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「誇り高きデザイン 鍋島」展 サントリー美術館
六本木
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六本木のサントリー美術館では、「誇り高きデザイン 鍋島」展が開かれています。
期間は10月11日までで、期間中に一部の展示替えがあります。

鍋001


鍋島は、佐賀藩鍋島家が徳川将軍家への献上品や諸大名への贈答品として制作した
磁器のことです。
初め献上していた中国磁器が、1640年代の明の滅亡に伴う混乱で調達困難になり、
替わりになる製品を開発したことに始まるとのことです。

献上品、贈答品のため、中国の官窯の製品のようにその姿は端正で隙が無く、
とても洗練されています。
そして、展覧会の題名に「誇り高きデザイン」とある通り、きわめてデザイン性に
優れています。
特に直径30cmの大皿は、献上品として目を引くように工夫されているので、
鍋島の特徴がもっとも表れています。

92番 色絵植木鉢岩牡丹文大皿 17世紀後半~18世紀前半 重要文化財
鍋003

鍋島は染付が基本で、色絵を付けます。
植木鉢と中国で好まれた太湖石を染付で描き、赤と緑の色絵で紅白の牡丹を
上絵付けしています。
牡丹は富貴を表す目出度い花で、鍋島はこのような吉祥を示す絵柄を多く
使っています。
白の余白が効いていて、鍋島はよく余白による空間造りをしています。

93番 色絵桃文大皿 17世紀後半~18世紀前半 重要文化財
鍋002

桃の花のにぎやかに咲く様子を上手く描いています。
桃の実は、赤色を極く細かい点描で埋めて熟れた桃の質感まで表すという、
際立った技法を使っています。
桃は豊穣、長命を表し、鍋島でよく使われる絵柄です。

94番 色絵藤棚文大皿 17世紀後半~18世紀前半 重要文化財
鍋005

曲水(庭に作った水の流れ)を染付で、藤棚を色絵で描いています。
曲水は平安貴族の庭園、藤棚は藤原氏を思わせるので、王朝趣味による絵柄です。
色絵桃文大皿に比べると、すっきりとしたデザイン性を感じます。

95番 色絵蕎麦花畑文大皿 17世紀後半~18世紀前半
白い蕎麦の花が連なり、赤い茎も並んでいます。
詩情を感じる風景です。 

97番 染付鷺文三足大皿 17世紀後半~18世紀前半 重要文化財
鍋006

蓮の葉を一枚下に置き、染付の塗り残しで三羽の鷺を描いています。
むらなく薄く塗られた所は蓮沼の広々とした空間を表しています。
鷺は思い思いの方を向き、鍋島のすぐれたデザイン感覚を見せています。
この作品は9月20日までの展示です。

91番 染付松樹文三足大皿 17世紀後半~18世紀前半 重要文化財
パンフレットに使われている作品です。
皿の円周に沿って大きく曲がった松の幹を描き、松の葉は丸い形に図案化
されています。
構図も描写もきわめて大胆です。

21番 青磁染付竹文三足大皿 17世紀後半~18世紀前半
鍋004

青磁に染付で竹を描いています。
余白を大きく取った爽やかな絵柄で、墨絵の濃淡の味わいが上手く出ています。
縁の形に変化を付けています。
鍋島は染付と並んで青磁の技法もよく使っています。

54番 青磁染付鶴文皿 17世紀後半
鍋008

鍋島は絵柄について色々研究していたとのことです。
民窯である有田焼の図柄も参考にしていたようで、参考品として似た図柄の
有田焼も展示されています。
この作品は小皿ですが、有田焼が色も濃く、線も太いのに比べ、すっきりと
上品に仕上がっています。

15番 色絵輪繋文皿 18世紀中葉
鍋007

花鳥柄ばかりでなく、幾何学模様の絵柄もあります。
小皿で、丸と四角の模様を並べ、染付の模様部分と白地部分を分けています。
純粋にデザインの世界です。

50番 染付雲雷文大皿 17世紀後半~18世紀前半
大皿の中心を大きく空け、そこから周辺に向かって雷文という鍵型の重なった
模様を初めは細かく薄く、段々と大きく濃く、延々とびっしり埋めていきます。
気の遠くなるような作業によって、皿の中に独特の空間感覚が生まれます。

他にも素晴らしいデザインの作品揃いで、観ていて飽きることが無く、
存分に鍋島を楽しむことが出来ました。

会場には十四代今泉今衛門による花瓶や鉢など、近作数点も展示されています。
たしかに鍋島の伝統によりながら、鋭い現代感覚にあふれた、華やかな作品です。

展覧会のHPです。

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【2010/08/17 13:53】 美術館・博物館 | トラックバック(2) | コメント(0) |
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