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「シャルル=フランソワ・ドービニー展」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館
新宿
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新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館では、
「シャルル=フランソワ・ドービニー展」が開かれています。
会期は6月30日(日)までです。

ドービニーimg609 (1)

19世紀フランスの風景画家、シャルル=フランソワ・ドービニー(1817-1878)の作品を
展示する展覧会です。

ドービニーはパリで画家の家に生まれています。
風景画家としての道を歩み、初期にはサロンへも挑戦しています。
イタリアに留学できるローマ賞にも2回、応募しますが、残念ながら落選しています。

「聖ヒエロニムス」 1840年 アミアン、ピカルディ―美術館
ドービニーimg609 (7)

横195㎝の大きな作品です。
聖ヒエロニムスは神学者で、ラテン語訳聖書(ヴルガータ聖書)を完成させたとされて
いますが、粗末な衣を着て、荒野で瞑想している姿で描かれることの多い人物です。
歴史や神話を題材にした絵が高級で、風景画は下位に見られていた時代なので、
ドービニーもヒエロニムスを描き込んでいますが、描きたかったのは荒涼とした
夕暮れの風景なのが分かります。

アカデミズムの画家の道を諦めた後は、自然を題材として取り組み、バルビゾンに
集まった画家たちと交流を深め、バルビゾン派の一員となります。
特にカミーユ・コロ―(1796-1875)とは、年齢は離れていますが深い友情で結ばれ、
後にはコロ―の墓の横に埋葬してもらっています。
サロンへの出品は続け、やがて1850年代には風景画家として評価を高めています。

「ブドウの収穫」 1863年頃 個人蔵
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バルビゾン派らしく、風景の中の労働者もよく題材にしています。

「ポルトジョアのセーヌ川」 1868年頃 個人蔵
ドービニーimg609 (5)

ドービニーの作品の中ではやや大振りな筆遣いです。
ポルトジョアはパリの北西、セーヌ川沿いにあります。
ドービニーは1850年代の終わりには、小舟をアトリエ船にして、息子のカールと一緒に
セーヌ川や支流のオワーズ川を上り下りして、風景を描いています。
船で旅することで、重い画材を持ち運ぶ必要が無く、天候や時間による景色の変化を
描き留めることが出来るようになりました。
この方法はモネにも受け継がれています。

「ボッタン号」 1869年頃 個人蔵
ドービニーimg609 (4)

1号船のボタン号の後継の2号船ですが、それでも小さな帆掛け船です。
日暮れのおだやかなひと時です。

「ヴァルモンドワの森の中(ル・ソスロン)」  
 1872年 ポントワーズ、カミーユ・ピサロ美術館

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ヴァルモンドワはパリの北西にある、オワーズ川沿いの町で、
ドービニーは幼少期をここで過ごしています。
森の鮮やかな緑が小川に映り、点景の人物も見えます。

版画集「船の旅」より「アトリエ船」 1862年 個人
ドービニーimg609 (6)

エッチングによる版画集で、旅の間の様子を気軽に描いています。
アトリエ船でスケッチしているところです。
蒸気船の起こす余波で傾くアトリエ船も描かれています。
蒸気機関により汽車や蒸気船が交通手段として活躍を始めた頃で、
マネやモネたちも鉄道を題材にしています。

ドービニーはサロンの審査員を務めたこともあり、モネやピサロなどの印象派の
若い画家を評価しています。
1870年のサロンでモネとシスレーの絵が落選したのに抗議して、コロ―とともに
審査員を辞任しています。
また、モネとピサロに印象派を盛り立てる画商となるポール・デュラン=リュエルを
紹介しており、印象派の援助者ともなっています。

ゴッホもドービニーに憧れ、オーヴェル=シュル=オワーズのドービニーの家を
ドービニーが亡くなった後に訪れ、夫人に頼んで庭を何点か描いています。
これがゴッホの絶筆となっており、ゴッホ自身もオーヴェル=シュル=オワーズで
亡くなっています。

ドービニー自身の絵は援助した印象派に比べるとまだ色調は暗めで地味ですが、
自然の風景をしっかり捉えていて、しみじみとした味わいがあります。

他にコロ―やバルビゾン派の作品も展示されています。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「みんなのレオ・レオーニ展」です。
会期は7月13日(土)から9月29日(日)までです。

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【2019/05/30 20:20】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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