4章 近代の水の精(ナイアス)たち

ボナールの代表的な画題、裸婦の展示です。

「化粧室あるいはバラ色の化粧室」 1914-21年 オルセー美術館
ボナールimg183 (1)

室内空間を区切る壁紙や鏡、カーテンは日の光にあふれ、裸婦の肌と
響き合っています。
マルトは入浴を好み、ボナールはよく入浴するマルトを題材にしています。


第5章 室内と静物「芸術作品 ―時間の静止」

ボナールは1926年に南仏のル・カネの別荘を購入しています。

「ル・カネの食堂」 1932年 オルセー美術館 (ル・カネ、ボナール美術館寄託)
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裸婦と並んでボナールを代表する画題である室内画です。
暖かい室内で、テーブルの上のボトルや皿がおしゃべりをしていて、
猫がその様子を眺めています。


第6章 ノルマンディーやその他の風景

ボナールは南仏ばかりではなく、北部ノルマンディーの風景も描いています。


第7章 終わりなき夏

「にぎやかな風景」 1913年頃 愛知県美術館
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ボナールは1912年に尊敬するモネの住むジヴェルニー近くの
ヴェルノンに移り住んでいます。
この作品は化粧品会社の創業者、ヘレナ・ルビンスタインの注文で描かれた
ものということです。
伸び伸びとした大作で、風景の中に思い思いの姿の女性と犬がいて、古代の
ユートピアを思わせます。
右側の日陰の女性はマルトで、白目まで描き込んであります。
ボナールは注文を受け、装飾的な大作をよく手掛けています。

 「アンティーブ(ヴァリアント)」 1930年頃 オルセー美術館
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アンティーブは南仏のカンヌとニースの間にあり、要塞跡が残っています。
モネやシニャックが描き、高い塔の中の部屋を後にピカソがアトリエに
使っていたこともあります。


室内、裸婦、風景など、約130点の作品がほぼ画題別に揃って展示され、
存分にボナールの世界を味わうことが出来ました。

展覧会のHPです。

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【2018/10/11 19:40】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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