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「円覚寺の至宝 鎌倉禅林の美」展 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では特別展、「円覚寺の至宝 鎌倉禅林の美」が
開かれています。
会期は6月23日(日)までです。
会期中、一部展示替えがあります。

img595.jpg


鎌倉の円覚寺の歴史と文化を紹介する展覧会です。

瑞鹿山円覚寺は弘安5年(1282)に鎌倉幕府第8代執権北条時宗が元から招いた
無学祖元(1226-1286)を開山として開いた臨済宗の寺院です。

無学祖元は宋の末期、径山寺の無準師範(1177-1249)に師事し、弘安2年(1279)に
北条時宗の招きで日本に渡り、建長寺の住持となります。
元軍が2度目に来襲した弘安の役では時宗を励ましています。
時宗は元寇の戦没者のため、弘安3年に円覚寺を創建し、無学祖元を開山としています。

「無学祖元坐像」 鎌倉時代 円覚寺 重要文化財
円覚寺img756 (1)

禅宗では師の姿を表した肖像画や彫刻である頂相(ちんぞう)をよく制作しています。
背もたれに龍と2羽の鳩が乗った椅子(曲録)に坐していて、鶴岡八幡宮の龍と
2羽の鳩が使いとなって中国に赴き、日本に導いたという逸話を表しています。

「無学祖元墨蹟(偈)」 弘安2年(1279) 相国寺 国宝
円覚寺img756 (5)

来日して3か月後に、上野世良田の長楽寺の住持、一翁院豪が訪ねてきます。
一翁院豪も宋にわたり無準師範に師事していました。
二人で「香厳撃竹」について問答したところ、一翁院豪の答えが的確であったので、
与えた偈です。

(参考)
香厳撃竹画賛 仙厓筆 出光美術館
仙006

香厳智閑(きょうげんちかん)は唐の僧で、掃き掃除をしていて跳んだ瓦礫が竹に
当たった音を聞いた瞬間に悟りを得た、というお話です。

「蘭渓道隆坐像」 鎌倉時代 建長寺 重要文化財
円覚寺img756 (7)

蘭渓道隆(1213-1278)は南宋の臨済宗の僧で、寛元4年(1246)に来日し、
北条時頼の帰依を受けて、時頼の創建した建長寺の開山となります。
鎌倉時代から肖像彫刻には顔の後ろから水晶やガラスの瞳(玉眼)を入れることが
多いですが、この像は黒目の周囲に金泥で光彩を描いた瞳を前から貼付けています。
蘭渓道隆は眼光の鋭さが印象的だったようです。

「蘭渓道隆墨蹟(法語)」 鎌倉時代 建長寺 国宝
円覚寺img756 (6)

5月19日までの展示です。
40代前半の書とされ、僧へのいましめが書かれています。
5月21日からは(規則)が展示されます。

「宝冠釈迦如来坐像」 鎌倉時代 白雲庵
円覚寺img756 (10)

本来は華厳経の中心仏である毘盧遮那仏として制作されますが、やがて宝冠釈迦如来と
呼ばれるようになったということです。
白雲庵は円覚寺の塔頭の一つです。

「滝見観音菩薩遊戯坐像」 南宋時代 清雲寺 重要文化財
円覚寺img756 (4)

片足を立膝にし、片足を下げた姿は遊戯坐像と呼ばれ、くつろいで滝を眺めている姿を
表しています。
日本ではあまり見られない形で、ガラスの玉眼が入り、あちこちに金箔が残っています。
横須賀市の大富山清雲寺は臨済宗円覚寺派の寺院ですが、平安時代の三浦為継の
開基と伝えられているので、当初はまだ臨済宗ではなかったのでしょう。

「被帽地蔵菩薩像」 高麗時代 円覚寺 円覚寺 重要文化財
円覚寺img756 (8)

14世紀初めの高麗仏画で、頭に頭巾をした地蔵菩薩は高麗で特によく描かれています。
地獄の案内人の無毒鬼王は経箱を捧げ、地獄を見聞した僧道明は錫杖を持っています。
堂々とした描き振りで、お顔はやや角張り、衣や首飾り、手にした宝珠の透けた具合まで
表現され、衣の模様も繊細に描き込まれています。

「韋駄天立像」 鎌倉時代 浄智寺
円覚寺img756 (9)

韋駄天は元はヒンドゥー教のシヴァ神の子で、仏教を守る神となり、足の速い神と
されています。
道教の韋将軍と集合したことから中国風の甲冑姿で作られることが多い神で、
禅宗寺院では厨房などに祀られています。
宝棒を捧げ持っており、甲冑には粘土を貼り付ける、鎌倉特有の土紋という技法が
見られます。
浄智寺は鎌倉市にある円覚寺派の寺院で、北条時宗の弟、宗政の菩提を弔うため、
創建されています。

「伽藍神像」 鎌倉時代 建長寺 重要文化財
円覚寺img756 (3)

元は中国の道教の神で、宋代の禅宗寺院で伽藍の守護神として取り入れています。
建長寺伝来の5体のうちの1体で、ひげを植えた跡も残っており、大きく見開いた玉眼が
印象的です。

「青磁袴腰香炉」 南宋時代 円覚寺
円覚寺img756 (2)

青銅器を模した3本足の香炉で、胴の部分が袴を着けているような形なので、
この名があります。
青磁の産地として知られた浙江省の龍泉窯の品で、龍泉窯の青磁は鎌倉時代に
数多く輸入されています。
円覚寺など鎌倉周辺は大陸文化の流入が盛んだったことを示しています。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展、「日本の素朴絵」です。
会期は7月6日(土)から9月1日(日)までです。

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【2019/05/06 21:31】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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