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「草間彌生 わが永遠の魂」展 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では国立新美術館開館10周年、「草間彌生 わが永遠の魂」展が
開かれています。
会期は5月22日(月)までで、火曜日は休館日です。

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草間彌生さん(1929-)が2009年から描き始めたシリーズ、「わが永遠の魂」を中心に、
初期から現在までの作品、約130点が展示されています。

草間さんは1957年にアメリカに渡り、前衛芸術家として活躍を始めています。

「No.AB.」 1959年 豊田市美術館
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びっしりと隙間なく、点々が描き込まれていて、画面の区切りもありません。

草間さんが絵を描き始めたのは、自分の中にある強迫観念への対抗の手段として
だったとのことで、延々と埋められた画面を観ると確かにそう感じます。

その後、1973年に帰国し、活動を続けます。


「自殺した私」 1977年 東京都現代美術館
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この頃の作品はかなり陰鬱です。


「黄樹」 1992年 秋田・フォーエバー現代美術館
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びっしりと埋められた画面は同じですが、雰囲気は明るくなってきます。


「わが永遠の魂」シリーズの展示は携帯での撮影が可能です。
隙間なく並んで、壁を埋め尽くしています。

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「真夜中に咲く花」 2016年
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原色にあふれた、エネルギーいっぱいの作品が並んでいて、圧倒されます。
びっしり描き込むという形は初期と同じですが、気分はまるで違って、明るくなっています。
年月を経る間に、草間さんの内面に大きな変化があったのでしょうか。


「南瓜」 2007年 秋田・フォーエバー現代美術館
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草間さんと言えば水玉模様とカボチャです。
屋外展示場に置かれ、中にも入れて、子どもたちにも人気です。

立ち木も草間モードで装っています。

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展覧会のHPです。


【2017/04/15 20:26】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「大英自然史博物館展」 上野 国立科学博物館
上野
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上野の国立科学博物館では特別展、「大英自然史博物館展」が開かれています。
会期は6月11日(日)までです。

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ロンドンにある大英自然史博物館は1881年に開館した、博物学標本約8000万点を所蔵する
世界有数の科学博物館です。
展覧会では博物館の歴史の紹介と共に、約370点の標本が展示されています。

展示室は一部を除いて撮影可能です。

最初の展示室は教会建築のような自然史博物館の内部を模してあります。

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私は以前、ロンドンに行った時、ロマネスク風の壮麗な石造建築を見て、これが博物館とは知らず、
どこの教会だろうと不思議に思ったことがあります。

サファイアのターバン用ボタン
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おそらくインドの品で、サファイアは31.5カラットあります。
所蔵者だったハンス・スローン(1660-1753)は医者で、蒐集した動植物や考古遺物などの
膨大なコレクションは政府に買い取られ、自然史博物館のコレクションの基礎となっています。

リチャード・オーウェンの肖像
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リチャード・オーウェン(1804-1892)は高名な解剖学者で、恐竜類(Dinosauria)という名前の
名付け親でもあります。
また、増え続ける大英博物館の収蔵品を収容するため、新しい博物館の建設を政府に働きかけ、
自然史博物館の設立に漕ぎ着けています。
そして、誰でも気軽に入館できる博物館を目指し、展示品には説明文を書いたプレートを
添えることも提案しています。
一方で、リチャード・オーウェンは大変に性格の悪い人で、他人の功績を横取りしたり、
抹殺したりしており、ダーウィンとは極めて仲が悪かったそうです。
人相も悪かったようで、この絵はかなり美化されています。

ダーウィンの「種の起源」草稿
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フィンチの標本
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チャールズ・ダーウィン(1809-1882)はビーグル号の航海でガラパゴス諸島に寄り、
そこに多様なフィンチが生息していることを知って、進化について研究を深めています。
ダーウィンとフィンチについては、2014年に同じ国立科学博物館で、「ダーウィンフィンチ展」が
開かれています。

「ダーウィンフィンチ展」の記事です。

モアの全身骨格
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ニュージーランドにかつて棲息していた巨大な鳥です。
リチャード・オーウェンはこの鳥の骨の一つを調べて、飛べない絶滅鳥類であることを
正確に予測しています。

始祖鳥の化石
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脳や三半規管の形が詳細に復元出来る化石はこのロンドンの標本だけとのことです。

リョコウバト
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かつて北アメリカに生息し、鳥類史上最も数の多い鳥とされていますが、乱獲のため激減し、
1914年に動物園で最後の1羽が死んで、絶滅しています。

ウィリアム・スミスのイギリス地形図
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ウィリアム・スミス(1769-1839)は高等教育を受けていない測量技師で、地層というものの
存在を発見し、1815年には世界最初の地質図を完成させています。

メアリー・アニングの肖像
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愛犬のトレイと一緒に描かれています。
メアリー・アニング(1799-1847)はドーセット州の海岸の崖で化石を集めて、売っていました。
世界初の魚竜(イクチオサウルス)やプレシオサウルスの化石も最初に発見しています。
彼女はShe sells sea shells by the sea shore.という早口言葉の元になっていると言われています。

メアリー・アニングが発掘した魚竜の化石
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リチャード・オーウェンやダーウィン、メアリー・アニングのことはビル・ブライソン著、
「人類が知っていることすべての短い歴史」(新潮文庫)の上巻でも触れられています。

ハマゴウ属のスケッチや水彩画
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ジェームズ・クック(1728-1779)はタヒチ島での金星の太陽面通過を観測するため、
1768年にプリマス港からエンデヴァー号で大西洋経由で南太平洋に向かっています。
この探検に同行した科学班のリーダーのジョゼフ・バンクス(1743-1820)が、
植物学者のダニエル・ソランダー(1733-1782)と共にタヒチやニュージーランド・
オーストラリア東海岸・ジャワなどで採集した植物標本を基に743点の彩色銅版画
「バンクス花譜集(植物図譜)」を制作しています。
図譜はバンクスの生前には完成されず、後に自然史博物館によって完成されています。

植物画を描いたのはシドニー・パーキンソン(1745頃-1771)ですが、自身は航海中に
亡くなっています。

2015年にBunkamuraザ・ミュージアムで開かれた、『キャプテン・クック探検航海と
「バンクス花譜集」』展の記事
です。


トリング分館はロスチャイルド家の嫡男で、動物の研究家だった、ライオネル・ウォルター・
ロスチャイルド(1868-1937)の収集した大量の動物や鳥の標本を所蔵する博物館です。

シマウマに牽かせた馬車に乗るウォルター・ロスチャイルド
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ヒクイドリの標本
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ウォルター・ロスチャイルドは飛べない鳥への関心が高く、自宅に多数を飼育していました。

中には日本からの標本もあります。

薩摩(九州)隕石
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1886年に落下した隕石です。

タカアシガニ
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世界最大のカニです。

第2会場では、自然史博物館にゆかりの人たちの業績や著書が紹介されています。

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ミュージアムショップです。

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左はウィリアム・スミスのイギリス地形図です。
右はロバート・スコット(1868-1912)の南極探検隊のエンブレムをあしらっています。
スコットの探検隊は南極点への到達競争でノルウェーのアムンセン隊に敗れ、
帰途に全員が遭難死しています。

とても興味深い展覧会ですが、人気が高く、整理券が配られます。
混雑状況は展覧会のHでご確認下さい。

私のもらったのはモアの整理券でした。

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展覧会のHPです。


【2017/04/13 19:52】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「雪村 奇想の誕生」展 東京藝術大学大学美術館
上野
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上野の東京藝術大学大学美術館では特別展、「雪村 奇想の誕生」が開かれています。
会期は5月21日(日)までです。
4月23日(日)までの前期と25日(火)からの後期を中心にかなりの展示替がありますので、
展覧会のHPをご確認下さい。

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雪村周継は戦国時代の絵師で、生没年は未詳です。
常陸の佐竹氏の一族ですが、家を継ぐことが叶わず、臨済宗の正宗寺に入って修行し、
絵を描くようになります。
50歳代になって、関東を渡り歩き、會津の葦名氏や三春の田村氏の許に身を寄せ、
80歳代で郡山で亡くなったものと思われます。

「龍虎図屏風」(左隻) 16世紀 根津美術館
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4月25日(火)から5月7日(日)までの展示です。
虎が吼えて起こす強風で、竹がなぎ倒されていますが、のどかな顔をした猛虎です。

(右隻:部分)
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龍が唸り、雲が湧き、波が逆立っています。

「釈迦羅漢図」(左幅) 16世紀 茨城・善慶寺
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中央に釈迦、左右に羅漢を描いた三幅対の左幅です。
彩色画で、羅漢さんたちが中空の龍を見上げています。
善慶寺は佐竹氏の一族、長倉氏の建立した寺院です。

「列子御風図」 16世紀 東京・アルカンシエール美術財団
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4月23日(日)までの展示です。
列子は春秋戦国時代の人で、道家思想を伝えたとされています。
「風が我が身か、我が身が風か」という自由な境地を楽しんでいるところです。
荘子の胡蝶の夢の話を思い出します。
列子は風に乗って勢いよく飛び上がっています。

「呂洞賓図」 16世紀 大和文華館 重要文化財
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4月23日(日)までの展示です。
呂洞賓(りょどうひん)は唐時代の仙人で、さまざまな術を会得し、
中国では人気の高い人物です。
呂洞賓が龍に乗って見上げる先には別の龍が現れ、蓋を取った小瓶からも
小さな龍が2匹、立ち昇っています。
ひげ、衣に波頭まで左右に吹き流され、吹き荒れる風が見えるようです。

雪村の絵には、筆に勢いがあり、とぼけたところもあり、どこか突き抜けていて、
それが魅力となっています。
雪村の名も雪舟を尊敬しての命名と思われますが、時代も違うので
弟子入りしたことも無く、どうやって画技を磨いたのか分かっていません。

雪村は尾形光琳を始め、後の画家たちにも大きな影響を与えていて、
会場には光琳の作品も展示されています。

雪村の作品をまとめて観ることはなかなか無いので、この展覧会は貴重な機会です。


展覧会のHPです。


【2017/04/11 20:01】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
「日本、家の列島 ヨーロッパ巡回帰国展」 パナソニック 汐留ミュージアム
新橋・汐留
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汐留のパナソニック 汐留ミュージアムでは、「日本、家の列島 ヨーロッパ巡回帰国展」が
開かれています。
会期は6月25日(日)まで、休館日は水曜日で、5月3日は開館日です。

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4月7日に内覧会があったので、行ってきました。

マニュエル・ タルディッツ(建築家・ みかんぐみ共同代表)、ジェレミ・ ステラ(写真家)、
ヴェロニック・ ウルス(建築家)、ファビアン・ モデュイ(建築家)の4人のフランス人の
企画による日本の住宅建築の魅力を提示する展覧会です。

パリやアムステルダムなど、ヨーロッパ各都市で開かれた巡回展の帰国展もあります。

4人の皆さんも来場していて、マニュエル・ タルディッツさんを中心にした解説を伺いました。

左からタルディッツさん、モデュイさん、ウルスさん、 ステラさん
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写真は特別の許可を得て撮影したものです。

第1章 昨日の家

14点の近代日本の代表的な住宅建築が写真と1/50模型で紹介されています。

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左 斎藤助教授の家/清家清
右 丹下健三自邸/丹下健三
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左 スカイハウス/菊竹清訓
右 旧吉屋信子邸/吉田五十八
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左 幻庵/石山修武
中 住吉の長屋/安藤忠雄
右 上原通りの住宅/篠原一男
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「住吉の長屋」は安藤さんの初期の代表作です。
2008年に乃木坂のギャラリー・間で開かれた、『安藤忠雄建築展 「挑戦-原点から」』の記事です。

左 南湖の家/坂本一成
右 シルバーハット/伊東豊雄
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第2章 東京の家

ジェレミ・ ステラさんの撮影した「東京の家」シリーズの写真のうち、36点が展示されています。
どれも著名な建築家の設計によるもので、写真は周囲の環境や人とともに写されています。

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どの家も工夫して、狭い敷地を上手く活用しています。

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第3章 今の家

最近の建築家の設計による住宅20点が、そこで生活する人も一緒に写した写真、
ドローイング、インタビューや1/50模型で紹介されています。
隈研吾さんの作品もあります。
どの家も坂や崖、野原など、周囲の環境を上手く利用して建てられています。

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自分ならどの家に住みたいか考えながら、それぞれの家を見比べていくと、興味が尽きません。

フラン人から見た日本の住宅は、自然や環境との調和、外部との境界のあいまいさ、
部屋の仕切りの可変性など、その柔軟さが特徴で、魅力があるようです。
日本人からすれば、言われてみて初めて、それが特別のことなのだと改めて気付きます。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲」展です。
会期は7月8日(土)から10月1日(日)までです。

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【2017/04/08 18:57】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「日本画の教科書 東京編-大観、春草から土牛、魁夷へ-」 山種美術館
恵比寿
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山種美術館では、開館50周年記念特別展、「日本画の教科書 東京編
-大観、春草から土牛、魁夷へ-」が開かれています。
会期は4月16日(日)までです。

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山種美術館の所蔵する、東京画壇の日本画家の作品の展示です。

小堀鞆音 「那須宗隆射扇図」 1890年
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平家物語の一節の那須与一が屋島の戦いで扇を射落す場面です。
波の形は様式的ですが、平家物語の記述を参考にした戦装束の与一の姿は
濃い色彩で写実的に描かれています。
小堀鞆音(1864~1931)は安田靫彦の師で、歴史画を得意としています。

荒木十畝 「四季花鳥」のうち「春(華陰鳥語)」 1917年
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白木蓮や椿の下でハッカンのつがいが歩んでいます。
荒木十畝(1872~1944)は長崎県出身で、荒木寛畝に弟子入りし、養子になっています。
山種美術館は大作の「四季花鳥」四幅などを所蔵しています。

下村観山 「老松白藤」 1921年
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六曲一双屏風で、金地に大きく枝を伸ばした松とそれに絡みつく藤を
装飾的に描かれています。
松と藤はよく描かれる題材で、夫婦和合を表しています。
熊蜂も一匹、小さく描かれています。

菱田春草 「月四題」のうち「秋」 1909-10年頃
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1911年に36歳で亡くなった春草の、最晩年の作品です。
葡萄の葉は琳派のたらし込みの技法を用いています。

松岡映丘 「春光春衣」(部分) 1917年
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松岡映丘は大和絵の復興を目指し、古画や有職故実を研究して作品を描いています。
切箔や金砂子を散りばめ、華麗な王朝絵巻を再現しています。

小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「入相桜」 1930年 
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紀州の安珍清姫伝説を絵巻物風に8枚続きの絵に仕立てたものです。
鐘の中で焼き殺された安珍と、日高川に身を投げた清姫の亡骸は共に比翼塚に葬られ、
桜が植えられ、入相桜と呼ばれます。
悲恋の物語は最後に満開の桜によって優しく慰められています。
小林古径はこの作品を気に入っていて、一生手元に置いておくつもりだったのを、
山種美術館の設立のお祝いに寄贈したとのことです。

鏑木清方 「伽羅」 1936年
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沈香炉という、髪に香りを薫きしめるための枕でうたた寝をした女性が目を
覚ました姿です。
市松模様の帯が粋で、朝顔模様の着物や花菖蒲模様の打掛の色彩に
初夏の雰囲気が表れています。

横山大観 「心神」 1952年 山種美術館
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「心神」には「富士山」の意味もあるということです。
雲海に屹立する富士の孤高の姿に、敗戦後の日本の復興への思いを
込めているのでしょう。

奥村土牛 「鳴門」 1959年
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遠くの島影に黄土色が少し使われている他は、緑青の緑と胡粉の白のみで
構成されています。
塗りを何度も重ね、近景の動と遠景の静が一体となった、量感のある、
重厚な作品です。

伊東深水 「吉野太夫」 1966年
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吉野太夫は江戸初期の京都の廓を代表し、茶道にも秀でていたとされる
太夫とのことです。
立兵庫という、上に伸ばした独特の髪形で、吉野太夫の名に因んで、
満開の桜花を背景に立っています。
桐や扇面散らしの模様で埋め尽くされた打掛や小袖の輪郭線は、リズムを
持って交差しています。
茶入を載せた盆を差し出している禿(かむろ)は、鹿の子絞りに菊を刺繍した
小袖を着ています。

東山魁夷 「年暮る」 1968年
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親交の深かった川端康成に、京都の風景の残っている今のうちに描くように
奨められ、取り組んだ作品の一つです。
河原町にあるホテルの屋上からの景色とのことで、昔ながらの町家の屋根にも、
遠くのお寺にも雪が積もっています。
手前の家の窓に一つ、明かりが点いていて、いかにも京都の暮れの情景です。

京都の四季を描いた、「春静」「緑潤う」「秋彩」とともに揃って展示されています。

橋本明治 「朝陽桜」 1970(昭和45)年 山種美術館
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1968(昭和43)年に完成した皇居宮殿を飾った作品群に感銘を受けた山種美術館の
初代館長、山﨑種二は同種の作品を各作家に直接依頼しています。
福島県三春の滝桜のスケッチを元にした作品です。
花弁の一枚一枚をくっきりした輪郭線で装飾性豊かに描き出しています。

山口蓬春 「新宮殿杉戸楓4分の1下絵」 1967(昭和42)年 山種美術館
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福島県の国立公園内の楓を題材にしています。
橋本明治の桜と対になって宮殿の杉戸に描かれた作品の下絵です。
山口蓬春は病のため、山崎種二に依頼された作品を完成出来ませんでした。

安田靫彦 「出陣の舞」 1970年
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永禄3年(1560)の桶狭間の戦いに先立ち、幸若舞の「敦盛」を舞う信長の姿です。
信長は州浜に千鳥の片身替りの小袖を着て、織田家の家紋の木瓜(もっこう)紋の入った
長袴を履いています。
鎧櫃には桶狭間の戦いで着用したとされる紺糸縅具足が載っています。

人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか

前田青邨 「腑分」 1970年
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江戸時代の腑分(解剖)の場面です。
腑分をする者を中心に、蘭書を手に見入る者、おそるおそる覗く者、
合掌する者など、さまざまな様子が描かれています。
抑えた色彩によって、静かな興奮を表しています。

守屋多々志 「慶長使節支倉常長」 1981年
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列柱のあるテラスからローマの街並を眺める支倉常長です。
はるばるとここまで来た思いであろう常長は、白と黒の市松模様のタイルに
合わせるように、白の小袖に黒の裃というシックな姿で描かれています。
遠くに見えるサン・ピエトロ大聖堂の外観が出来上がったのは1593年です。
支倉常長は元和元年(1615年)に法皇パウルス5世に謁見しています。


山種美術館のHPです。


次回の展覧会は企画展、「花*Flower*華―琳派から現代へ―」です。
会期は4月22日(土)から6月18日(日)までです。


【2017/04/06 20:14】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

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