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「リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展」 渋谷 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
chariot

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展」が
開かれています。
会期は12月23日(月)までです。

追記:会期が12月26日(木)まで延長されました。

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1719年に成立したリヒテンシュタイン公国の建国300年を記念する展覧会で、
リヒテンシュタイン侯爵家の所蔵する美術工芸品、約130点が展示されています。

スイスとオーストリアの間に位置するリヒテンシュタインはリヒテンシュタイン公、
ヨハン・アダム・アンドレアス(1662-1712)が1699年に現在のリヒテンシュタイン
に当たる所領を購入し、神聖ローマ皇帝が1719年にリヒテンシュタイン公領として
認めたことに始まります。
リヒテンシュタイン家はリヒテンシュタインの他にもヨーロッパの各地に広い所領を
持っています。
現在、人口約3万人のリヒテンシュタインでなぜ、この展覧会で見るような豪華な
コレクションを形成したのかと思いましたが、その成り立ちを知って納得しました。


「リヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像」 ヨーゼフ・ノイゲバウアー 1861年
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フランツ1世(1853-1938)は84歳の長命で、従来はリヒテンシュタイン公が
リヒテンシュタインを訪れることは無かったのですが、夫妻はよく訪れ、慈善事業も
行なったということです。

「聖バルバラ」 ルーカス・クラーナハ(父) 1520年以降
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聖バルバラは3世紀に小アジアのニコメディアで殉教したとされる女性です。
小さな作品で、聖バルバラはクラーナハ特有の体をくねらせた姿で描かれ、
金で飾った画面は豪華です。

「ペルセウスとアンドロメダ」 ペーテル・パウル・ルーベンスと工房 1622年以降
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ルーベンスらしい、バロックの躍動的な画面で、ペルセウスのマントの赤と
アンドロメダの白い肌が際立っています。
ギリシャ神話の、英雄ペルセウスが海の怪獣を退治して、生贄にされそうになった
アンドロメダを救う話で、討たれた怪獣は海に落ちています。
ペルセウスの乗っていた、翼のある天馬、ペガサスも描かれています。

「雅な宴」 ヨハン・ゲオルク・プラッツァー 1736年
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ロココ時代のヴァトーの始めたとされる、上流階級の人々が野外での宴を描く、
雅宴画(フェート・ギャラント)という画題の作品です。
まことに優雅な雰囲気ですが、この約半世紀後にフランス革命が起こり、
のどかな世界は吹き飛んでしまいます。
フランス革命に続くナポレオン戦争により、1806年に神聖ローマ皇帝は崩壊し、
リヒテンシュタインは独立しています。

「イシュル近くのヒュッテンエック高原からのハルシュタット湖の眺望」 
 フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 1840年

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ハルシュタット湖はオーストリアの湖で、山々に差す柔らかな光を表しています。
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー(1793-1865)はオーストリアの
ビーダーマイヤー時代の画家で、細密な画風による肖像画、風景画、静物画を
描いています。

フランス革命とナポレオンの疾風怒濤の時代を過ぎ、旧体制(アンシャン・
レジーム)の時代に戻った19世紀前半のヨーロッパでは、理想主義に走らず、
日常生活に価値を見出す、ビーダーマイヤーと呼ばれる様式が流行しています。

「磁器の花瓶の花、燭台、銀器」 フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 1839年
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細密な描写で花や磁器、金属の質感まで表しています。

「染付山水文金具付ポプリ蓋物」 
 磁器:有田 1680-1700年 
 金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴェルト 1775/1785年

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ヨーロッパの上流社会では中国の景徳鎮の磁器が珍重され、盛んに輸入されて
いましたが、17世紀の明清交替の混乱期には代わって日本の有田焼を輸入
するようになります。
壷などに金属装飾を加えて、別の用途に使われたりもしています。

会場の一部は撮影可能です。

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「金地花文ティーセット」 ウィーン窯・帝国磁器製作所 
 アントン・デーリング イグナーツ・ヴィルトマン 1815年

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ヨーロッパでは中国磁器に倣って磁器の製作が試みられ、まず1710年にマイセン窯が、
続いて1718年にウィーン窯が開かれています。

「金地花文クラテル形大花瓶」 
 ウィーン窯・帝国磁器製作所 ヨーゼフ・ガイアー 1828年頃

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磁器にエナメル絵付がされています。
クラテルとは古代ギリシャで使われた、ワインと水を混ぜる壷とのことです。

右:「黒ブドウのある花の静物」 
右:「白ブドウのある花の静物」 
 共にウィーン窯・帝国磁器製作所 ヨーゼフ・ニッグ 1838年

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絵のように見えますが、磁器の板にエナメル絵付されたものです。
ヨーロッパの磁器には盛んに花の絵が描かれています。
神聖ローマ皇帝フランツ1世(1708-1765)はアカデミーに花卉画のクラスを設けています。


2017年には国立新美術館で、「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展が
開かれていました。

「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展の記事です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「永遠のソール・ライター」展です。
会期は2020年1月9日(木)から3月8日(日)までです。

ソールimg110 (9)

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【2019/10/24 19:42】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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