FC2ブログ
私の「伊藤若冲展」 その2
伊藤若冲
chariot

私の「伊藤若冲展」その2です。

「旭日鳳凰図」 伊藤若冲 宝暦5年(1755) 宮内庁三の丸尚蔵館
奇想img528 (2)

部分
奇想img564 (3)

有名な「動植綵絵」を描き始める2年前の作品で、濃密な描き振りに圧倒されます。

「動植綵絵」 伊藤若冲 30幅 宝暦7年(1757)頃 宮内庁三の丸尚蔵館

若冲が京都の相国寺に釈迦三尊像と共に寄進したもので、明治時代に
皇室に献上されています。
どの絵も細密さを極めた描き方で、若冲の代表作となっています。
「動植綵絵」全30幅は2009年に東京国立博物館で開かれた、「皇室の名宝
―日本美の華」展に展示され、大きな評判になりました。
またいつか30幅揃った展示を観たいものです。

「動植綵絵」のうち(向日葵雄鶏図)
皇10-10-2009_001

咲き誇るヒマワリと、若冲の得意とする、逆三角形をした雄鶏の雄姿です。
裏彩色という、紙の裏側にも色を塗って表から観た色彩に変化を付ける
という技も使っているそうで、向日葵の花芯などにも見られるとのことです。
その凝りようには驚くばかりです。

「動植綵絵」のうち(老松白鳳図)
皇10-8-2009_004

輝く白の羽毛と伸び広がった尾、その先のハート型の模様と、
想像のおもむくままに描いています。
手塚治虫の「火の鳥」は、この絵を参考にしたのでしょうか。

「動植綵絵」のうち(紅葉小禽図)
皇10-10-2009_002

枝が斜めに画面を分割する、面白い構図です。
自然では見かけない、丸い輪になった枝が画面に変化を付けています。

「象と鯨図屏風」 伊藤若冲 寛政9年(1797) 滋賀、MIHO MUSEUM
奇想img555 (2)

右隻
若003

左隻
若005

北陸の旧家にあった屏風で、龍虎図になぞらえ、黒と白を対照にした図柄です。
多くの釈迦涅槃図には、釈迦の死を嘆き悲しむ動物たちの中に鼻を上げて
泣き叫ぶ象の姿があり、若冲はその形を借りて、耳の丸い、ちょっと夢幻的で
可愛い姿の象にしています。
鯨は潮を吹く背中だけを見せて、水に隠れた巨体を想像させています。
波の重なりもリズミカルです。

「果蔬涅槃図」 伊藤若冲 京都国立博物館
若冲001

釈迦涅槃図に見立てた絵で、墨の濃淡を巧く使って、籠の上の大根と周りを囲む
野菜たちを描いています。
若冲は青物問屋の子だったので、野菜は馴染み深い素材だったのでしょう。

「寒山拾得図」 伊藤若冲 個人蔵
若002

寒山拾得は禅画によく描かれる題材です。
寒山は花の咲いたような愛らしい微笑みを浮かべています。

「仔犬に箒図」 伊藤若冲 山種美術館
 若003

部分
若004

可愛い仔犬は俵屋宗達や円山応挙も描いています。

「猿猴摘桃図」 伊藤若冲筆・伯珣照浩賛 個人蔵
若004

猿が手をつないで水に映った月を取ろうとする、猿猴捉月図と同じ趣向です。
親子の猿が、食べると不老不死になるという蟠桃を取ろうとしているところで、
猿の腕と木の枝に囲まれたところに賛が書かれています。
長谷川等伯の猿猴捉月図はテナガザルですが、こちらはニホンザルです。

「付喪神図(つくもがみず)」 伊藤若冲 福岡市博物館
妖怪1_1

妖怪2_1

付喪神とは、長く使われてきた器物に精霊が宿ったものです。
燭台、琵琶、桶、茶碗などの妖怪が、黑い背景の中にネガフィルムのように
浮かんでいます。

「乗興舟(じょうきょうしゅう)」(部分) 伊藤若冲 三井文庫
橋011

版木に紙を乗せ、墨を含んだたんぽで叩いて刷り出す、拓版画という技法に
よっています。
京都の伏見から大坂まで下る淀川の風景を墨で描いた版画絵巻です。
墨の黒によって川沿いの林、家並み、橋、などの情景がゆったりと大らかに
広がっています。
大倉集古館にも別の版が所蔵されています。

「乗興舟」(部分) 伊藤若冲  明和4年(1767) 大倉集古館
都006

「玄圃瑤華 花菖蒲・棕櫚」 伊藤若冲自画・自刻 
 江戸時代・明和5年(1768) 東京国立博物館

美を紡ぐimg818 (13)

玄圃は仙人の居所、瑤華は玉のように美しい花という意味です。
版木に紙を当て、その上から墨を打つ、拓本に似た拓版画という技法に拠っており、
版木も自ら彫っています。
草花と虫などを組合わせた48図で、写実性は動植綵絵に通じるものがあります。

「伏見人形図」 伊藤若冲 寛政11年(1779) 山種美術館
江戸絵画0

伏見人形は伏見稲荷の参詣の土産に売られていた土人形です。
若冲晩年の作で、この頃は深草の石峯寺の門前に住み、伏見人形の絵を
よく描いています。
団扇を持った布袋さんが行列していて、ざらついた触感の絵具などを使って、
人形の素材感を出しているそうです。
細密な作品を手掛けたり、このようなほのぼのとした絵を描いたり、若冲は多彩です。

私の「伊藤若冲展」その1 の記事です。

関連記事

【2020/05/19 19:21】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/4132-aca5bd27

プロフィール

chariot

Author:chariot
美術館・博物館めぐりとカフェの記事を書いています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |