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お茶の水、本郷の病院の歴史
お茶の水・本郷
chariot

今は新型コロナウイルスに対して、各病院が奮闘中でもあり、お茶の水、本郷の
3つの大学病院について書いてみます。

お茶の水にある順天堂大学医学部附属順天堂医院は順天堂の第2代堂主、
佐藤尚中(1827-1882)が明治6年(1873)に下谷練塀町に医院を開いた
ことに始まります。
明治8年(1875)に現在地に移転しました。

じIMG_0051


病院1階のホールには「順天堂」の額が置かれています。
天保14年(1843)、佐藤泰然(1804-1872)が佐倉に医院兼蘭学塾の順天堂を
開いた時に、「順天堂」と命名した姫路藩医山田安朴の揮毫したものです。

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戊辰戦争で、新政府軍の奥羽追討出張病院(野戦治療所)に掲げられた旗です。

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赤い旗は順天堂第3代堂主の佐藤進(1845-1921)が頭取を務めた白河口の
治療所の旗です。
白河口の戦いは新政府軍と奥羽越列藩同盟軍による白河小峰城の争奪戦です。

白い旗は順天堂で佐藤泰然に学んだ関寛斎(1830-1912)が頭取を務めた平潟口の
治療所の旗です。
平潟口の戦いは新政府軍の常陸国平潟への上陸に続く戦いです。

戊辰戦争での旧幕府軍の病院を指揮したのは順天堂の創設者、佐藤泰然の子、
松本良順(1832-1907)です。
松本良順は14代将軍、徳川家茂の侍医を努め、後に初代陸軍軍医総監となっています。

森林太郎(鴎外)も陸軍軍医総監を努めており、その後任が藤田嗣治の父、
藤田嗣章です。
パリの画壇で活躍していた藤田嗣治が第二次世界大戦の勃発により日本に戻り、
陸軍美術協会理事長に就任して、戦争画の制作に没頭したのは、父が陸軍軍医総監
だったことによる使命感もあったためとされています。

藤田嗣治 「サイパン島同胞臣節を全うす」 1945年 東京国立近代美術館(無期限貸与)
藤田002


順天堂医院の隣の東京医科歯科大学医学部附属病院は1928年に一ツ橋に
設立された東京高等歯科医学校が1930年に東京女子高等師範学校の跡地に
移転されたものです。
現在は正面に特別なテントが設置されています。

左が東京医科歯科大学、右が湯島聖堂です。

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附属病院前には2019年に「近代教育発祥の地」の碑が置かれました。

ニIMG_0047


東京大学総合研究博物館小石川分館は元は1876年に本郷に建てられた
東京医学校の建物で、現存している東京大学で一番古い建築です。
後に小石川植物園に移築され、今は博物館として利用されています。
明治初期の擬洋風建築で、昔は塔に時計が付いていました。

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東京大学医学部と附属病院は蘭方医たちによって1858年に神田お玉ヶ池に
種痘所を設置したことに始まります。
その後、西洋医学所、医学所と改称され、明治4年(1971)には大学東校となります。
さらに何度か改称の後、東京医学校となり、明治9年(1976)に旧加賀前田藩上屋敷の
跡地である本郷の現在地に移転しています。

本郷の東京大学医学部の建物です。

医学部


医学部附属病院です。

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2014年に国立科学博物館で、江戸時代の医療を解説する「医は仁術」展が開かれました。
江戸時代の日本の医療従事者の熱意、工夫の伝わる、大変印象深い展覧会でした。

「医は仁術」展の記事です。

「腑分」 前田青邨 1970年 山種美術館
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江戸時代の腑分(ふわけ、解剖のこと)の場面です。
腑分をする者を中心に、蘭書を手に見入る者、おそるおそる覗く者、
合掌する者など、さまざまな様子が描かれています。
抑えた色彩によって、静かな興奮を表しています。


司馬遼太郎の「胡蝶の夢」は幕末維新期の蘭方医の活躍を著したものですが、
彼らから見れば、現在のお茶の水、本郷に並ぶ大病院の様は夢のようでもあり、
当時の医療への努力を現在から見れば、夢を見ているようでもあります。

右は東京医科歯科大学病院、その左3つは順天堂医院です。

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【2020/05/01 19:21】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
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