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東京国立博物館 「細川家の至宝-珠玉の永青文庫コレクション-」展
上野
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上野の東京国立博物館では、特別展「細川家の至宝-珠玉の永青文庫
コレクション-」が開かれています。
会期は6月6日までです。

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細川家に伝わる文化財の管理のため、第16代細川護立によって1950年に
設立された永青文庫の所蔵品を展示しています。

展示は「第I部 武家の伝統」と「第II部 美へのまなざし」で構成されています。

第I部 武家の伝統

大名としての細川家の歴史を伝える展示です。
足利家を元とする細川家は、細川藤孝が織田信長に仕えて以来、戦国時代を
生き抜き、江戸時代は肥後熊本の大名として続きます。
展示にはありませんが、吉良邸討入り後に預かった赤穂浪士を手厚く遇した
ことでも知られています。

30番 「細川藤孝(幽斎)像」 慶長17年(1612年)
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近世細川家初代となる細川幽斎の、団扇を持ってくつろいだ姿です。
古今伝授を伝えたほどの教養人ですが、大変な腕力の持ち主で、暴れる牛の角を
掴んで投げ飛ばしたことがあると、自身で語っているほどです。

47番 「織田信長自筆感状(与一郎宛)」 天正5年(1577年) 重要文化財
織田信長が幽斎の子、細川忠興の武功に対し与えた、自筆の感状です。
感状(賞賛の文書)をもらうことは武士にとって大変な名誉で、御加増
(給与増額)の元にもなります。
「良く出来ました。これからも頑張りましょう」と書いてあります。

39番 「明智光秀覚書」 天承10年(1582年)
本能寺の変の後、自分の娘(細川ガラシャ)が嫁いでいる細川家が
味方しないと知って、慌てた明智光秀が書いた手紙です。
領地をあげるから、ともかく味方してくれという、悲痛な要請です。

59番 「九曜紋鐘」 安土桃山~江戸時代初期 17世紀
関ヶ原の戦いに先立ち、大阪方の人質となる前に大阪屋敷で自害した
、細川ガラシャを悼んで鋳造した鐘です。
ガラシャはキリシタンだったので、鐘の形も西洋式の朝顔形で、細川家の
九曜紋が鋳出してあります。

61番 「霜女覚書」 正保5年(1648年)
細川ガラシャの侍女だった霜女が、後に需めに応じて、ガラシャの最期の
模様を書き出したものです。
家来に命じ、長刀を使わせて自害したとあります。
キリシタンは自殺を禁じられていたので、家来に斬らせています。

14番 「黒糸威二枚胴具足」 細川忠興所用 安土桃山時代 16世紀
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関ヶ原の合戦で、細川忠興が着用した具足です。
兜に山鳥の尾の羽根飾りを立て、黒毛で錣(しころ)を覆っています。
全体に実用的で簡素な作りですが、草摺の裾の赤色が洒落ています。
細川家の具足の模範となった形です。


第II部 美へのまなざし

第16代当主、細川護立の収集した美術品を中心にした展示です。
こちらの展示も素晴らしく、これだけで展覧会を開けるほどです。

309番 「金銀錯狩猟文鏡」 河南省洛陽金村出土 
    中国戦国時代 前4~前3世紀 国宝

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鮮やかな金色の呪術的な文様の渦巻く、迫力のある鏡です。
騎乗の人物が剣をかざして、虎か豹と闘う様子も彫り込まれています。
細川ミラーと呼ばれています。

325番 「三彩宝相華文三足盤」 唐時代 7~8世紀 重要文化財
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径40cmほどの大きな器です。
綿密に描かれた緑色と褐色の釉薬は、深みのある穏やかな色合いです。

252番 「短刀」 無銘正宗(名物包丁正宗) 鎌倉時代 14世紀 国宝
正宗作の短刀です。
短刀としても短く、幅の広い特異な形から、包丁正宗の名が付いています。

256番 「刀」 金象嵌銘 光忠 光徳(花押) 生駒讃岐守所持 
    鎌倉時代 13世紀 国宝

身幅の広い、堂々とした姿の刀です。
細川護立が初めて購入した刀剣で、母親からの小遣いを前借したとのことです。
国宝級の品を買えるとは、大変なお小遣いです。

261番 「刀」 銘 濃州関住兼定作 室町時代 16世紀
262番 「歌仙拵」 江戸時代 17世紀

細川忠興の愛刀です。
忠興はとても短期な人で、この刀で三十六人の家臣を斬ったそうです。
この刀の拵も、三十六歌仙に因んで、歌仙拵と呼ばれ、拵の基本形の一つに
なっています。
とんでもない命名ですが、仕えている家臣たちも大変だったでしょう。

229番 「達磨図」 白隠慧鶴 明和4年(1767年)
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細川護立は白隠の禅画を多く集めています。
白隠の禅画は、人物の目がぎょろりとして大きいのが特徴です。
超俗的でありながら、ユーモラスで親しみやすさがあります。

249番 「花見図」 仙厓義梵 江戸時代 19世紀
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桜の下では、幕を張って飲んだり踊ったりで、盛り上がっています。
一人一人が何をしているか見ていくと面白いです。
「楽しみハ 花の下より 鼻の下」とあります。
鼻の下とは口のことで、花より団子ということです。

仙厓の禅画には俳画のような洒脱さがあります。
細川護立は仙厓の禅画も集めています。


細川護立は近代の洋画家、日本画家も支援しています。

283番 「黒き猫」 菱田春草 明治43年(1910年) 重要文化財
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朦朧体を経た後の菱田春草の、若い晩年の作品です。
黄金色の柏葉は柔らかな描線で、猫は毛のふわふわした感じまで
表しています。
上に広がる柏葉に対して、下にいる黒い猫が画面を引き締めています。
猫は黒一色ではなく、口のところが分かるように濃淡をつけてあります。
5月16日までの展示です。

297番 「髪」 小林古径 昭和6年(1931年) 重要文化財
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仏画のような端正な線描による、気品のある画面です。
少女の着物の濃い青、帯の赤、頬の薄紅色が絵を晴れやかにしています。
女性の腕の、左右を交差させた置き方は、古代エジプト絵画を参考に
しているとのことで、二人の目の線もエジプト風です。
5月9日までの展示です。

298番 「孔雀」 小林古径 昭和9年(1934年)
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大きく羽根を広げた孔雀の姿を画面いっぱいに描いています。
緑青の鮮やかさを存分に引き出し、丸い模様の金泥も華やかです。
装飾的でありながら端正な、小林古径ならではの画風です。
こちらも5月9日までの展示です。

他にも、能衣装や能面、細川忠興の茶の師だった千利休や細川藩の客分だった
宮本武蔵関係の品など、とても見所の多い展覧会です。

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【2010/04/29 10:07】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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