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「藝大コレクション展 2018」 上野 東京藝術大学大学美術館
上野
chariot

上野の東京藝術大学大学美術館では「藝大コレクション展 2018」が開かれています。
会期は11月11日(日)までです。

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曾我蕭白 「群仙図屏風」 江戸時代・18世紀
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異風の絵師、曾我蕭白(1730-1781)の作です。

原田直次郎 「靴屋の親爺」 1886年
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ミュンヘン留学時代の作品で、いかにも頑固そうな靴職人の肖像です。
まだ20代前半の絵ですが、顔には逆光気味の陰陰を付けて、表情に
深みを出し、一つの作品として味わえるまでになっています。

青木繁 「黄泉比良坂(よもつひらさか)」 1903年
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東京美術学校在学中の作品で、色鉛筆、パステル、水彩絵具が使われています。
古事記に出てくる、男神イザナギが黄泉の国から逃げ出し、女神イザナミが
黄泉醜女(よもつしこめ)を使って、それを追う場面です。
地上に出て、頭を抱え、背中を丸めて逃げる男の背中には明るい日の光が
当たり、追う女は暗い青緑の穴の中から手を延ばして、男を捕えようとしています。

五味清吉 「大国主命と八上姫」 1913年
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大国主命と兄弟神は因幡の国の八上姫に会いに行き、八上姫は大国主命の求婚を
受け入れます。
五味清吉((1886-1954)は岩手県出身で、東京美術学校を首席で卒業しています。
卒業制作で、洋画ですが青木繁と同じく、日本の古代を題材にしています。

靉光 「梢のある自画像」 1944年
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靉光(あいみつ)(1907-1946)は広島県出身で、1925年に上京し、太平洋画会研究所
(後の太平洋美術学校)に入り、やがてシュルレアリスムの画家となります。
1944年に応召し、中国を転戦しますが、終戦後帰還を前に病死しています。
応召した年の作品で、眼鏡の陰で目が描かれておらず、表情が分かりにくいですが、
枯れ木を背景にした姿は不安げです。

久保克彦 「図案対象」 5枚組のうち第3面 1942年
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大きな作品で、墜落する戦闘機(イギリスのスピットファイア)を中心に置き、
対角線構図を使った動的な画面です。
久保克彦(1918~1944)は太平洋戦争で東京美術学校を繰上げ卒業して
学徒出陣し、中国で戦死しています。

小堀鞆音 「経政詣竹生島」 1896年
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琵琶の名手、平経正が木曽義仲追討のため北陸に向かう途中、琵琶湖の竹生島に詣で、
琵琶を奏でるとその音色に感応した祭神の弁才天が白龍となって現れたという、
平家物語の一節に拠っています。
色彩もまとめられ、追討軍中にあるため、経正は鎧を着けた姿です。
小堀鞆音(こぼりともと)(1864~1931)は安田靫彦の師で、東京美術学校の教授も
努めています。
歴史画を得意とし、有職故実を学び、鎧も研究しています。
制作過程の分かる小下図も展示されています。

杉山寧 「野」 1933年 
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東京美術学校の卒業制作で、薄の繁る野原に埋れるようにして遊ぶ子供たちの情景です。
活き活きとした線描で、遠景の描写も行き届いています。
1932年に描いた「磯」や1934年の「海女」にしてもこの作品にしても、
若い時の作品は後年とは違った冴えがあります。

沼田一雅 「石膏標本」 
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木の枝の猿が蛇に驚いた瞬間を捉えています。
沼田一雅(1873-1954)は東京美術学校で竹内久一から彫刻を学んだ後、フランスの
セーヴル陶磁器製作所で陶磁器の彫刻(陶彫)を研究し、帰国後は教授を努めています。

沼田一雅の作品は2017年にサントリー美術館で開かれた「フランス宮廷の磁器 セーヴル、
創造の300年」展にも展示されていました。

「フランス宮廷の磁器 セーヴル、 創造の300年」展の記事です。

今回の展示の見所は、柴田是真作の明治宮殿千種之間天井画下図の修復完成の
お披露目です。
明治21年(1888)に落成した皇居明治宮殿の千種之間の天井を飾るつづれ織りの原画で、
和紙をつないだ約1mの画面、112枚に図案化された植物が描かれています。
劣化していたため、2017年度の東京藝術大学クラウドファンディング事業で修復費用を
集めたものです。
明治宮殿は昭和20年(1945)5月の空襲で焼失し、天井も失われています。

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日本の四季の草花が細密に描かれ、円い枠の中に巧みに収められています。

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【2018/11/01 19:14】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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