FC2ブログ
「マイセン動物園展」 パナソニック汐留美術館
新橋・汐留
chariot

パナソニック汐留美術館では「マイセン動物園展」が開かれています。
会期は9月23日(月・祝)まで、休館日は水曜日と8月13日(火)〜 15日(木)です。

img716_2019070709523845f.jpg


ドイツのマイセン窯の動物を題材にした作品の展示で、約120件が展示されています。
7月5日に内覧会があったので、行ってきました。

岩井美恵子学芸員の解説を伺いました。
写真は許可を得て撮影しています。
一部の作品以外は撮影可能です。

「四大陸の寓意」 個人蔵
マIMG_0139


女性像「四大陸の寓意〈アジア〉」 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー、
 ヨハン・フリードリッヒ・エバーライン 1820 - 1920年頃

マIMG_0142

乳香の香炉を持ち、ラクダに乗っています。

マイセン窯はザクセン選帝候フリードリッヒ・アウグスト1世(1670-1733、
「アウグスト強王」)の命で1710年に開かれた、ヨーロッパ最初の硬質磁器窯です。
ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(1706-1775)は彫刻家で、アウグスト強王に招かれ、
数多くの作品を手掛けています。
原型の製作年と製品の製作年は異なります。

女性像「四大陸の寓意〈アフリカ〉」 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー  製作年不詳
マIMG_0146

象の頭を被り、象牙を持ち、ライオンに乗っています。

女性像「四大陸の寓意〈ヨーロッパ〉」 
 ヨハン・フリードリッヒ・エバーライン 1820 - 1920年頃

マIMG_0149

ヨーロッパは4大陸の王ということで、王冠を被り、王笏と宝珠を持ち、
白馬を従えています。

女性像「四大陸の寓意〈アメリカ〉」 
 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーなど 1820 - 1920年頃

マIMG_0152

羽根飾りを着け、豊穣の角を持ち、インコを手に乗せ、ワニに乗っています。

四大陸の寓意はミラノのアーケード街、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世ガレリアの
建物の上部にも描かれています。

「四大元素の寓意」 個人蔵

人物像水注「四大元素の寓意〈地〉」
 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820 - 1920年頃

マIMG_0163

狩りの女神のアルテミス、牧羊神のパン、狩猟犬などがいます。

人物像水注「四大元素の寓意〈空気〉」
 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820 - 1920年頃

マIMG_0166

孔雀を従え、王冠を被った神々の女王ヘラと使いの虹の女神イリスです。
風神の持つような風の袋もあります。

人物像水注「四大元素の寓意〈火〉」 
 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820 - 1920年頃

マIMG_0170

マIMG_0241

火を噴くという竜が把手になっていて、地上では山火事に動物たちが
逃げまどっています。
裏には火山が描いてあります。
フリジア帽を被り、フイゴを持つ鍛冶屋の神ヘパイストスと、火を人間に伝えた
プロメテウスがいます。

人物像水注「四大元素の寓意〈水〉」 
 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820 - 1920年頃

マIMG_0174

マIMG_0175

海神ポセイドンとメドゥーサです。
馬車を曳く4頭立ての馬や海亀、海蛇、イルカもいます。

「猿の楽団」 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー、ペーター・ライニッケ 1820 - 1920年頃 個人蔵
マIMG_0159

マIMG_0160

マIMG_0234

表情も面白く、人気のシリーズになっています。
衣服によって演奏者の身分の違いも表しているそうです。

左:「花鳥飾プット像シャンデリア」 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー、
 エルンスト・アウグスト・ロイテリッツ 19世紀後半  個人蔵
右:「花鳥飾プット像鏡」 ヨハン・ゴッドリープ・エーダー
 19世紀中頃もしくは後半 個人蔵

マIMG_0237

マIMG_0240

多数のパーツを集めていて、シャンデリアは18世紀のロココ趣味時代の原型に
19世紀の好みを加えてあるそうです。

スノーボールの作品
マIMG_0187

スノーボールは白い小さな花をたくさん咲かせる植物で、マイセン特有の
装飾になっています。

左:「スノーボール貼花装飾蓋付大壺」
 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820 - 1920年頃 個人蔵
右:「貼花狩猟図鹿浮彫蓋付パンチボウル」
 ミシェル・ヴィクトール・アシエなど 1820 - 1920年頃 個人蔵

マIMG_0101

「スノーボール貼花装飾蓋付昆虫鳥付透かし壺」 
 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820 - 1920年頃 個人蔵

マIMG_0180

マIMG_0183

マIMG_0182

ポスターにも使われている作品です。
小鳥と一緒にクワガタムシも乗っています。
透かし彫りの中に小鳥が入っているという、とても手の込んだ細工がされています。

「二匹の猫」 ペーター・ライニッケ 1840 - 1860年 ロムドシン蔵
マIMG_0193

写実的な姿で、野良猫なのか、鋭い目付きをしています。

蓋物「コイ」 作者不詳 1850 - 1870年頃 ロムドシン蔵
マIMG_0206

こちらも写実的で、ウロコもていねいに描かれ、ぬめりまで感じます。

20世紀のアール・ヌーヴォーの時代になると、曲線を生かした動物の置物が
さかんに作られます。
イングレイズという、焼成時に絵具を釉薬に染み込ませる技法によって、
柔らかな色調も生み出しています。

マIMG_0112

マIMG_0108

マIMG_0111

マIMG_0233

「毛糸玉と子猫」 エーリッヒ・オスカー・ヘーゼル 1917 - 1923年頃
マIMG_0198

つやつやとした、何とも可愛らしい子猫です。
19世紀の写実的な猫と違い、愛玩動物の可愛らしさを強調しています。

「シロクマ」 オットー・ヤール 1903 - 1923年頃
マIMG_0202

同じ型の大小のシロクマです。
ふさふさとした毛並みが上手く表現されています。

「二匹の猫」 オットー・ピルツ 1934 - 1940年頃 個人蔵
マIMG_0195

一匹は表情豊か、一匹は眠そうにしています。
1934年にはヒトラーが首相になっており、ドイツは暗い時代に入っています。

「ライネケのキツネ」 マックス・エッサー 1924 - 1934年頃 個人蔵
マIMG_0212

マIMG_0217

マックス・エッサー(1885-1945)はアール・デコ時代の作家です。
フランスの「狐物語」を基にゲーテが書いた叙事詩を作品にしています。
森の動物たちをひどい目に遭わせたずる賢いキツネのライネケは、
王様のライオンに取り入って出世を遂げるという物語で、全体では
75点で構成されるシリーズです。
ライネケはドヤ顔をして、群像の頂点に立っています。
ヒトラーも当時の大統領ヒンデンブルクに取り入って、政権を握っています。

「カワウソ」 マックス・エッサー 1927年 個人蔵
マIMG_0221

マIMG_0224

1937年のパリ万博でグランプリを獲得したモデルで、釉薬を掛けていない炻器です。
立ちあがって振り返った瞬間を渦巻状の形で表し、毛並みの手触りまで
見事に再現しています。


マイセンの食器は展覧会でよく見ていましたが、動物を題材にした、これほど多くの
素敵な作品があるとは知りませんでした。

展覧会のHPです。

2011年にはサントリー美術館で「マイセン磁器の300年」展が開かれていました。

「マイセン磁器の300年」展の記事です。


常設展示室のルオー・ギャラリーでは、特別展示「ルオーとジャコメ 
~複製されるイメージ~」を12月15日(日)まで開催しています。

マIMG_0227



所蔵するルオーの油彩画、版画とともに、刷師ダニエル・ジャコメ(1894-1966)の
アトリエによるルオー作品の複製画を展示しています。
ジャコメの複製画の高い品質はルオー自身にも認められていたとのことす。


次回の展覧会は「ラウル・デュフィ展 ― 絵画とテキスタイル・デザイン ―」です。
会期は10月5日(土)から 12月15日(日)までです。
関連記事

【2019/07/09 19:29】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/3896-133a7e86

プロフィール

chariot

Author:chariot
美術館・博物館めぐりとカフェの記事を書いています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |