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レンブラント展 「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」 国立西洋美術館
上野
chariot

上野の国立西洋美術館では、「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」が
開かれています。
期間は6月12日(日)までです。

レ002


地震の影響でしばらく休館していましたが、3月26日から開館しました。
開館時間は午前10時~午後4時(入館は午後3時まで)です。
開館日や開館時間の変更される場合がありますので、美術館のHPでご確認下さい。
私は27日の朝に行きましたが、かなりのお客さんが来ていました。

この展覧会では、約15点の絵画と約110点の版画が展示されています。

『絵画』

「音楽を奏でる人々」 1626年
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初期の作品で、この頃からすでに光が強調され、衣装は輝いています。
まだ何となく人物の表現に固さがあり、全体がまとまっていません。

「アトリエの画家」 1628年頃
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変わった構図の自画像で、イーゼルが手前に大きく描かれ、それを見つめる
画家は少し奥にいます。
他にはほとんど何も描かれておらず、光の当たっているカンヴァスに注意が
向きます。
何が描かれているか気になるところです。
小品ですが、レンブラントの画家としての自負心が感じられます。

「東洋風の衣装をまとう自画像」 1631年
レ008

レンブラントは珍しい物を集める趣味があったようで、この自画像でも
トルコでしょうか、東洋風の衣装を着て得意そうにしています。
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで5月22日(日)まで開かれている、
「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」に出展されている、
レンブラント作の「サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ」でも、サウル王は
東洋風の衣装を着ています。
「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」の記事はこちらです。

豪華な毛皮や絹の質感もよく表されています。
プードルは貴族の趣味である鴨猟の猟犬とのことで、レンブラントは貴族になった
気分で楽しんでいます。

この絵や「アトリエの画家」から見ると、レンブラントは背の低い人だったようです。

「書斎のミネルヴァ」 1635年
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縦140cmほどの大作で、ローマ神話のミネルヴァを描いています。
ミネルヴァは知恵の神様なので、書物を読んでいるところです。
また、戦いの神様なので兜や槍、盾も描かれていますが、背後に置かれていて、
知恵の勝利を表しているとのことです。

妻のサスキアがモデルで、神話らしい端正な顔立ちではなく、やや太った普通の
ヨーロッパ人の顔をしているところに親しみやすさがあります。
金の刺繍を施したローブは光り輝き、華やかな画面になっています。
光の当て方がとても巧妙で、複数の光源を感じさせ、特に右手は右側からの
光でくっきりと浮かび上がっています。
絶頂期のレンブラントの力量を示す、堂々とした作品です。

「ヘンドリッキェ・ストッフェルス」 1652年
レ005

サスキアが若くして亡くなった後、事実上の妻となったヘンドリッキェの肖像です。
揃いのイヤリングとネックレスを身に着け、毛皮のローブをまとっています。
イタリアでよく描かれていた高級娼婦の肖像と同じ形式で、レンブラントは
ヘンドリッキェをモデルに何点か描いているとのことです。

「書斎のミネルヴァ」の頃に比べると、光の描き方もおぼろになってきて、
闇の中に浮かぶ姿はしみじみとした深みを感じさせます。
つつましそうな表情をしていて、浪費癖がたたったりして貧窮した後年の
レンブラントを支えたというヘンドリッキェの人柄が描き出されています。
ヘンドリッキェもレンブラントより先に亡くなっています。

サスキアとヘンドリッキェを描いた作品は近くに並んで展示されていて、
見比べることが出来ます。
20年の間に起こったレンブラントの境遇の変わりようと作風の変化には
感じるものがあります。

「旗手(フローレンス・ソープ)」 1654年
レ003

フローレンス・ソープはアムステルダム警備隊の旗手です。
旗手にしてはかなりの高齢ですが、当時は地位のある人物の名誉職で、
実際に戦場を駆け回る仕事ではなかったようです。
誇らしげに着けた金の肩ベルトが見せ所です。
注文主のソープ氏はかなりの高額の代金を払ったことでしょう。

『版画』

レンブラントは当時から版画家として、より有名だったとのことです。
技法や紙の材質などさまざまな工夫を凝らしています。
特に和紙の中間色を好んで、よく使ったそうです。

「石の手摺りにもたれる自画像」 1639
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画家として成功した絶頂期の自画像なので、いかにも自信ありげな表情で
振り向いています。

「三本の木」 1643年
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レンブラントは風景も少し描いています。
木の並ぶ平野の景色ですが、空には雲が湧き起こって何か不穏な雰囲気があります。

「病人たちを癒すキリスト」 1643-49年
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百グルデン版画といわれるもので、当時百グルデンあれば油絵の小品が買えた
とのことなので、かなり高価な商品であることが分かります。
マタイによる福音書19章にある、病人を癒す、子供を祝福する、パリサイ人と
議論するの、3つの話を同時に描いているとのことです。
イエスを中心にした、光の中の劇的な群像表現です。

「エッケ・ホモ(群集に晒されるキリスト)」 1655年
レン003

ローマ総督のポンテオ・ピラトがエッケ・ホモ(この人を見よ)と言って、
イエスの姿を群集に示す場面です。
奥行きを強調した画面で、イエスやローマ総督たちは奥から手前に現れます。
いくつかの版があり、この版ではテラスの手前正面にいた群像が省かれ、
イエスの姿をより強調しています。
群像の描かれた版も展示されていて、見比べることが出来ます。

「三本の十字架」 1653年
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上下を強調した画面で、天からの光が表わされています。
いくつかの版が展示されていて、この版では馬上の人物が十字架に対しています。
他の版では、馬上の人物はおらず、兵士がひざまずいて十字架を仰いでいます。
これは福音書にある、ローマ軍の百人隊長が十字架上のイエスを神の子であると
告白した話を描いたものでしょう。


展示されている絵画と版画は、絶頂期もその後の作品も素晴らしく、
レンブラントの偉大さを改めて思った展覧会でした。

展覧会のHPです。

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【2011/03/29 05:00】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(1) |
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    【2012/03/29 10:18】 url[ #] [ 編集]
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