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「奥の細道330年 芭蕉」展 丸の内 出光美術館
有楽町・日比谷
chariot

丸の内の出光美術館では「奥の細道330年 芭蕉」展が開かれています。
会期は9月29日(日)までです。

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松尾芭蕉(1644-94)が元禄2年(1689)3月27日に深川芭蕉庵を発って、
東北から北陸への旅に向かいます。
この旅をもとに紀行文、「奥の細道」が編まれています。
今年が奥の細道の旅に出て330年に当たるのを記念しての展覧会です。

「発句短冊 枯朶に」 松尾芭蕉
  芭蕉img072 (3)

  枯朶にからすのとまりけり秋の暮れ

延宝8年(1680)、深川に移り住んだ頃の句です。
江戸時代、俳句は発句(ほっく)と呼ばれていました。

「発句短冊 櫓声波を」 松尾芭蕉
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  櫓声波を打って腸氷る夜や涙

漢詩の趣きのある句で、冬夜の寒さを詠んでいます。

「発句短冊 ふる池や」 松尾芭蕉
  芭蕉img072 (5)

  ふる池や蛙飛び込む水の音

貞享3年(1686)の句で、蛙の鳴き声ではなく、水音に注目した句は当初から
評判が高く、短冊も多く残っています。

「芭蕉像」 松村月渓 江戸時代
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頭巾を着け、笠を掛け、杖をつき、小腰をかがめて歩く、芭蕉の旅姿です。
松村月渓(1752-1811)は始め、蕪村に南画を学び、後に円山応挙に学んで、
呉春と名乗り、四条派の祖となります。

松尾芭蕉には芭蕉翁というイメージがありますが、芭蕉が奥の細道の旅に出たのは
45歳頃のことです。

「奥の細道 谷中」 小杉放菴 昭和時代
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弟子の曾良とともに深川芭蕉庵をを出立する姿です。

  上野谷中の花の梢、又いつかはと心ぼそし

小杉放菴(1881-1964)は元は洋画家として出発し、小杉未醒(みせい)と
名乗っていました。
フランスに留学し、そこで逆に東洋画に目覚め、帰国後は飄々とした画風の
日本画に転向しています。

「発句画賛 野をよこに」 書:松尾芭蕉 画:森川許六
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  野をよこにむま引むけよほとゝきす はせを

那須野の殺生石に向かう途中、馬子に乞われて詠んだ句です。
森川許六(1656-1715)は彦根藩士で、蕉門十哲の一人に数えられています。
また、絵も得意とし、芭蕉に絵を教えたともいわれています。

「発句自画賛 はまぐりの」 松尾芭蕉
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  はまぐりの生ける甲斐あれ年の暮れ

芭蕉晩年の句で、生き甲斐と活き貝を掛けてあるそうです。
藤井巴水の編集した、元禄6年(1693)刊行の薦獅子集(こもじししゅう)所収です。

「旅路の画巻」 松尾芭蕉 柿衛文庫蔵
芭蕉自筆の旅絵巻で、俳句を書き入れる予定でしたが、その前に芭蕉は
亡くなっています。
上手な絵で、旅人、馬夫、巡礼、渡し舟などが旅景色の中に描かれ、
芭蕉の俳句感をうかがうことが出来ます。

  月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
  舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、
  日々旅にして旅を栖とす。
                              奥の細道序文


芭蕉を敬愛した与謝蕪村、仙厓などの作品や芭蕉が理想とした西行の生涯を描いた
絵巻も展示されています。

「山水図屏風」(部分) 与謝蕪村 宝暦13年(1763) 重要文化財
文人009

与謝蕪村(1716-1783)は俳人ですが、池大雅との合作の「十便図」「十宜図」などの
文人画でも有名です。
画材の高価な絹を調える資金を集めるため、屏風講を弟子たちが開いて作られた
屏風とのことです。

「筏師画賛」 江戸時代 与謝蕪村
文人008

蕪村らしい俳画です。

  嵐山の花にまかりけるに俄に風雨しけれは

  いかたしのみのやあらしの花衣 蕪村

「西行物語絵巻」 第四巻(部分) 絵:俵屋宗達 詞:烏丸光広 
 寛永7年(1630) 重要文化財

琳派003

鎌倉時代の絵巻を俵屋宗達が模写したものです。
萩の茂る庵に住む老僧を西行が訪ねる場面です。
萩、薄、女郎花の茂る野を鹿や狐が駆けて行きます。
人の営みも自然の中に溶け込んでいます。

「西行物語絵巻」 第四巻(部分) 絵:俵屋宗達 詞:烏丸光広 
 寛永7年(1630) 重要文化財

物語002

西行の一行が天竜川で渡し舟に乗ったところ、乗り合わせた武士に人数が多すぎるから
下りろと言われ、血の流れるまで打たれますが、抵抗することなく舟を下ります。
弟子の僧が嘆くと西行は、仏門に入った者は仇に仇をもって返してはならないと諭し、
その覚悟の無い者は都に帰れと言って、弟子を追い返してしまいます。
馬を押さえる従者たち、ざわめく客たちなどの様子が活き活きと描かれています。

展覧会のHPです。

・・・・・

深川芭蕉庵のあった、隅田川と小名木川の合流点には現在、芭蕉庵史跡展望庭園が
あります。

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すぐ近くには江東区芭蕉記念館もあります。

そら0051


次回の展覧会は「名勝八景—憧れの山水」展です。
会期は10月5日(土)から11月10日(日)です。

八景img085 (1)

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【2019/09/10 19:31】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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