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「誕生! 中国文明」展 東京国立博物館
上野
chariot

東京国立博物館平成館で開かれている「誕生! 中国文明」展に行ってきました。
期間は9月5日までです。
その後、九州国立博物館、奈良国立博物館を巡回します。

中7-11-2010_001


河南省の出土品による展示で、河南省は黄河の南側の中流域にあり、中国最初の
王朝とも言われる夏や商(殷)、後漢、魏、北宋などの王朝の中心地だった
ところです。

紀元前20世紀から紀元後12世紀にかけての、きわめて長い期間の中で作られた品々、
約150点が展示されています。

展示品は、第1部「王朝の誕生」、第2部「技の誕生」、第3部「美の誕生」の
3つのグループに分けられています。

第1部「王朝の誕生」は、玉器や青銅器などの、王権を表す品々の展示です。

「動物紋飾板」 夏 前17~前16世紀 長166.5cm
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青銅の板にトルコ石をはめ込んで、動物を上から見た形を作っています。
権威の象徴として使われた物のようです。
すでに様式的で左右対称の中国的な雰囲気があります。

「九鼎」 春秋時代 鄭国 前7~前6世紀
鄭国の王の作ったという、大きな鼎が9つ並んでいます。
9つの鼎は周の王のみが使っていたところ、周王朝の衰えとともに、
諸侯も使い出したとのことです。
ずらりと鼎の並んだ様は壮観です。

「編鐘」 春秋時代 許国 前6世紀
14個の大きさの違う鐘です。
これを叩いて音楽を奏するもので、3オクターブの音域があるとのことです。


第2部「技の誕生」は、金銀製品や陶磁器などの工芸品です。

「池」 漢 前1~後2世紀 長25cm
7-11-2010_006.jpg

青銅の四角い盤を池に見立て、中に雁のような水鳥を2羽、欄干にも水鳥を
8羽並べています。
池の中にはナマズなど魚まで3匹います。

「七層楼閣」 後漢 1世紀  高182.2cm
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32個のパーツで出来た、巨大な模型です。
入口にはドアの板もあり、穀物の袋を担いだ人が入ろうとしています。
写真にはありませんが、戸口では犬が寝そべっていて、六層目の窓の中には
この家の主人らしい人が外を見ています。
上からの重みを支える組み物もあり、高度な建築技術がうかがえます。


第3部「美の誕生」は、仏像や陶磁器など、中国美術の源流となる作品です。

「神獣」 春秋 前6~5世紀 高48cm
中7-11-2010_004

体は虎、足は亀、頭は龍の形をした神獣が長い舌を出していて、頭には6匹の
龍が載って、たてがみのようになっています。
背中には別の動物がいて、これも龍をくわえています。
体には紋様が彫られ、トルコ石がはめられています。
河南省の南側を支配していた楚の国の文化を表す品とのことで、黄河沿いの
整然とした文化とは違って、奇怪で生命力にあふれています。

「神獣多枝灯」 後漢 1世紀  高110cm
中7-11-2010_007

龍や鶴をかたどった灯明皿が下段に4つ、中段に4つ、上段に3つ、そして天辺に
1つある豪華な燭台です。
台座には山や人、動物が置かれ、蓬莱山の趣きがあります。

「犬」 後漢 1~3世紀
高さ約30cmの土製の犬で、墓を守る副葬品のようです。
大きな頭を上げ、牙をむいて吠えているところがとてもユーモラスです。

「天王および力士立像」 北宋 開宝9年(976)
高さ50cmほどの浮き彫り彫刻4体です。
力士像は力強く動きがあり、東大寺南大門の金剛力士像や興福寺の天灯鬼、
龍灯鬼を思い出します。

書画の展示もあります。

「楊国忠進鋌」 唐 8世紀
楊貴妃の縁者で、その縁で玄宗皇帝に取入って権勢を振るった楊国忠(?~756)
が朝廷に納めた、銀の延べ板です。
長さ30cmほどで、表面に「・・・・文部尚書臣楊国忠進」と彫ってあります。
楊国忠は安禄山の乱で玄宗とともに逃亡中、兵士たちに殺されています。
佞臣といわれた楊国忠の名をここで観るとは思いませんでした。

「王尚恭墓誌」 北宋 11世紀 一辺77.8cm
中7-11-2010_003

司馬光(1019~1086)は北宋の政治家で、王安石との対立で有名です。
謹直な書体で書かれた長文の墓誌です。

司馬光には子供の頃、友達が水甕に落ちた時、とっさに石を投げて甕を割り、
友達を救ったという逸話があります。
このお話は陶磁器の絵柄にも使われ、有田やヨーロッパにも伝わっています。

司馬光の絵柄についての記事はこちらです。


展示品を観ていくと、夏や商から唐や北宋に時代が進むにつれ、文化が
洗練されてくる様子が良く分かります。
中国関係の展覧会はいつ観てもその文明の厚みに圧倒されますが、
今回もそうでした。


東京国立博物館本館の平常展では、酒井抱一筆の重要文化財、「夏秋草図屏風」も
8月8日(日)まで展示されています。
併せてご覧になると良いでしょう。

「夏秋草図屏風」 左隻
抱一夏7-11-2010_001

右隻
抱一秋7-11-2010_002


不忍池は蓮の花の季節です。

蓮0020


蓮0041

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【2010/07/16 08:36】 美術館・博物館 | トラックバック(2) | コメント(2) |
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  • はろるどさん、こんばんは。
  • あの龍は、南北でかなり文化が違うことを見せていました。
    夏秋草図屏風はいつ観てもいいですね。
    私もソファーに座ってしばらく眺めていました。

    【2010/07/23 19:43】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • こんばんは。早速のTBをありがとうございます。

    >河南省の南側を支配していた楚の国の文化を表す品とのことで、黄河沿いの整然とした文化とは違って、奇怪で生命力にあふれています。

    なるほどそうした違いがあったのですね。
    龍までが躍動感があって驚きました。

    トルコ石や金細工など小さな作品でも見応えがありましたね。
    まさに仰るように、中国文明の厚みを体感出来る展覧会でした。

    >酒井抱一筆の重要文化財、「夏秋草図屏風」も
    8月8日(日)まで展示されています。

    久しぶりにじっくりと拝見してきました。
    作品の前にソファーがあったのも嬉しかったです!

    【2010/07/22 01:13】 url[はろるど #sZuoGHFE] [ 編集]
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