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「日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たち ―大観・春草・古径・御舟―」 山種美術館
恵比寿
chariot

山種美術館では企画展、「日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たち
―大観・春草・古径・御舟―」が開かれています。
会期は11月11日(日)までです。

美術院img225 (2)


岡倉天心が新しい日本画を目指して明治31年(1898)に日本美術院を設立して
120年を記念して、日本美術院を代表する画家の作品の展示です。
日本美術院は東京美術学校を辞職した岡倉天心が中心となって
明治31年(1898)に設立され、一旦活動を停止した後、横山大観たちが
大正3年(1914)に再興しています。

横山大観 「喜撰山」 1919年
大観001

百人一首に載っている、喜撰法師の歌に拠っています。
喜撰法師は宇治に住んでいたとされます。

 わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり

金箋紙(裏に金箔を押した鳥の子紙の表面を薄く剥いだもの)に描いた
最初の作品で、明るく温かい地色が映えています。
京都の土の赤さを表現するために使ったと考えられるそうです。

横山大観は菱田春草とともに朦朧体などさまざまな新しい技法を考え、
また、一時衰えていた日本美術院を再興しています。

速水御舟 「名樹散椿」 1929年 重要文化財
速10-6-2009_009

京都の地蔵院の五色八重散り椿を描いたものです。
花びらが一枚づつ散るという、珍しい椿です。
椿の枝はねじれながら伸び広がり、紅、白、斑の花を付けた枝は重みで傾き、
地面には花びらが散っています。
奥の葉、手前の葉を一枚一枚描き分け、量感と立体感があります。
背景は「撒きつぶし」という、金砂子を竹筒に入れて撒いていく方法で、
同じ調子の金地がびっしりと広がっています。
しんと静まった画面で、有無を言わせぬ迫力と緊迫感があります。

速水御舟 「牡丹花(墨牡丹)」 1934年 
御舟2

描線を使わず、墨のにじみによって花弁を描き出しています。
墨色でありながら、華やかです。

小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「日高川」(部分) 1930年
美術院img225 (1)

紀州の安珍清姫伝説を絵巻物風に8枚続きの絵に仕立てたもので、
全8点が展示されています。

安珍を追う清姫が日高川に阻まれています。
同じ場面を描いた作品に東京国立近代美術館所蔵の村上華岳作、
「日高河清姫図」(1919年、重要文化財)があります。

小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「入相桜」 1930年 
院004

鐘の中で焼き殺された安珍と、日高川に身を投げた清姫の亡骸は共に
比翼塚に葬られ、桜が植えられ、入相桜と呼ばれます。

「清姫」の連作が展示されていた、2013年の「古径と土牛」展の記事です。

「城」 1955年
山種005

輪郭線を使わず、対象を図形として捉え、画面を大胆に分割するという作風は、
姫路城を描いたこの作品に始まるといいます。
天守閣を下から見上げた構図ですが、画面の下側に大きく白壁の面を取り、
その上に屋根の構造物の重なりを黒く太い線で積み上げて描いています。
セザンヌの影響を受けた作品で、奥村土牛は小林古径が買ってくれたセザンヌの
画集によりセザンヌ好きになり、模写もしています。

安田靫彦 「出陣の舞」 1970年
男002

永禄3年(1560)の桶狭間の戦いに先立ち、幸若舞の「敦盛」を舞う信長の姿です。
信長は州浜に千鳥の片身替りの小袖を着て、織田家の家紋の木瓜(もっこう)紋の入った
長袴を履いています。
鎧櫃には桶狭間の戦いで着用したとされる紺糸縅具足が載っています。

人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか

前田青邨 「腑分」 1970年
院005

江戸時代の腑分(解剖)の場面です。
腑分をする者を中心に、蘭書を手に見入る者、おそるおそる覗く者、
合掌する者など、さまざまな様子が描かれています。
抑えた色彩によって、静かな興奮を表しています。

西田俊英 「華鬘(けまん)」 1983年 
西田2

初期の作品で、インドで見た情景に想を得ています。
天蓋のように広がるヒマワリや様々の花を沈んだ色調で画面いっぱいに
描いています。
華鬘とはお寺の装飾品で、花輪飾りから発展したものと云われています。

宮廻正明 「水花火(螺)」 2012年
水002

 四国の四万十川の投網漁を題材にしていて、真昼に一瞬咲いた花火を捉えています。
 幾何学的な構図で、水面を点描で描き、網の目も細かく一本一本描き込んでいます。

山種美術館のHPです。


次回の展覧会はご即位記念特別展、「皇室ゆかりの美術―宮殿を彩った日本画―」です。
会期は11月17日(土)から2019年1月20日(日)までです。

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【2018/10/23 20:23】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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