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「ムンク展―共鳴する魂の叫び」 東京都美術館
上野
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上野の東京都美術館では「ムンク展―共鳴する魂の叫び」が開かれています。

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「叫び」で有名なノルウェーの画家、エドヴァルド・ムンク(1863-1944)の展覧会で、
オスロ市立ムンク美術館の所蔵作品を中心にした展示です。

「病める子」 リトグラフ 1896年
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初期の1886年の油彩画を基にしています。
ムンクは幼い時に母親を結核で失い、姉も結核で亡くなっています。
以来、死の観念は生涯、ムンクに取り付いています。

「夏の夜、人魚」 1893年
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人魚は大きく目を見開いてこちらを見ています。
この、見開いた目は他の絵にもよく描かれていて、不安や恐怖を感じさせます。
月が水面に棒のように長く映っているのもムンクの特徴です。

「叫び」 1910年?
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日没の頃に歩いていて、フィヨルドからの大きな叫び声を感じたということで、
それを描いたのが「叫び」です。
真っ赤な夕焼け空も入江の暗い海もうねり、残響がこだましているようで、
何とも異様な情景です。
「叫び」には4つのヴァージョンがあり、最初に1893年にパステル画が描かれており、
テンペラと油彩によるこの作品は最後に描かれています。

「絶望」 1893-94年
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「叫び」と同じ場面ですが、この人物からは疎外や孤独を感じます。

「太陽」 1910-13年
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ムンクの評価は高まっていきますが、ムンク自身は精神的不安定からアルコール
依存症になり、そのため1908年から1909年まで精神病院に入院しています。
退院後の作品で、クリスチャニア大学講堂のための壁画の下絵と同じ絵柄です。
健康になったことのおかげか、ムンクには珍しく明るく輝く色彩がはじけ飛んでいます。

「星月夜」 1922-24年
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ゴッホが1888年に描いた「ローヌ川の星月夜」と似た場面ですが、ゴッホが輝く星と
水面に映る街の灯に感動しているのに比べ、こちらは重い雰囲気です。

「生命のダンス」 1925年
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月夜に男女が踊っていますが、左右の白い服と黒い服の女性は対照的です。
ここには生命の喜びは無く、男と女の宿業と言えるものがあります。

「自画像、時計とベッドの間」 1940-43年
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最晩年の作品で、時計は過ぎていく時間を、ベッドはやがて来る死を表しているそうです。

ムンクの作品はドイツではナチスにより退廃芸術とされ、1940年にはノルウェー自体が
ドイツに占領されています。
そして、1943年12月にはレジスタンスの決行した爆弾事件のあおりで、ムンクの家の
窓ガラスが破れ、寒気のため気管支炎を起こしたムンクは翌年1月に亡くなっています。

ムンクは象徴主義、表現主義の画家とされ、後にはノルウェーの国民的画家となった
ということですが、表現されているのは死、恐怖、不安など、暗く沈鬱な心の闇です。
国民的画家という評価とはどうも結びつきません。

展覧会のHPです。

2013年には国立西洋美術館で 「エドヴァルド・ムンク版画展」が開かれていました。

「エドヴァルド・ムンク版画展」の記事です。

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【2018/11/27 19:19】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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