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私の「鳥類図譜」

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5月10日から16日は愛鳥週間なので、私の観た鳥の作品を集めてみました。

「孔雀」 小林古径 1934年 永青文庫
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大きく羽根を広げた孔雀の姿を画面いっぱいに描いています。
緑青の鮮やかさを存分に引き出し、丸い模様の金泥も華やかです。
装飾的でありながら端正な、小林古径ならではの画風です。

「旭日鳳凰図」 伊藤若冲 宝暦5年(1755) 宮内庁三の丸尚蔵館
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有名な「動植綵絵」を描き始める2年前の作品で、濃密な描き振りに圧倒されます。

「五羽鶴」 川端龍子 制作年不詳 パナソニック(株)
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同じ方向を向く5羽のタンチョウで、リズムと力強さがあります。

「遊鶴図屏風」 六曲一双(左隻:部分) 狩野永納 江戸時代 出光美術館
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左隻には松、牡丹、真鶴の親子などが描かれています。
滝は水流となって右隻に続き、右隻には松の下につがいの丹頂がいます。
空間を大きく取り、金地を生かした端正な画面構成です。
鶴の羽毛は細密に塗り重ねられ、牡丹の葉脈の金泥も華やかさを添えています。

「白鳥」 フランク・ブラングィン 1924年以前
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印象派と同じく色彩を強調していますが、ブラングィンの作品には物語性や
装飾性があり、象徴派やアール・ヌーヴォーに近いものを感じます。

「閑鷺」 上村松篁 1977年 山種美術館
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伏見の酒蔵に裏手にあった、枝振りの気に入った柳に白鷺を配したそうです。
柳を揺らす風の中の白鷺には気品があります。

「染付白鷺文皿」 肥前 施釉磁器 江戸時代・17世紀 根津美術館
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全体にむらなく薄く塗られた顔料は水辺の景色を表し、鷺や蓮の葉は白い生地を残して
描かれています。
佐賀鍋島藩の直営窯で製作された鍋島焼です。
大名への贈答用に使われたとのことで、デザインがすっきりとモダンで、スキがありません。

「夏雨五位鷺図」 1899(明治32)年 玉堂美術館
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岩の上から鋭い目で川面をのぞき込むゴイサギです。
羊歯の葉や斜めに降り注ぐ雨も描かれ、緊張感のある引き締まった画面です。

「色絵雌雉香炉」 野々村仁清 江戸時代 17世紀 石川県立美術館 重要文化財
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渋い銀の色合いに線描きを際立たせた作品です。
華やかな色彩の国宝、「色絵雉香炉」と一対で、仁清の代表作です。

「ホホ赤トキ遊泳」 石本正 2011年
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ホオアカトキはトルコやモロッコに僅かだけ生息している、
絶滅の心配のある鳥とのことです。
勢いのある筆遣いで野鳥の生命力を表していて、風格のある作品です。

「十二の鷹」 鈴木長吉 1893年 東京国立近代美術館工芸館
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さまざまの色と姿の12羽の鷹がずらりと並び、止まり木を掴んだ姿は精悍で、
今にも飛び立ちそうです。

「名所江戸百景 深川洲崎十万坪」 歌川広重 
 安政4年(1857) 個人蔵

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舞い降りようとする鷲の視点から見た江戸湾の湿地帯の雪景色で、
遠くに筑波山が見えます。
斬新な構図の絵で、翼を翻す鷲の姿が印象的です。

「鳶・鴉図」 与謝蕪村筆 双幅 18世紀 北村美術館 重要文化財
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若冲の象と鯨に対し、こちらは鳶と鴉です。
鴉図は雪の部分を白く描き残し、鴉の黒との対比を際立たせています。
鳶図は勢いのある筆遣いで吹きすさぶ風を表し、鴉図の静に対する動を見せています。

「白象黒牛図屏風」 長沢芦雪 江戸時代・18世紀 個人蔵
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白い象と黒い牛の対比で、象には黒いカラスが止まり、牛の横には白い子犬が
座っています。
象と牛は画面に一杯に広がって、迫力とユーモアがあります。
同じ図柄の屏風はプライスコレクションなど他にもあり、評判だったようです。

「鵜舟図」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 
静嘉堂文庫美術館 重要美術品

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さらりとした筆遣いで鵜飼を描いていて、川波が重なり、
舟や鵜が対角線を成しています。

  大井川 鵜舟の篝ほの見えて くだすや波のよるぞ知らるる  亀山院

「色絵金彩鴛鴦置物」 宮川香山白磁・色絵 明治-大正時代 宋培安氏蔵
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真葛焼の宮川香山は野々村仁清似の作品もつくっています。

「鴨図」 伝 徽宗筆 南宋時代・12-13世紀 五島美術館
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北宋の徽宗皇帝筆とされる作品で、首を廻して羽繕いする鴨を描いています。
徽宗(1082-1135)は芸術を好み、絵に巧みで「猫図」や「桃鳩図」で有名ですが、
北方の金との戦いに敗れ、捕えられて、異郷で没しています。

竹内栖鳳 「鴨雛」 1937年頃 山種美術館
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暖かい春の日、黄色、白、茶色のアヒルのヒナがかたまって、にぎやかな鳴き声が
聞こえてきそうです。

「木兎」 横山大観 1926年 山種美術館
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森の中のミミズクです。
深々とした木立は墨の濃淡で表され、目にだけ色が入っています。
横山大観は動物好きだったそうで、この絵にも温かい眼差しが感じられ、
猛禽のミミズクも可愛く描かれています。

「木菟」 小林古径 1929年 大倉集古館
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紅梅の枝に止まるミミズクです。
薄墨色の中に紅梅が点々と浮かび、ミミズクの目もそれに染まったように紅く
なっています。


「シロフクロウ」 メスキータ 1927年 木版 個人蔵
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「ハリー・ポッター」にも登場するフクロウです。
面白い形に単純化されています。

「鶉図」 伝 李安忠筆 南宋時代・12-13世紀 根津美術館 国宝
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ウズラの歩くところが細密に描かれています。
右脚を上げている瞬間が捉えられていて、眼は鋭く、張りのある姿です。
赤い実を付けているのはクコの木ということで、木の葉の虫食いまで
描かれています。
6代将軍足利義教の所蔵を示す「雑華室印」が捺されています。

「秋草鶉図」 酒井抱一 江戸時代・19世紀 山種美術館 重要美術品
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薄、女郎花、露草、楓の茂る中にウズラが群れています。
薄の葉は細くリズミカルに描かれ、繊細で、デザイン感覚に満ちています。
銀の月も低く置かれ、落着いた風情と品の良い華やかさがあります。
月の黒いのは銀が酸化したのではなく、銀の上に黒を塗ってあるそうです。
ウズラは土佐派の好んだ画題で、この作品も土佐派に倣った画風です。

「群鶏図」 伊藤若冲 寛政7年(1795)頃 山種美術館
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六曲一双の屏風、十二面に雄々しい姿の鶏を貼ってあります。
まるで旗指物を立てた鎧武者のようです。

「古瓦鳩香炉」 正阿弥勝義 清水三年坂美術館
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古瓦に止まった鳩に見付かった蜘蛛が逃げようとして、下の方にわずかに
身を寄せた瞬間を捉えています。
古瓦は奈良県にある楽田寺の瓦のようで、鉄が古錆びた色を出しており、
鳩は銀製です。

「枇杷寿帯図(花鳥動物図の内)」 部分) 沈南蘋 
 清時代 乾隆15年(1750) 三井記念美術館

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所蔵する11幅の内6幅が展示されています。
ビワの枝に止まるゴクラクチョウが描かれています。
草花の描き方は緻密で、まるで植物画のようです。

「叭々鳥図」 牧谿 南宋時代 出光美術館 重要文化財
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叭々鳥(ははちょう)はムクドリ科の黒い鳥です。
輪郭線を使わない、没骨(もっこつ)という技法によって描いています。
手早い筆運びですが、鳥の姿を的確に捉えています。

「鵲」 上村淳之 2011年
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雪の積もった柿の木に止まっているカササギです。
青、赤、白の対比です。

「百舌巣」 速水御舟 1925年 山種美術館
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モズの雛を描いていて、宋画の雰囲気があり、緊張感と一種の凄味を感じます。

「教鵡」 矢崎千代二 1900年 東京藝術大学
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和服の女性がオウムに言葉を教えているところで、オウムはオウム返しをしています。
左からの柔らかな光を上手く表しています。

「朗羅」 鏑木清方 1933年 東京富士美術館
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朗羅とはローラーカナリアのことで、声を聴かせるカナリアです。
縦長の画面で、麻の葉模様の着物の若い女性がテーブルに依って
カナリアの籠を見上げています。
当時の現代風俗を描いた絵で、スタンド、赤いカーネーション、
洋髪、腕時計や指輪、スリッパに昭和を感じます。

カレル・ファブリティウス 「ごしきひわ」 1654年 マウリッツハイス美術館
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落着いた色調の小品で、声が美しいのでペットとして飼われている
ごしきひわを描いています。
五色ひわというだけあって色数の多い鳥なので、絵心の動く鳥なのでしょう。
逃げないように脚に付いている鎖も描かれていて、ちょっと見ると本物の鳥が
いるようです。

「雀の小藤太絵巻」 室町時代 サントリー美術館
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子を蛇に食べられて悲しむ雀の小藤太夫婦の許にさまざまの鳥たちが弔問に訪れ、
和歌を詠み交わします。
やがて出家した夫婦は諸国の社寺を訪れた後、庵を結んで極楽往生を遂げます。
墨染の衣を着た雀の姿がとても可愛らしく描かれています。
この絵巻でも清水寺に参詣している場面もあって、社寺巡り絵巻となっています。

「蓮燕図」 伝 牧谿筆 元時代・13世紀 三井記念美術館
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秋の頃でしょうか、燕が枯れた蓮に留まっています。
吹く風に寂しさを感じます。
松平不昧公の旧蔵で、初代嘉一郎が昭和2年(1927)に購入し、昭和7年に
売却しています。
その後、新町三井家が購入し、現在は三井記念美術館所蔵となっています。

「柳燕図」 単庵智伝筆 室町時代・16世紀 根津美術館
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揺れる柳の葉は吹く風を表し、その中を燕が舞っています。

鳥の絵は日本画などの東洋画が圧倒的に多いのは、何と言っても花鳥画の伝統でしょう。

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【2020/05/10 19:40】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんにちは。
  • 日本画は緑青の緑色や群青の青色が特徴で、これ上手く使った絵は見応えがあります。

    【2020/05/15 07:51】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 古径の緑美しいですね。
    よもや鳥の羽になるとは、、

    【2020/05/15 02:24】 url[hippopon #-] [ 編集]
    please comment















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