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私の「セザンヌ展」その2
セザンヌ
chariot

私の「セザンヌ展」その2で、風景画を集めてみました。

ポール・セザンヌ  「首吊りの家、オーヴェール=シュル=オワーズ」 
 1873年 オルセー美術館

セ005

1874年の第1回印象派展に出品された作品です。
パリに出たセザンヌは印象派の人たちと交流を始め、特に長老格のピサロと
よく郊外での写生を行なっています。
作品も印象派の明るい絵柄になっています。
オーヴェール=シュル=オワーズはパリの北郊にある町で、後にゴッホは
この地で亡くなっています。

ポール・セザンヌ 「エトワール山稜とピロン・デュ・ロワ峰」 
 1878-79年 ケルヴィングローヴ美術博物館

海運王img856 (8)

印象派の技法に飽き足らなくなり、故郷の南仏、エクス=アン=プロヴァンスに
移った頃の作品です。
ピロン・デュ・ロワ峰はエクス=アン=プロヴァンスの南にある山です。

ポール・セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山の平野、ヴァルクロからの眺め」
 1882-85年 プーシキン美術館

プーシキンimg322 (4)

セザンヌと言えば思い浮かぶサント=ヴィクトワール山がテーマとして登場してきます。
サント=ヴィクトワール山は東西に長い山稜で、エクス=アン=プロヴァンスからは
西の端が見えます。

ポール・セザンヌ 「大きな松と赤い大地(ベルヴュ)」 1885年頃 個人蔵
フ002

セザンヌの生地近くの風景です。
筆触を同じ方向に揃えて、リズムと統一感を生んでいます。
揃えた筆触はセザンヌの特徴の一つです。

「サント=ヴィクトワール山」 1886-87年 フィリップス・コレクション
セ004

この作品では、画面手前にかぶさるように樹木を描くという、浮世絵の影響を受けた
構図が見られます。
画面両脇に木を置いて区切り、松の枝と山の稜線を揃え、道路や鉄道橋の直線を
入れるなど、色々工夫しています。

ポール・セザンヌ 「大きな松のあるサント=ヴィクトワール山」
 1887年頃 コートールド美術館

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この絵でも、画面手前にかぶさるように樹木を描くという、浮世絵の影響を受けた
構図で、松の枝と山の稜線を揃えるなどの工夫をしています。
この作品は大正初期に美術雑誌で日本に紹介され、若い画家たちを刺激した
ということで、日本画家の小野竹喬もこれに倣った風景画を描いています。

ポール・セザンヌ 「サント・ヴィクトワール山」 1890年 オルセー美術館
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安定感のある堅牢な画面ですが、ある意味、頑固な感じもします。
物質の存在感を追求したセザンヌと、光の中の色彩を追う印象派とは、
かなり違うことが分かります。

ポール・セザンヌ 「水辺にて」 1890年頃 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
ワ013

油彩ですが、水彩画のようなやわらかな感じです。
セザンヌはこんな絵も描くのだと、改めて感心します。

「トロネの道とサント=ヴィクトワール山」 1896-98年 エルミタージュ美術館
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サント=ヴィクトワール山の描き方もより自由になってきます。
セザンヌ独特の、構築的筆触と呼ばれる短い規則的な筆遣いも、
勢い良くおおらかです。
青い山と空が湧き上がっています。

「サント=ヴィクトワール山」 1902年頃 プリンストン大学付属美術館
 (ヘンリーアンド・ローズ・パールマン財団より長期寄託)

セ014

色彩も水彩画のように淡く、サント=ヴィクトワール山も水色の空に溶け込んでいます。
手前の景色は思いのままに筆が走っていて、抽象画のような趣きがあります。

「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」 1904-06年頃 アーティゾン美術館
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シャトー・ノワールとは黒い城という意味で、サント=ヴィクトワール山と
このシャトー・ノワールを共に描いた絵は少なく、アーティゾン美術館の
門外不出の作品になっているそうです。

ポール・セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山」 1904-06年頃 デトロイト美術館
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サント=ヴィクトワール山を大まかなタッチで正面から捉えています。

ポール・セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め」
 1905-06年 プーシキン美術館

プーシキンimg322 (10)

1906年に亡くなったセザンヌの最晩年の作で、青、緑、オレンジの色彩が
溶け合っています。

セザンヌは印象派に加わっていましたが、色彩も形もきらきらしたところが無く、
地味で無骨です。
しかし、堅牢で揺るぎが無く、観ていて飽きが来ません。
日本でも洋画家ばかりでもなく、日本画家にも大きな影響を与えていて、
奥村土牛の作品の堅牢さを観ていると逆にセザンヌを思い出します。

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【2020/05/22 20:52】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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