FC2ブログ
私の「源氏物語展」
源氏物語
chariot

源氏物語についての作品を集めてみました。

「雪月花」 上村松園 1937年 宮内庁三の丸尚蔵館
皇10-8-2009_003

貞明皇后(大正天皇の皇后)の用命を受けてから完成まで21年かかった作品です。
「雪」「月」「花」を題材にした三幅対です。

「月」は、源氏物語に因んでいるとのことですが、紫式部が石山寺の月を眺めて、
源氏物語の着想を得たという場面でしょうか。
古典007


源氏物語第3帖 空蝉
「源氏物語図屏風」 狩野探幽 寛永19年(1642) 宮内庁三の丸尚蔵館
皇室11-19-2009_005

源氏物語の各段の場面を、六曲一双の屏風の、金地の雲の間に並べています。
源氏が思いを寄せる空蝉が軒端萩と碁を打っています。

第5帖 若紫
「源氏物語画帖 若紫」 伝土佐光起 江戸時代 根津美術館蔵
名017

源氏が紫の上を初めて見る有名な垣間見の場面です。
のどかな春の景色の中を雀が逃げて行きます。

「源氏物語図屏風」 伝岩佐又兵衛 江戸時代 大和文華館
「若紫」
岩佐1_2

第7帖 紅葉の賀
「舞楽蒔絵棚」 象彦(八代西村彦兵衛)製 
昭和3(1928)年 宮内庁三の丸尚蔵館

象003

光源氏と頭中将が清涼殿の前庭で青海波を舞う、紅葉の賀の
場面が描かれています。
二人の舞う舞台から前庭、清涼殿の階へと、広い空間性を感じます。

第8帖 花宴
「源氏物語図屏風」 右隻(部分) 伝 土佐光吉 桃山時代 出光美術館
源005

源氏と朧月夜の君の出会いの場面です。
朧月夜の君は後で源氏と取り交わす扇を持っています。
宮中の桜の宴での出来事なので、満開の山桜が描き添えられています。

  てりもせす曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしく物そなき  大江千里

花宴
「源氏物語図屏風(右隻部分)」 岩佐勝友 江戸時代 出光美術館
岩佐3

岩佐勝友は岩佐又兵衛の弟子で、又兵衛の画風はその工房や弟子たちに
受け継がれています。

第9帖 葵
上村松園 「焔」 大正7年(1918) 絹本着色 東京国立博物館
上009

上村松園の代表作で、謡曲「葵上」の、光源氏の正妻、葵上に嫉妬する
六条御息所の生霊の姿です。
源氏物語の世界ですが、桃山時代の風俗で描かれています。
長い髪は煙るように流れ、裾はぼかされています。
細身の体に沿う長い藤の花と、怨念を表すかのような蜘蛛の巣の柄の小袖を
片袖脱ぎにして、物狂いの様を示しています。

第10帖 賢木
「源氏物語 賢木・澪標図屏風」 右隻(部分) 狩野探幽 寛文9年(1669) 出光美術館
源003

(部分)
源004

光源氏との関係を諦め、伊勢に下ろうとする六条御息所の居る野々宮を源氏が訪れています。
源氏は榊の枝を御簾から差し入れているところです。

  神垣はしるしの杉もなきものをいかにまがへて折れるさかきぞ 六条御息所

  少女子があたりと思へば榊葉の香をなつかしみとめてこそ折れ 源氏

狩野探幽は大和絵もよく学んでいて、萩薄の茂る庭の風情には趣きがあります。

賢木
「野々宮図」 岩佐又兵衛 桃山-江戸時代 出光美術館 重要美術品
岩佐0_1

源氏物語、「賢木」の、光源氏が野々宮に居る六条御息所を訪ねる場面で、
黒木の鳥居の下で童子と共に佇んでいます。
墨絵で描かれた二人は、岩佐又兵衛の特徴の下膨れの顔で、存在感があり、
いわゆる大和絵の穏やかさとは異なる印象です。
衣装の文様も細かく描きこまれ、唇には薄く紅が差してあります。

第12帖 須磨
「和漢故事説話図 須磨」 岩佐又兵衛 江戸時代 福井県立美術館
岩佐0

中国と日本の故事説話や物語をそれぞれ12図描いた巻物で、元は岡山藩池田家に
伝来していました。
現在は1図ごとに切断され、掛軸になっています。
源氏物語の「須磨」で、朧月夜との関係が露見して、自ら須磨に籠ることになる
光源氏が浜辺で禊をしていると大嵐となり、主従は館に逃げ帰ります。
降りつける雨、ゆらぐ木々、そして大きく歪んだ垣根が嵐の凄まじさを表しています。
雅びな風情の源氏絵とはかなり異なる、迫力のある場面です。

第14帖 澪標
「住吉詣」 松岡映丘 大正2年(1913) 絹本着色 東京藝術大学大学美術館
皇室img357 (3)

部分
皇室img357 (1)

部分
皇室img357 (4)

源氏物語の「澪標」で、罪を赦され、都に戻った源氏は住吉神社に詣でます。
行列を整えて住吉詣をする光源氏の一行と、それを舟から眺めやる明石の君です。
大和絵でよく描かれる画題で、人物の中には法然上人絵伝に描かれて
いたような人物もいて、絵巻物などをよく研究していることが分かります。
30歳前半の作で、第7回文展に出品され、宮内省買上げとなっています。

第17帖 絵合 ・ 第24帖 胡蝶
「源氏物語絵合・胡蝶図屏風」 狩野晴川院〈養信〉 江戸時代・19世紀 東京国立博物館
右隻に源氏物語の「絵合」帖、左隻に「胡蝶」帖を描いています。

右隻 絵合
はIMG_0053

はIMG_0059

冷泉帝の御前で、光源氏と権中納言(頭中将)が左右に分かれて、
持ち寄った絵の優劣を競っています。
源氏が最後に見せた、須磨の風景を描いた絵日記によって源氏方の勝ちとなります。

左隻 胡蝶
はIMG_0055

はIMG_0057

花の盛りのころの遊びの模様で、女童が蝶の衣装を着て、山吹の花を活けた
金の花瓶を持っています。

第20帖 朝顔
西村重長 「げんじ五十四まいのうち 第二十番 朝顔」 享保後期 1730年頃
浮0120

漆絵です。
源氏物語の「朝顔」の場面で、源氏と紫の上が語らい、庭では童女たちが
雪だるまを作っています。

第23帖 初音
「源氏物語図色紙 初音」 土佐光吉 江戸時代初期 細見美術館
細007

新春に光源氏が明石の君を訪ねる場面です。
吹抜屋台に金雲をあしらい、満開の庭の梅を添えています。

「初音蒔絵貝桶」 千代姫所用 江戸時代 寛永16年(1639) 国宝
尾張006

国宝の「初音の調度」の中の一対です。
「初音の調度」は3代将軍徳川家光の娘の千代姫が尾張家2代光友に
嫁した時の道具類です。
源氏物語の「初音」の帖にある歌を芦手書きにしています。
芦手書きは絵の中に文字を忍ばせておく装飾技法です。
明石の上が娘の明石の姫君に送った歌です。

 年月を松にひかれてふる人に今日鴬の初音きかせよ

第31帖 眞木柱
「源氏物語絵色紙帖 眞木柱」 土佐光吉 江戸時代 東京藝術大学大学美術館
香004
 
玉鬘の許へいそいそと通う髭黒大将に嫉妬した妻が香炉の灰を浴びせるという、
いささか雅ではない場面です。
作品では妻が手に香炉を持っているところです。
香炉は衣装に香りを薫きしめるため、よく使われています。

第33帖 藤裏葉
「源氏物語絵巻」 五巻のうち第三巻 霊元天皇ほか詞 住吉具慶画 
 江戸時代 MIHO MUSEUM

寛永img165 (1)

六条院行幸での鵜飼です。
仙台伊達家の旧蔵で、画面はすっきりとしており、人物の表情も活きています。

第34帖 若菜
「源氏物語図屏風(若菜上)」 伝土佐光則筆 江戸時代 個人蔵
はIMG_0805

部分
はIMG_0808

源氏物語第34帖で、六条院の庭で柏木たちが蹴鞠に興じていると、猫が飛び出した
拍子に御簾が開き、そこに立っていた女三宮を柏木が見てしまう場面です。

「源氏物語図屏風」 住吉具慶 江戸時代 根津美術館
右隻
若菜巻上で、光源氏40歳の祝賀の場面です。

物語009

物語017

左上が源氏です。

左隻
若菜巻下で、源氏や紫の上、明石の君の一行が住吉詣でをしています。

物語010

物語018


第35帖 柏木
「源氏物語絵巻 柏木(三)」 平安時代 12世紀 徳川美術館 国宝
尾張002

正妻の女三宮の産んだ不義の子、薫を抱く光源氏です。
源氏物語絵巻の中でも最も印象の深い場面で、光源氏の大きく傾いた姿に
源氏の苦悩と悲しみが表れています。
人物は画面左に片寄せられ、緊迫感を増しています。

第38帖 夕霧
平安時代の手紙 逓信総合博物館
テ0560

源氏物語の中の光源氏の子、夕霧に届いた手紙を奪い取ろうとする
妻の雲居の雁です。
五島美術館所蔵の源氏物語絵巻にもこの場面が描かれています。

第47帖 総角
「源氏物語総角図屏風」 伝岩佐又兵衛 江戸時代・17世紀 細見美術館
岩佐1

源氏物語、「総角(あげまき)」の、匂宮たちが宇治川で舟遊びを催し、その模様を宇治に隠れ住む
姫君たちが見ているところです。
岩佐又兵衛は一つの画面に物語の一場面を描くことが多く、観る人をその物語に
集中させる効果を狙っているということです。

第51帖 浮舟
「源氏物語図」(部分) 六曲一双 岩佐勝友 江戸時代 出光美術館
屏風6-18-2010_005

源氏物語54帖の各場面を右隻、左隻に27帖づつ並べた屏風です。
場面を分ける金箔の雲にも卍型の模様が浮き出ていて、とても豪華です。
これは宇治十帖のうち、浮舟の段で、匂宮が浮舟を連れ出して小舟で宇治川を
渡っているところです。
雪の日の宇治川に浮かぶ小舟の情景は、ロマンチックで絵画的です。

「ベージュ木綿麻地源氏香模様浴衣」 十代目山口源兵衛 平成30年(2018) 個人蔵
ゆIMG_0383

香道で用いられる、源氏物語にちなんだ印の源氏香をあしらっています。
2019年に泉屋博古館分館で開かれた、「ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、
いまむかし」展に展示されていました。

関連記事

【2020/04/28 19:41】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/4122-19d669d5

プロフィール

chariot

Author:chariot
美術館・博物館めぐりとカフェの記事を書いています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |