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「カール・ラーション展」新宿 損保ジャパン日本興亜美術館
新宿
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新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館では、「カール・ラーション展」が
開かれています。
会期は12月24日(月・休)までです。

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温かな家庭の情景を描いた、スウェーデンの人気画家、カール・ラーション(1853~1919)と
夫人のカーリン(1859~1928)を紹介する展覧会です。

カール・ラーションは貧しい家に生まれ、挿絵画家として出発しています。

1882年にパリ郊外のグレー村に移り、光を意識した明るい色彩の水彩画を描いて、
高い評価を受けるようになります。
グレー村は黒田清輝が滞在し、「読書」などを描き、浅井忠も滞在して、
「グレーの洗濯場」などを描いた所です。
カールはグレー村で同じスウェーデン人画家、カーリン・ベーリェーと婚約し、
1901年から一家はスウェーデン中部のスンドボーンに住みます。

カールは公共施設のフレスコ画による壁画など、大作を手掛ける一方、
リッラ・ヒュットネースでの家族との生活を描き、画集を出版して評判となっています。

「命名日のお祝い」 水彩 1899年
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命名日とは自分と同じ名のの守護聖人の祝日のことです。
カーリン(聖カタリナ)の命名日に娘たちが仮装してお祝いしています。
カールは浮世絵など日本美術の影響を強く受けており、明るく平面的な色面、
輪郭線の利用などにそれが見られます。

「アザレアの花」 水彩 1906年
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カーリンが鋏を持って振り向き、奥には何かを織りかけの織機が置いてあります。
手前に対象を大きく描くのは浮世絵に倣っています。

「史跡巡りをする夫妻」 水彩 1906年
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食堂の窓のステンドグラスの図案で、中世風の意匠です。
夫妻はスンドボーンの家をリッラ・ヒュットネース(小さな精錬小屋)と呼び、
増改築を重ね、自分たちの芸術的な感性に合わせて内装や家具も整えています。
家族全員が集う場として、各部屋ごとにデザインを変え、中世、ルネッサンス、
日本などさまざまな様式を採り入れています。

リッラ・ヒュットネースの玄関
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現在、リッラ・ヒュットネースはカール・ラーション・ゴーデンとなって管理され、
観光名所として知られています。

リッラ・ヒュットネースの食堂
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食堂の長椅子
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クッションやタペストリーはカーリンのデザインです。

カーリンのデザインしたテキスタイル
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カーリンはカールと結婚した後は絵を描かなくなりますが、家具やテキスタイルを
デザインし、カールの作品にも助言を与えています。
印象派の画家、ベルト・モリゾの姉、エドマも画家でしたが、結婚と出産のため
絵を描くのを止めています。
まだまだ女性にとって制約の強い時代だったようです。

幾度も妊娠したカーリンは体を締め付けない、ゆったりした服を自らデザインしていて、
展覧会でも何点か展示されています。
パリでポール・ポワレがゆったりしたデザインの服を発表していた頃です。
カーリンはスウェーデンのテキスタイルの方向性を決めた先駆者とされているそうです。

当時のスウェーデンはロシアとドイツの拡大を前に、アイデンティティの確立を
求められており、夫妻の芸術はその要請に応えるものとしても捉えられたそうです。


展示の最後にはIKEAにより再現されたリッラ・ヒュットネースの居間があります。
こちらは撮影可能です。

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展覧会のHPです。


次回の展覧会は「絵画のゆくえ2019 FACE受賞作家展」展です。
会期は9月22日(土)から12月24日(月・休)までです。

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【2018/12/04 19:35】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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