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「日本の素朴絵」展 日本橋 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では特別展、「日本の素朴絵」が開かれています。
会期は9月1日(日)までです。
会期中、一部展示替えがあるので、展覧会のHPでご確認下さい。

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仏画や絵巻物の中の、「ゆるい」絵や立体作品の展示です。

「つきしま絵巻」 2巻 室町時代(16世紀) 日本民藝館 (場面替あり)
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「つきしま絵巻」は室町から江戸時代にかけて流行した幸若舞
(こうわかまい)の台本を読み物とし、さらに絵を添えて絵巻物に
仕立てた、舞の本絵巻の一つです。
平清盛が摂津国の大輪田泊に人口島の経が島を築くにあたって、
人柱を埋めたという伝説を題材にしています。
屋敷の中には出家して僧形になった浄海(平清盛)たちが座り、
隣では人びとがモッコを担いで工事をしています。
笑ってしまうほどの稚拙さですが、そこが魅力でもあります。

「鼠草子絵巻」 5巻の内、巻2,5 室町~桃山時代(16世紀) サントリー美術館
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四条堀川に住む鼠の権頭(ごんのかみ)は、子孫が畜生道に堕ちることを
恐れて清水寺に祈願して美しい姫君と結ばれるものの、清水寺にお礼参りに
行っている隙に正体が露見してしまい、世をはかなんで出家するという
お話です。
清水寺での出会いの場面です。
物語では、千利休が茶を点てたり、慕っている若殿様が結婚するとは何てことと、
ねずみの下女が嘆いたり、権頭が源氏物語にちなんだ歌を詠んだりと、
今読んでも面白いお話です。

「おようのあま絵巻」 2巻 室町時代(16世紀) サントリー美術館 (場面替あり)
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おようのあま(お用の尼、雑貨を売り歩く尼さん)が侘び住まいする老僧を訪ねてきて、
若い娘を世話しようと持ちかけます。
僧は喜びますが、若い娘と思ったのは実はおようのあま自身だったという、
泣き笑いのお話です。
喜んだ僧が土産に扇を渡している場面です。
掛軸に南無阿弥陀仏と書いてあるので、妻帯を認めた浄土真宗の僧かもしれません。
梅や桜、椿なども咲いて、季節の風情もありますが、建物は透視図法を無視した、
乱暴この上ない描き方なのがご愛敬です。

「付喪神絵巻(つくもがみえまき)」 2巻 室町時代(6世紀) 岐阜市・崇福寺
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節分の煤払いで不用品として捨てられた、燭台、臼、壷などの古道具類が、
長年のご奉公が報いられなかったと恨んで、人間に復讐しようと妖怪になる、
なかなか面白いお話です。
止めようとした数珠の一蓮を手棒の荒太郎が追い払う場面もあります。
船岡山の奥の長坂に棲み付いた妖怪たちですが、最後は数珠の一蓮の導きで
成仏を遂げます。
モノに対する日本人の感性をよく表した絵巻です。

「伊勢参詣曼荼羅」 2幅 江戸時代(17世紀) 三井文庫
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8月4日までの展示です。
人びとに伊勢神宮への参詣を促すため描かれた、伊勢神宮の宣伝絵図です。
内宮側で、宇治橋、五十鈴川のみそぎ、内宮正殿などが見えます。
大量に作られたので、絵も稚拙なところがあります。
左上には二見ヶ浦の夫婦岩や、遥か遠くの富士山も描いてあります。

光琳、乾山、大雅、蕪村、白隠、仙厓など、文化人の素朴絵もあります。

「蜆子和尚図」 仙厓義梵筆 紙本墨画 江戸時代(19世紀) 個人蔵
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蜆子(けんす)和尚は唐時代の僧で、年中同じ衣を着て、エビや蜆(シジミ)を捕って
食べていたといいます。
網を持ち、エビを捕まえて実に嬉しそうです。

「雲水托鉢図」 南天棒筆 対幅 大正時代 個人蔵
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南天棒とは臨済宗の僧、中原鄧州(1839-1925)のあだ名で、明治の初め頃、
25か所の禅道場に乗り込んで問答を申込み、相手が敗けると南天の棒で
叩きつけたことからこの名があります。
何とも怖ろし気な坊さんの描いた絵ですが、行列をつくって托鉢する姿は
こちら向きと向こう向きで左右対称になっています。
ユーモラスで、博多の仙厓さんの絵と似た趣きがあります。
仙厓にしても白隠禅師にしても、臨済宗のお坊さんはよく絵を描いているようです。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展、「茶の湯の名碗 高麗茶碗」です。
会期は9月14日(土)から12月1日(日)までです。

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【2019/07/13 18:42】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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