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「博物館に初もうで」 2020年 東京国立博物館
上野
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上野の東京国立博物館で開かれている新年恒例の「博物館に初もうで」に
行ってきました。
会期は1月26日(日)までです。

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会場内は一部を除き、撮影可能です。

今年の本館正面階段の活花は真生流・山根由美さんです。
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「松林図屏風」 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 国宝
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右隻
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左隻
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お正月恒例の展示で、1月13日まで国宝室に展示されています。

「十二ヶ月花鳥図屏風」 狩野永敬筆 江戸時代・17世紀
右隻
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左隻
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藤原定家の「詠花鳥和歌各十二首」に詠まれた12か月の花鳥を右から左に
配しています。
柳の若葉、桜に始まり、雪月花で終わっています。
狩野永敬(1662-1702)は狩野山楽から4代目の京狩野家の絵師です。

  正月 うちなびき春くるかぜの色なれや 日を経てそむる青柳のいと

「松竹梅図屏風」 立林何帠筆 江戸時代・18世紀
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立林何帠(たてばやしかげい)は江戸中期の絵師で、加賀前田家の侍医を努めた後、
江戸に出て尾形乾山に師事しています。
松も琳派風で、こんもりしています。

「雪中老松図」 円山応挙筆 江戸時代・明和2年(1765)
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絹地の白を残して雪を表す、応挙の得意とした技法によっています。
この技法による代表作、「雪松図屏風」が三井記念美術館で1月30日まで開かれている
「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」展に展示されています。

「国宝 雪松図と明治天皇への献茶」展の記事です。

「松梅孤鶴図」 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀
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京都・大雲院に伝わる、陳伯冲の「松上双鶴図」を基にしているということですが、
斬新な造形はさすが若冲です。

「富士山図」 英一蝶筆 江戸時代・18世紀
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薩埵峠から見た富士山で、槍持ちを従えた武士の一行が山道を行く、
のどかな風景です。

「漁村富士図」 東東洋筆 江戸時代・天保5年(1834)
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白梅の咲く春の景色で、釣り竿や櫂が見えるので漁村と分かります。
親しみやすく柔らかな描きぶりです。
東東洋(あずまとうよう、1755-1839)は江戸で狩野派を学んだ後、京都に行き、
円山応挙の影響を受けています。
晩年は故郷に戻り、仙台藩御用絵師も努めています。

「羽根突き図」 礒田湖龍斎筆 江戸時代・18世紀
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礒田湖龍斎(1735‐90?)の晩年の肉筆浮世絵です。
門松や注連縄が飾られ、娘さんは孔雀模様の豪華な振袖を着ています。

「名所江戸百景・両ごく回向院元柳橋」 歌川広重筆 江戸時代・安政4年(1857)
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両国回向院では勧進相撲が行なわれ、現在の大相撲の元となっています。
相撲櫓には、竹竿の先に御幣を付けて天下泰平や興行中の晴天を祈る
出し幣(だしっぺい)が掲げられています。
遠くに雪をいただいた富士山も見える、高く広々とした眺めです。

「大井戸茶碗 佐野井戸」 朝鮮時代・16世紀
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井戸のように深い茶碗という意味のようで、枇杷色と呼ばれる色の釉、高い高台、
高台辺りの梅花皮(かいらぎ)と呼ばれる釉薬の縮れなどが特徴です。
大井戸は井戸茶碗の中の大振りな茶碗のことで、この茶碗もかなり大きく、
佐野というのは所有者の名前のようです。

「褐釉耳付水指」 高取 江戸時代・17世紀 個人蔵
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高取焼は朝鮮出兵の時、黒田長政が連れ帰った陶工、八山の始めた窯です。
胴を大きく凹ませて、ひょうげた味を出しています。

「色絵椿松竹梅文透入重蓋物」 京焼 江戸時代・18世紀
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三段重ねの緻密な透かし彫りの蓋物で、蓋には椿の花と葉を彫り出し、
外側には松と竹を、各段の底には松竹梅を描いています。

「樫鳥糸肩赤威胴丸」  室町時代・15世紀 重要文化財
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大袖と杏葉の付いた胴丸で、樫鳥糸は紺糸と紅糸を混ぜた糸です。
陸奥浪岡の北畠家伝来といわれ、陸奥三春藩主秋田家に伝わっています。

「太刀 大和物(号 獅子王)」 平安時代・12世紀 重要文化財
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平家物語によれば、夜な夜な御所の上に現れて近衛天皇を悩ませた鵺(ぬえ)を
退治した源頼政に褒美として与えられた太刀とされています。
細身で優美な姿をしています。


本館特別1室・特別2室は子年にちなんで、鼠の特集です。

「金庾信墓護石拓本 子」 明治時代・19世紀(原碑=統一新羅・8~9世紀)
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金庾信(595-673)は新羅の将軍で、新羅による朝鮮統一を果たしています。
墳墓を囲む12個の石に彫られている擬人化された十二支の一つです。

「隼人石像碑拓本」 江戸時代・19世紀(原碑=奈良時代・8世紀)
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聖武天皇の皇太子だった基王(727-728)の墓の周囲に置かれた
4個の石の一つに彫られています。
「北」の文字も見え、十二支の「子」は方角では北を表します。
金庾信墓護石が着衣なのに対して、こちらは裸です。
墓を守るように置かれていることから、宮城を守る武人である隼人に
ちなんで隼人石と付けられたと思われます。

「鼠草紙」 筆者不詳 江戸時代・18世紀
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四条堀川に住む鼠の権頭(ごんのかみ)は、子孫が畜生道に堕ちることを
恐れて清水寺に祈願して美しい姫君と結ばれるものの、清水寺にお礼参りに
行っている隙に正体が露見してしまい、世をはかなんで出家するという
お話です。
権頭が出家する最後の場面が展示されていて、権頭は子阿弥(ねんあみ)となり、
二百歳を超える猫の御坊と出会って、ともに高野山に上り、仏道修行に励みます。
猫と鼠が一緒に修行するというのも面白い話です。

サントリー美術館は同じ題材の「鼠草子絵巻」(室町~桃山時代・16世紀)を
所蔵しています。
2017年にサントリー美術館で開かれた「おもしろびじゅつ ワンダーランド2017」展には
「鼠草子絵巻」も展示されていました。

「おもしろびじゅつ ワンダーランド2017」展の記事です。

「十二支図」 渡辺南岳筆 江戸時代・18世紀
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渡辺南岳(1767-1813)は円山応挙の高弟で、江戸に円山派を広めています。
動きのある表現で、鼠も虎の足元に小さく描かれています。

「鼠、猫と遊ぶ娘と子供」 鈴木春信筆 江戸時代・18世紀
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子供が懐に入れているペットの鼠を猫が狙っています。

「鼠よけの猫」 歌川国芳筆 江戸時代・19世紀
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家の中に張っておくと鼠が出て来なくなると書いてあり、鼠除けに使われていたそうです。
歌川国芳は猫好きで、跳び付こうとする猫を上手く描いています。

「鼠志野鶺鴒文鉢」 美濃 安土桃山~江戸時代・16~17世紀
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美濃焼のうち、鬼板(近くで採れる鉄顔料)を掛け、文様を掻き落として
白釉を掛けたものを鼠志野といいます。
鼠色に焼けるので、この名があります。
塗鬼板の掛け残った白く残った部分を川の岩に見立て、掻き落としで
鶺鴒(セキレイ)を描き足すという、遊び心のある意匠です。

「染付大根鼠図大皿」 伊万里 江戸時代・19世紀
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鼠は大黒様の使いとされており、シロネズミは大黒鼠と呼ばれています。
大黒鼠と大根喰う鼠の語呂合わせを楽しんだ図柄です。
鼠は子孫繁栄、二股大根は夫婦和合の象徴でもあります。

「袱紗 紺繻子地鼠大根米俵模様」 江戸時代・18~19世紀
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大きな袱紗(ふくさ)で、大皿と同じ絵柄です。

「艶姿七福神・大黒」 鳥居清満筆 江戸時代・18世紀
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遊女が三味線の撥で鼠を遊ばせているところで、米俵と大きな袋をあしらった着物は
大黒様を表しています。
鳥居清満(1735-1785)は鳥居派3代目の浮世絵師です。

あまり好かれていない鼠ですが、可愛いところもあって、いろいろな題材に
使われているようです。

展覧会のHPです。

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【2020/01/04 17:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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