FC2ブログ
「吉村芳生 超絶技巧を超えて」展 東京ステーションギャラリー
東京
chariot

東京駅の東京ステーションギャラリーでは、「吉村芳生 超絶技巧を超えて」展が
開かれています。
会期は2019年1月20日(日)まで、入館料は一般900円です。

吉村img152 (1)


吉村芳生(1950-2013)は山口県防府市出身で、鉛筆や色鉛筆を使って
写実的で超細密な作品を描いた画家です。

「ドローイング 金網」(部分) 1977年 個人蔵
縦97㎝、横は17m近くもある長大な作品で、無地の紙に金網だけを延々と
描き連ねています。
針金がねじって編まれている具合まで分かるように描かれています。

「SCENE 85-8」 鉛筆、紙 1985年 東京ステーションギャラリー蔵
吉村img152 (3)

写真を引き伸ばした紙に細かいマス目を入れ、マス目ごとに濃度を10段階に分け、
濃度別に0~9の数字を入れます。
同じサイズの方眼紙のマス目に数字を書き写し、透明フィルムを重ねて、
マス目ごとの数字に対応して斜線を入れていきます。
これで、元の写真の明暗が忠実に再現されるという、気の遠くなるような技法です。

「新聞と自画像2008.10.8 毎日新聞」 2008年 個人蔵
吉村img152 (4)

吉村芳生はこの技法で大量の自画像も描いています。
新聞の写真を引き伸ばして描いた上に自画像を重ねています。
1年分の新聞紙に直接、自画像を描いた作品、364点(休刊が1日あり)もあり、
その日の記事に対応した表情をしています。
1981年7月24日から365日間、毎日違う場所で自分の写真を撮って描いた自画像も
展示されています。

2000年頃からは、120色の色鉛筆を使った作品を手掛けるようになります。
花や植物などを題材にしていて、どれも細密な油彩画か写真かと思うような
仕上がりです。

「無数の輝く生命に捧ぐ」 色鉛筆、紙 2011-13年 個人蔵
吉村img152 (2)

横約7mの大作で、写真を基に再構成されています。
横に大きく広がった藤の花は雨のように降り注ぎます。
東日本大震災の犠牲者の生命に捧げるために描かれたとのことですが、
吉村は2013年に亡くなっており、右端が未完成のままになっています。

自画像の連作にしろ、花の絵にしろ、ここまで細かい作業を営々と続け、
作品を作り上げていく意志と情熱には気圧されます。
作品を通じて、観る人は作者の描くという行為を観ているのだと思います。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」展です。
会期は2019年2月16日(土)から4月14日(日)までです。

関連記事

【2018/12/11 21:11】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/3721-6a5627b3

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |