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日本橋三越本店 「虹の会2009展」
三越前
chariot

日本橋三越本店で9月15日まで、「虹の会2009展」が開かれていました。

13日に、出展者によるギャラリートークがあったので行って来ました。

出展作家は以下の通りです。

洋画-池口史子、小杉小二郎、酒井信義、佐藤泰生
日本画-石踊達哉、中島千波、野村義照

今回のトークは小杉小二郎さん一人でした。
他の方々は来られる予定だったのに、現われなかったようで、
小杉さん一人で奮闘されていました。
トークと、質問への答えは以下の通りです。

「虹の会」は、気の合った仲間の集まり。
個展ばかりだと、自分の力が分からなくなるが、グループ展は
良い勉強になり、製作の励みになる。
皆、今も画学生の頃の心のままでいる。
中島千波はクレバーな男だが、中身は純粋、佐藤泰生はいつも
スケッチブックを持って動き回っている。

私は1970年から40年、パリに居た。
独りで居たので、だんだん絵が暗くなってきて、これではいけないと、
日本に帰ってきた。
水に写った風景が好き。
いわゆる観光名所は描かない。
全体的に描いていくのではなく、描きたい所から始め、端から描いていって、
ジグソーパズルを解いていくようにする。
私の師だった岡鹿之助先生もこの手法だった。
先生のような点描だと、これで失敗すると大変だが、自分の場合は
塗り直せば済む。
良い絵が描けるためには、努力は1割だけ、9割は運と才能。

パリの石造りの街並み、乾燥した空気、そして日本からの余計な
情報の無さが油絵を描くのにふさわしい環境。
パリに長く居ると、だれもが日本で描くのに苦労する。
こんなに苦労するのなら、最初からパリに行くのじゃなかったと嘆く人もいる。
帰って来ると、長崎、小樽、尾道といった、ヨーロッパの雰囲気のある町を
描く人も多い。
フランスの下町に似た、上野や浅草の景色から入る人もいる。

洋画も日本画も精神は一緒ではある。
高山辰雄先生に、洋画も日本画も一緒ですよね、と言って怒られたことがある。
先生は深いところで考えておられたのだろう。
日本画の岩絵具は美しい。
洋画は縦方向に攻め込むが、日本画は水平方向に攻めて、上から下へと
下りていく。」

縦方向、水平方向の話を自分流に解釈すると、教会の壁画や祭壇画から
始まった洋画は、下から見上げるので、絵も縦方向を意識して構築的になるが、
日本画は、手元において眺める絵巻物のように、水平方向を意識する、
ということでしょうか。

パリと日本、洋画と日本画の違いなど、とても面白いギャラリートークを
聴くことが出来ました。

出展された作品について、簡単に書いてみます。

池口史子(1943~) 「リキュールショップ」 10号
北米のどこか田舎町でしょうか、街角の酒屋が、池口史子独特の
黄色っぽい色彩でくっきりと描かれています。
窓の中にも、通りにも人影は無く、立木がざわめいているだけです。
からりと乾いて、どこか寂しい世界です。

小杉小二郎(1944~) 「チュルリー公園暮色」 20号
夕暮れの公園の広場で、3組の男女がワルツか何かを踊っているのが
小さく描かれています。
周りには、それを見つめるように彫像が何体か立っていて、他には
誰もいません。
空には雲が2つ浮かんでいて、遠くにはエッフェル塔が見えます。
ルソーのような、キリコのような不思議な空間で、何とも言えない
懐かしさがあります。

酒井信義(1944~) 「野の花」 20号 
灰色の壷に活けた、赤い花です。
花の形もおぼろげで、爆発したかのように赤い色が広がり、オレンジ色の
背景と半ば溶け合っています。

佐藤泰生(1945~) 「ヴェニス旭日」 20号
マティスのような大づかみな筆遣いで、活き活きとした風景です。
海には薄緑、ピンク、白が混じりあい、ゴンドラは紺色の一筆描きのような
描き方です。
空も緑とピンクの横縞です。
現在、日本経済新聞に連載中の高樹のぶ子の小説の挿絵を描いています。
高樹さんのblogには、「マティス+デュフィ+シャガール=佐藤泰生」と
ありました。

石踊達哉(1945~) 「千羽鶴」 20号
黒地に金線が大きくうねる青海波模様の上を、7羽の鶴が一列になって、
横切って行きます。
色は、白、黒、赤、金の4色だけで、すっきりと洗練された画面です。
石踊達哉の作品は細密で、とても装飾的です。

中島千波(1945~) 「雛罌粟の花ざかり」 30号
群青色を背景に、クラシックな高杯からあふれるように、白、ピンク、黄、
オレンジの大きな雛罌粟(ポピー)が咲き乱れています。
テーブルには、犬や羊のような動物が置いてあり、右側には気球が
浮かび、おもちゃ箱のような賑やかさで、童話の味わいがあります。

野村義照(1945~) 「洛北」 20号
山を背にした寺院の建物です。
すべて緑色で、濃淡と色合いの違いで描き分けています。
落ち着いた静けさがあります。

展覧会とは関係ないですが、モミジの種の写真です。
葉の先端についていて、プロペラの形をして、色は紅色です。

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【2009/09/28 00:25】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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