FC2ブログ
「尾形光琳の燕子花図―寿ぎの江戸絵画―」 根津美術館
表参道
chariot

南青山の根津美術館では特別展、「尾形光琳の燕子花図―寿ぎの江戸絵画―」が
開かれています。
会期は5月12日(日)までです。

img627.jpg


毎年この季節恒例の、「燕子花図屏風」を中心にして、草花や名所を題材にした
江戸時代の作品の展示です。

「燕子花図屏風」 六曲一双 尾形光琳 江戸時代・18世紀 根津美術館 国宝
光003

(右隻)
根4-29-2010_003

(左隻)
根4-29-2010_002


「桜下蹴鞠図屏風」 六曲一双 江戸時代 17世紀 重要美術品
(右隻)
根4-29-2010_005

お公家さんや僧侶が蹴鞠に興じています。
蹴鞠は4本の木の間で行なわれますが、この絵では満開の桜になっています。
鞠が画面上で半分だけ飛び出しています。

左隻では、塀の外で従者たちが退屈そうに主人の帰りを待っています。
大きく伸びをして、あくびする者もいて、のどかな風景です。
右隻の人物が様々の衣装を着て、動きのあるのに対し、左隻の従者たちは
黒烏帽子に白の水干姿で、静かに座っています。
左隻の、水辺を表す線も大胆で、モダンです。
右隻と左隻を、枝を伸ばした桜がつないでいます。
大らかな雰囲気で、俵屋宗達の工房による製作と考えられています。


「源氏物語図屏風」 六曲一双 住吉具慶 江戸時代 17世紀
右隻
若菜巻上で、光源氏40歳の祝賀の場面で、養女の玉鬘が若菜を差し上げ、
二人は和歌を取り交わしています。

物語009

物語017

左上が源氏です。

左隻
若菜巻下で、源氏や紫の上、明石の君の一行が住吉詣でをしています。

物語010

物語018

『草花図屏風 「伊年」印』 六曲一隻 江戸時代 17世紀
藤003

藤004

「伊年」印の捺された屏風は俵屋宗達の工房の作と云われ、これはその中でも
初期の作とされています。
右に桜草、蒲公英、菫、菜の花、中央に竹、風車、蕗、山吹、芥子、紫蘭、
ドクダミ、左には芥子、杜若、蓮、オモダカなどが描かれています。
多種類の草花を写実的に描くのは中国の本草学への関心も背景にあるとのことです。

「四季草花図屏風」 六曲一双 「伊年」印 江戸時代 17世紀
(左隻)
根4-29-2010_004

穏やかな色調で、植物を四季の移り変わりにつれて、右から左に描いています。
薊、蒲公英、土筆、大根、鉄線花、撫子、牡丹、立葵、百合、紫陽花、鶏頭、粟、
茄子、薄、桔梗、萩、菊、南天、水仙などです。
「伊年」の印が押してあるので、これも俵屋宗達の工房の作品と思われます。

「小松引図」(部分) 冷泉為恭 江戸時代 19世紀
松竹梅004

小松引は正月最初の子の日に野の小松を引いて長寿を願う平安時代の行事です。
みやびな行事で、よく画題にもなっています。
掛軸で、上の方には峰の松が描かれています。
冷泉為恭(1823~64)は幕末の絵師で、大和絵に優れ、王朝文化を題材にした作品を
多く描いています。

「宇治橋図屏風」 二曲一隻 桃山時代 16~17世紀
根003

宇治川沿いの賑わいです。
画面右下に平等院が見えます。

川向こうの左上には黄檗山万福寺が見えます。
日本にインゲン豆を伝えた隠元禅師の開いたお寺です。

根008

宇治川名物の水車が回り、川では布を晒しています。
宇治橋には張り出しもあります。

根009


「洛中洛外図屏風」 八曲一双 江戸時代 17世紀
右隻
根006

左隻
根005

右隻には、東山の清水寺、八坂の塔、方広寺大仏殿、内裏、祇園祭の山鉾巡行
などが見えます。

根011

光琳img751 (1)

方広寺は豊臣秀吉の建てた寺で、東大寺大仏殿より大きな大仏殿は1798年に
焼失するまで京の名所だったということです。
右側の赤い柱の大きな建物です。

根012

天皇、足利、豊臣、徳川といった、時々の権力者の象徴を一つの画面に
納めているのが、洛中洛外図の面白さです。

左隻には、祇園祭の神輿行列、金閣寺、北野神社、二条城、東寺、嵐山などが
見えます。
二条城には1750年に焼失した天守閣も描き込まれています。

根010


他に、江戸時代盛んだった伊勢参宮を描いた屏風も3点、展示されています。


展示室5のテーマは「机上を彩る箱」です。
文房具を入れておく、蒔絵を施した箱の展示です。

「人物蒔絵硯箱」 蒔絵:飯塚桃葉(初代)、金工:浜野政随 
 木胎漆塗象嵌 江戸時代 18世紀

光琳img751 (2)

破れ傘を担いだ人物が橋の上で空を見上げています。
飯塚桃葉は江戸の蒔絵師で、阿波徳島藩10代藩主、蜂須賀重喜(1738-1801)に
召し抱えられています。


展示室6のテーマは「風薫る茶席」です。
5月になり、初夏を迎えると、炉を閉じて風炉を用いる季節の始まりです。

「丸壺茶入 銘 青山」 福州窯系 南宋〜元時代 13−14世紀
光琳img751 (3)

「青磁浮牡丹文水指」 龍泉窯 元時代 13~14世紀
根津003

涼しげな色合いの壺で、水指に使われています。
暗い茶室の中で青が際立ちます。

「砂張釣舟花入 銘 艜(ひらた)」 東南アジア 15世紀
中003

細長い銅製の器で、縁を廻って細かい模様が入っています。
元は食器か盛り器として使われていた品です。
器を底の平らな川舟のひらた舟に見立てていて、武野紹鴎が所持していた
ところから紹鴎艜と呼ばれています。
砂張(さはり)は響銅とも書き、銅に錫、鉛を加えた合金です。

展覧会のHPです。


私の行った時は根津美術館の庭の燕子花はまだ咲いていませんでした。

ねIMG_1029


次回の展覧会は企画展、「はじめての古美術鑑賞―絵画のテーマー」です。
会期は5月25日(土)から7月7日(日)までです。

img754.jpg

関連記事

【2019/04/23 19:07】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/3836-a80b118d

プロフィール

chariot

Author:chariot
美術館・博物館めぐりとカフェの記事を書いています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |