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国立西洋美術館 フランク・ブラングィン展
上野
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上野の国立西洋美術館では5月30日まで、開館50周年記念事業として、
「フランク・ブラングィン展」が開かれています。

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フランク・ブラングィン(1867~1956)はベルギー生まれで、イギリスで
活躍した画家、版画家、デザイナーで、松方幸次郎がおもに1920年代を
中心に松方コレクションを収集する際にも協力したとのことです。
松方コレクションを日本で展示する予定だった「共楽美術館」の
建築デザインも行なっています。
国立西洋美術館は松方コレクションを元に設立されています。


「海の葬送」 1890年

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20歳台の作品で、フランスのサロンに入選したとのことです。
フランク・ブラングィンは船乗りの経験もあり、海を題材にした作品を
多く描いています。
この頃はまだ地味な色彩です。


「海賊バカニーア」 1892年

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アフリカやスペインなどの南国を旅行して、強い太陽の下の明るい色彩に驚き、
以後、画風が変わったとのことです。

大きな作品で、濃い青の海、真赤な旗という、強烈な色彩が印象的です。
腕に絞首台の刺青をした男もいる荒くれ者たちの描写には、生き生きとした
躍動感があります。
発表当時、あまりの色彩の強さに評価が賛否分かれたものの、大変な評判で、
展示してある場所の絨毯が擦り切れたそうです。

舟の上の人物という構図、青と赤の対比などは和田三造の「南風」を
思い出しますが、和田三造はこの絵を知っていたのでしょうか。


「りんご搾り」 1902年

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「白鳥」 1924年以前

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印象派と同じく色彩を強調していますが、ブラングィンの作品には物語性や
装飾性があり、象徴派やアール・ヌーヴォーに近いものを感じます。


「グラフトン・ギャラリーズでのアール・ヌーヴォー展ポスター」 1899年

フ3-17-2010_007

太い描線を使って、簡潔にまとめています。
ブラングィンはアーツ・アンド・クラフツ運動の創始者、ウィリアム・モリスの
工房で働いていたこともあるそうです。
その関係で、ポスターやカーペット、家具、食器、さらに建築デザインを
手掛けるようになったとのことです。
ロイヤル・ドルトン社の食器のデザインも手がけています。

ブラングィンの絵画に装飾性が強いのは、彼のデザイナーとしての一面が
出ているのでしょうか。


「若者の功名心」 1917年

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ブラングィンは版画も多く描いています。
建築物や造船所の様子がよく題材に選ばれています。

港に佇む若者の向こうには、軍艦のシルエットが浮かんでいます。
船員だった自分の若い頃を思い出しての作品でしょうか。


「背後に別館を配した美術館の俯瞰図」 1918年

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松方コレクションを日本で展示する予定だった「共楽美術館」の予想図です。
残念なことに、その後の経済恐慌で美術館は実現することは無かったそうです。


「松方幸次郎の肖像」 1916年

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親交の深かった松方幸次郎を描いています。
数時間で描き上げたそうですが、本人の雰囲気を上手く出しています。


私はフランク・ブラングィンについては何も予備知識が無かったので、
白紙の状態で観ることになりましたが、これほど多彩な活動をしていたとは
思いませんでした。

美術館前のブールデルのヘラクラスは、太陽に向って弓を引いています。

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【2010/03/19 07:10】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(2) |
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  • ginasoさん、こんにちは。
  • 「海賊バカニーア」は、強い色彩とともに、波のうねり、風を受ける赤い旗など、躍動感にあふれ、それまでの地味な絵に比べると、かなり違った感じがします。

    ginasoさんはいつも物語性のある作品を紹介してくださいますが、この絵もドラマチックで印象深いですね。

    こういう画家のいることを知ったのは収獲でした。

    【2010/03/20 09:17】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • こんにちは。
    ブラングィンという画家を初めて知りました。
    「海賊バカニーア」の色や躍動感は強烈ですね…すごくひきつけられます。
    他の作品も、同じ画家の作品だといわれなければ、私は分からないです。
    いろいろな絵を描いて(仕事をして)いるのですね。
    とても興味を持ちました。

    【2010/03/19 22:05】 url[ginaso #-] [ 編集]
    please comment















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    blog_name=【弐代目・青い日記帳 】 ♥   「共楽美術館」
     
    国立西洋美術館で開催中の「フランク・ブラングィン展」(伝説の英国人画家 松方コレクション誕生の物語)会場内に「もうひとつの美術館」が現出! その美術館の名前は「共楽美術館」 現在の西洋美術館の基礎となっている松方コレクション。1910年代後半から20年代
    【2010/03/20 10:13】

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