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「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」 新橋 パナソニック汐留美術館
新橋・汐留
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新橋のパナソニック汐留美術館では「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」が
開かれます。
会期は6月23日(日)まで、休館日は水曜日です。

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なお、「パナソニック汐留ミュージアム」は4月1日に「パナソニック汐留美術館」に
名称を変更しています。

象徴主義の画家、ギュスターヴ・モロー(1826‐1898)の描いた女性像に
焦点を当てた展覧会で、パリのギュスターヴ・モロー美術館所蔵する
油彩、水彩、素描など、約70点が展示されます。

「24歳の自画像」 油彩、カンヴァス 1850年
モローimg710 (1)

「アレクサンドリーヌ」 インク、鉛筆、紙
モローimg710 (2)

モローは生涯、未婚でしたが、1859年頃に出会ったアレクサンドリーヌ・デュルーという
恋人がいました。
アレクサンドリーヌは1890年に亡くなっていますが、深く愛していたモローは
その思い出に自宅を改造した美術館にアレクサンドリーヌの部屋を設けています。

モローは又、母ポリーヌを愛していて、制作について相談もしており、素描だけで
40点近くを描いてます。

「パルクと死の天使」 油彩、カンヴァス 1890年頃
モ003

アレクサンドリーヌの亡くなった頃に描かれた作品です。
パルクはローマ神話の運命の女神で、ギリシャ神話のモイラに相当します。
その中の運命の糸を断ち切る女神のアトロポスが死の天使の乗る馬の手綱を
取っています。
パルクも馬もうなだれて葬送の行列のようです。
冷たく凍る藍色の空に浮かぶ天使たちは分厚い絵具のかたまりで描かれ、
形のデッサンよりも色彩と幻想を重視したモローの資質が強く表れています。

「エウロペの誘拐」 油彩、カンヴァス 1868年
モローimg710 (5)

エウロペはギリシャ神話に登場する女性で、白い牡牛に変身したゼウスに
誘拐されています。
大きな作品で、ゼウスは神の顔を顕し、エウロペは身を預けています。
筆遣いも細かく、精緻な描き方です。

「トロイアの城壁に立つヘレネ」 油彩、カンヴァス 1868年
モローimg710 (6)

ギリシャ神話の「パリスの審判」の結果、トロイアに奪い去られたヘレネを
取り返そうとして起こされたのがトロイア戦争です。
犠牲者の横たわる城壁に赤い花を持って立つヘレネは観音像のようにも見えます。

「メッサリーナ」 油彩、カンヴァス
モ010

メッサリーナ(20-48)は第4代ローマ皇帝クラウディウスの妻で、
強欲と放縦で有名でした。
夫を殺害しようと謀りますが、露見して殺されています。
暗い赤色の中でベッドに片膝を乗せた姿で浮かび上がる裸体や、
背後に見える女性や明かりを持つ人物は身をやつして売春宿で
男と交わったと伝えられるその人物像を表しています。

「出現」 油彩、カンヴァス 1876年頃
モローimg709

大きな作品で、ルーヴル美術館の所蔵する水彩画と同じ頃に描かれています。
サロメは古代ユダヤのヘロデ王の前で舞を披露して、ご褒美に自分の母を非難した
洗礼者ヨハネの首を貰ったと、新約聖書に書かれた女性です。
暗い宮殿の中で、光を放つヨハネの首はサロメの体を照らし出しています。
白い蓮を手にしたサロメは驚いて、空中に現れたヨハネの首を指さしていますが、
ヘロデや他の人物は気付いておらず、ニ人だけの緊張した瞬間です。
建物の白い描線は最晩年に描き加えられています。
サロメは魅惑的な悪女として多くの画家を惹き付け、さまざまな作品が描かれています。

サロメは男性の運命を狂わせるファム・ファタル(Femme fatale、運命の女)の
代表格ですが、イヴやデリラ、クレオパトラ、ギリシャ神話のセイレーンなどを
描いた作品も展示されています。

モローは妖しい魅力を持つファム・ファタルを題材にした作品を多く描いていますが、
清純な女性も描いています。

「一角獣」 油彩、カンヴァス 1885年頃
モ004

一角獣は獰猛な動物ですが、清純な乙女には従順とされています。
この一角獣も女性に気持ちを合わせるように片脚を上げています。

「一角獣」 油彩、カンヴァス 1885年頃
モローimg710 (3)

特に装飾的な作品で、豪華な衣装の女性に一角獣がなついています。

モローはパリのクリュニー中世美術館の所蔵する、1500年頃に製作された、
「貴婦人と一角獣」という名の6枚の大きなタピスリーを観たのがきっかけ
で描いたそうです。

2013年に国立新美術館ではこのタピスリーを展示する、「貴婦人と一角獣展」が
開かれていました。

(参考)
「貴婦人と一角獣」(部分)
貴006

「貴婦人と一角獣展」の記事です。


モローの作品は自画像以外すべて女性像と言ってよいほどですが、展示されている作品も
その通りで、さまざまの物語を持つ女性たちが描かれ、劇的な題材を追求するモローの
情熱が伝わります。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「マイセン動物園展」です。
会期は7月6日(土)から 9月23日(月・祝)までです。

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【2019/04/25 19:43】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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