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「江戸絵画の文雅―魅惑の18世紀」展 出光美術館
有楽町・日比谷
chariot

丸の内の出光美術館では「江戸絵画の文雅―魅惑の18世紀」展が開かれています。
会期は12月16日(日)までです。

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出光美術館の所蔵作品にによる、繁栄を遂げた18世紀の文人画、琳派、浮世絵など、
江戸絵画の展示です。

「瓢鯰図」 池大雅 賛:大典顕常
文人005

つるつるしたヒョウタンでぬるぬるしたナマズを捕まえるにはどうするかという、
禅問答を絵にしています。
如拙の有名な「瓢鯰図」に倣っていますが、坊主頭の僧が大きな丸いヒョウタンで
ナマズの丸い頭を押さえ付けています。
鼻まで団子鼻で、観ているだけでおかしくなります。
賛を書いた大典顕常は相国寺の僧です。
池大雅は日本の文人画の代表者で、作品は明るく楽天的な雰囲気に
包まれています。

「十二ヵ月離合山水図屏風」(右隻) 六曲一双 池大雅 明和6年(1769)頃 重要文化財
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離合山水図は一幅でも山水図になっており、並べても絵画にもなるというものです。
「十二ヵ月離合山水図屏風」は右隻から左隻にかけて、春から冬への移り変わりを
描いています。
木々の緑は緑色の点々で表していて、明るく輝いて見えます。
スーラより100年以上早い点描法で、スーラよりのびやかです。

「山水図屏風」(右隻部分) 六曲一双 与謝蕪村 宝暦13年(1763) 重要文化財
文人009

(左隻部分)
与謝蕪村は俳人ですが、池大雅との合作の「十便図」「十宜図」などの
文人画でも有名です。
画布は絖(ぬめ)という高価な絹で、なめらかで光沢があります。
弟子たちが屏風講というものを開き、この絹を購入する資金を集めて作られた
屏風とのことです。
中国の文人画に倣って、全体にきっちりとした描き方です。
右隻は春から夏の夕暮れの情景で、山の端はかすかに紅く、からすが群れ飛んでいます。
左隻は秋で、紅葉している木々が見えます。

「筏師画賛」 与謝蕪村
文人008

蕪村らしい俳画です。

  嵐山の花にまかりけるに俄に風雨しけれは
  いかたしのみのやあらしの花衣 蕪村

11月18日(日)までは蕪村の「夜色楼台図」(国宝)が展示されています。

「富士図扇面」 伝 尾形光琳  薄下絵 鈴木其一
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尾形光琳が描いたとされる扇面を、鈴木其一が薄を描いた台紙に貼ってあります。
其一は富士から伊勢物語の「東下り」の段を連想し、同じ伊勢物語の「武蔵野」の段を
導き出して、薄をあしらったのではないかということです。

「銹絵菊図角皿」 尾形乾山 画 尾形光琳
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兄の光琳が描き、弟の乾山が焼いた角皿です。

花中真隠逸
浥露倣深秋

菊は隠逸花と呼ばれ、菊を愛した隠逸の詩人、陶淵明にちなんでいるそうです。

「梅・撫子・萩・雪図」 尾形乾山 寛保2年(1742)
萩図
琳派006

雪図
文雅img263 (3)

四幅対になった軸物で、金箔地に描き、和歌を添えています。

「美人鑑賞図」 勝川春章 寛政2- 4年(1790 -92)頃 出光美術館
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勝川004

勝川003

勝川春章の最晩年の作で、あるいは絶筆かもしれないとのことです。
西洋の遠近法を取り入れた画面ですが、消失点の揃っていないところがご愛敬です。
皆で鑑賞しているのは狩野探幽の三幅対とのことで、寿老人と鶴の絵が見え、
飾られた牡丹は富貴を表します。
じゃれる猫は中国語の発音が、「耄」と、一人の着ている着物の柄の蝶は「耋」と同じく、
長寿を表す「耄耋(ぼうてつ)」となる、目出度尽くしの絵柄です。
大和郡山藩主で柳沢吉保の孫、信鴻(のぶとき、1724‐92)の古希を祝って
描かれたとのことで、柱の釘隠しには花菱(柳沢家の家紋は四つ花菱)を用い、
庭は吉保が造り、信鴻が晩年を過ごした駒込の六義園になぞらえています。
画面の上に、すやり霞を描いて、大和絵の雰囲気も見せています。
このような古典的な世界との融合が勝川春章の特徴です。


他に円山応挙、白隠、谷文晁、渡辺始興、懐月堂安度、岸駒、呉春、森狙仙、浦上玉堂らの
作品も展示され、江戸時代、18世紀絵画の彩り豊かさを見せてくれる展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「染付―世界に花咲く青のうつわ」展です。
会期は2019年1月12日(土)から3月24日(日)です。

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【2018/11/08 19:18】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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