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「おもしろびじゅつ ワンダーランド2017」展 六本木 サントリー美術館
六本木・乃木坂
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六本木のサントリー美術館では六本木開館10周年記念展、「おもしろびじゅつ
ワンダーランド2017」展が開かれています。
会期は8月31日(木)までで、休館日は火曜日です。
中学生以下は無料です。


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会場内は撮影自由です。

「桐鳳凰図屏風」 六曲一双 狩野探幽 江戸時代/17世紀
右隻
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左隻
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桐は鳳凰の留まる木といわれ、よく鳳凰と組にして描かれます。
屏風の飾り金具には葵の紋が入っています。
広い金地につがいと雛の鳳凰を置いた絵柄から見て、徳川家の婚礼用の
調度ではないかと考えられています。

画面の前に立って手をパタパタさせると、鶴のツル太も羽根をパタパタさせます。
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さまざまなカットの切子です。
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「染付吹墨大徳利」 肥前有田 江戸時代/17世紀前半
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高さ2mほどの大きな徳利で、マイクに向かって声を出すと
それに応じてさまざまな色の吹墨模様が表面に現れます。
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「鼠草子絵巻」の全場面を展示するコーナーです。
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「鼠草子絵巻」 室町~桃山時代/16世紀
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四条堀川に住む鼠の権頭(ごんのかみ)は、子孫が畜生道に堕ちることを
恐れて清水寺に祈願して美しい姫君と結ばれるものの、清水寺にお礼参りに
行っている隙に正体が露見してしまい、世をはかなんで出家するという
お話です。

登場鼠の解説です。
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権頭は人間の姫君と結婚することを思い立ちます。
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清水寺での出会いです。
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解説もあります。
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権頭と姫君の婚礼です。
姫君たちは権頭が鼠であることに気付いていません。
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台所では宴会の支度をしています。
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下女の鼠が釜焚きをしながら、結婚するなんて何て憎らしいご主人様、
と嘆いています。
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ところが、正体が鼠であることが露見してしまいます。
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権頭は罠に掛けられます。
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姫君たちは逃げてしまいました。
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逃げていった姫君の残した、鏡、かもじ、碁盤などの道具を眺めながら、
権頭がいくつか和歌を詠む場面もあります。
和歌は源氏物語の中の歌を下敷きにしているそうです。
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「能装束 桐唐草紅白段模様厚板唐織」 江戸時代 19世紀
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「納戸縮緬地草花千鳥風景模様小袖」 江戸時代 18世紀後半
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江戸時代の着物を材料にして、自分で着物をデザインすることが出来ます。
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夏休みらしい、おもしろい仕掛けがいろいろある企画です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は六本木開館10周年記念展、「天下を治めた絵師 狩野元信」展です。
会期は9月16日(土)から11月5日(日)までです。

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【2017/08/12 16:58】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「祈りのかたち―仏教美術入門」展 出光美術館
日比谷・有楽町
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丸の内の出光美術館では「祈りのかたち―仏教美術入門」展が開かれています。
会期は9月3日(日)までです。
8月13日までの前期と8月15日からの後期で一部展示替えがあります。

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出光コレクションの中の仏教美術品の展示で、仏教美術についての解説も掲示されています。

第1章 仏像・経典・仏具 ―かたちと技法

金銅仏、経典、経箱などの展示です。

「絵因果経」(部分) 奈良時代 重要文化財
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5世紀に漢訳された、釈迦の前世の善行から現世で悟りを開くまでの伝記である、
過去現在因果経を絵入りの経巻にしています。
上段に釈迦の物語が素朴な表現で描かれています。

釈迦は風、水、火で攻め立てられていますが、動じません。
風神雷神も描かれています。

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第2章 神秘なる修法の世界 ―密教の美術

仏教にヒンドゥー教の要素を取り入れた密教の美術です。

「愛染明王図」 鎌倉時代
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煩悩即菩提を表し、一面六臂の赤身で、日輪を背負い、紅蓮の上に座しています。
恋愛や縁結びなどを司るとされる明王です。

「真言八祖行状図(龍智)」 保延2年(1136) 重要文化財
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明治の廃仏毀釈で廃寺となった、奈良県の内山永久寺の旧蔵です。
真言宗の龍猛、龍智、金剛智、不空、善無畏、一行、恵果、空海の事績を描いた
縦173㎝ほどの大きな八幅の掛軸です。
龍智は南インドの人で、龍猛から密教を授かり、これを金剛智に伝えています。
紅葉の風景の中で、左には龍智と玄奘、下には龍智と金剛智、善無畏、
右上には楽器を持った二人の人物が描かれています。

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第3章  多様なる祈り―弥勒・普賢信仰の美術

「普賢菩薩騎象図」 鎌倉時代
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白象に乗った普賢菩薩の像で、頭光を発しています。
法華経普賢菩薩勧発品に登場する菩薩です。
本来、菩薩に男女はありませんが、女人成仏を説く法華経の中にあることから、
特に女性の信仰を集めています。
この菩薩も唇は紅く、目鼻立ちも優しい美人に描かれています。


第4章 極楽往生の希求―浄土教の美術

「十王地獄図」 鎌倉時代末期~南北朝時代  重要文化財
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双幅の片方で、上部には、右から初江王、五官王、変成王、平等王、五道転輪王が
居並び、裁きを行なっています。
亡者たちは腕を打ち砕かれたり、広げられた舌を牛の挽く鋤で切られたり、
さんざんに責めさいなまれています。

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耐え難い寒さの八寒地獄には、亡者を救う観音菩薩が現れています。
地獄に仏とはこのことです。

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「六道・十王図」 六幅対の内 「閻魔王図」 室町時代
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地獄の十王の裁きの内、閻魔王の場面で、浄玻璃の鏡で生前の行ないを映され、
天秤で罪の重さを量られ、熱く煮えた銅を飲まされ、広げられた舌を牛の挽く鋤で
切られたりしています。


「当麻曼荼羅図」 鎌倉時代末期〜南北朝時代
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奈良県の当麻寺に伝わる当麻曼荼羅を1/4に縮小してあり、縦101㎝、
愛知県の巌窟寺(岩屋寺)の旧蔵です。
観無量寿経に説く極楽浄土を表していて、密教の曼荼羅とは異なります。
阿弥陀、観音、勢至の三尊を中心にした極楽浄土の様が描かれています。


第5章 峻厳なる悟りへの道―禅宗の美術

「達磨図」 拙宗等揚 室町時代
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雪舟(1420-1506?)の作で、「拙宗等揚」の名は、「雪舟等楊」を名乗る前のものです。
衣の太い線と顔や髭の細い線をていねいに使い分けています。

出光美術館が数多く所蔵する仙厓の絵も何点か展示されています。

仙厓義梵(せんがいぎぼん)(1750~1837)は臨済宗の僧で、博多の聖福寺の
住持を勤め、引退後も博多に住んでいます。
その洒脱な人柄と巧みな書画から、町の人に「仙厓さん」として親しまれました。

坐禅蛙画賛
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坐禅して人か佛になるならハ

いつも坐っている蛙だって悟りを開けることになるから、形ばかりを真似ても
真実は得られないという教訓です。
しかし、にやりと笑った蛙の顔には、本当に何か自得したような気配があります。

○△□
仙009

仙厓といえば、この絵が有名です。
画賛には、扶桑最初禅窟とあります。
後鳥羽上皇より聖福寺に賜った号で、日本最初の禅宗寺院という意味です。
聖福寺は南宋より帰国した栄西が最初に立てた禅寺です。

セザンヌが世界を丸、三角、四角で捉えていたことを思い出します。

一円相画賛
仙003

これくふて
茶のめ

悟りを得てもそこに留まることなく、更に前に進めという意味です。
悟りを表す円もお茶菓子になってしまいます。

指月布袋画賛
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を月様
幾ツ
十三七ツ

布袋が月を指差しても、人は布袋の指を見て月を見ない、本質を見なければ
仏の境地には行き着かない、という禅画の題材の一つです。
わらべ歌も書き入れた、月を見て喜ぶ布袋さんと子供の姿には、元の意味を超え、
活き活きとした自由な境地が表れています。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「江戸の琳派芸術」展です。
会期は9月16日(土)〜11月5日(日)です。

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【2017/08/10 19:33】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「東京こだわりの風景画展 ~自分史の中の東京を描く~」 丸善丸の内本店
東京
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丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーでは、「東京こだわりの風景画展
~自分史の中の東京を描く~」が開かれています。
会期は8月15日(火)までです。

こちらでは毎年、「東京こだわりの風景画展」が開かれていて、東京の昔をイメージした、
水彩、油彩、ペン画などの多数の作品が展示されています。

東京駅丸の内駅舎、新宿御苑から神保町の喫茶店まで、懐かしさのある風景
が描かれています。

出展作家は以下の通りです。

荒木淳一(水彩画)、大須賀一雄(ペン彩画)、岡本真由蘭(彩色ペン画)、小川幸一治(日本画)、
小田切充(水彩画)久山一枝(水彩画)、小林征治(水彩画)、サイトウサチコ(水彩画)、
塩沢宗馬(水彩画)、須貝仁(墨彩画)、杉山浩一(ペン画)、瀧川信介(水彩・パステル画)、
竹内喜久江(水彩画)、土屋始彦(水彩画)、長島香織(淡彩日本画)、畑和博(水彩画)、
檜垣友見子(油彩画)、日髙めぐみ(水彩画)、安住孝史(鉛筆画)

杉山浩一 「上野動物園旧正門」
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優美な門扉が影を作っています。
普段は閉じられていましたが、すぐ隣の表門の改修に伴い、
現在は臨時門として使われています。

2016年の「東京こだわりの風景画展」の記事です。


【2017/08/10 19:04】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「佳人礼讃-うるわしの姿を描く-」 ホテルオークラ東京アスコットホール
六本木一丁目・神谷町
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虎ノ門のホテルオークラ東京アスコットホールでは、第23回 秘蔵の名品 アートコレクション展、
「佳人礼讃-うるわしの姿を描く-」が開かれています。
会期は9月1日(日)までで、期間中は無休です。
展覧会の純益は日本赤十字社等を通じて、社会貢献のために寄付されます。

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今回は女性を描いた作品の展示です。

(洋画)

ギョーム・セニャック 「ミューズ」 19世紀末 泉屋博古館分館
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ミューズ(ギリシャ名ムーサの英語名)は文芸を司る女神たちのことです。
板と筆を持っているので、叙事詩の神、カリオペーでしょうか。
ギョーム・セニャック(1870-1924)は新古典主義の画家で、ブグローに師事しています。
住友家15代当主、友純(春翠)の支援を受け、フランスに留学していた鹿子木孟郎
(かのこぎたけしろう:1874-1941)が春翠より絵画の収集を依頼され、購入した作品の一つです。

ノエ・ボルディニョン 「軽い訪問」 北野美術館
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滅多と観られない作品とのことです。

ジョン・エヴァレット・ミレイ 「聖テレジアの少女時代」 1893年 松岡美術館
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ジョン・エヴァレット・ミレイはラファエル前派の画家で、「ハムレット」を
題材にした、「オフィーリア」の作者として有名です。
後には肖像画家として人気を得ています。
聖テレジアは16世紀のスペインの聖女で、ベルニーニの彫刻、
「聖テレジアの法悦」は彼女の体験を基にしています。
弟の手を引いたテレジアは憂い顔で、何か物語を暗示しています。
遠くの城壁に日が当たり、手前は日陰で光もやわらかくなっています。
二人の豪華な衣装も見せ所です。
ラファエル前派はこの絵のように、よく知られた題材から少し外した題材を
描くことがあるそうです。

エコール・ド・パリの画家たちの作品も揃っています。

モイーズ・キスリング 「スペインの女」1925年
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白く硬質な肌合いで、こちらを見る目に力があります。
背後の丸い形の重なりにリズムを感じます。

モイーズ・キスリング 「水玉の服の少女」 1934年頃
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淡い藤色の影を付けて、少女を浮き上がらせています。
水玉の服は平面的に描かれ、観る人の意識は愁いを帯びた表情の顔に集まります。

マルク・シャガール 「捧げ物」1970年頃
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晩年の作品で、シャガールの好きなバイオリン弾き、鳥、ロバなどが揃っています。

アメデオ・モディリアーニ 「婦人像」
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モディリアーニ独特の卵形の顔をしていて、目には表情がありません。
エコール・ド・パリの画家たちと交流のあったジャン・コクトーが1951年に短い回顧録を
出した時に、巻頭のカラー図版にこの絵を使ったそうです。

藤田嗣治 「二人の子供と鳥籠」 油彩・カンヴァス 1918年 松岡美術館
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1913年にパリに渡った藤田は最初は絵が売れず、苦労しています。
やがて藤田らしい画風が表れて、ようやく絵が売れ出した頃の作品です。
当時の藤田の作品は、自身の気持ちが表れているのか、不安で寂しげな
雰囲気をしています。

矢崎千代二 「教鵡」 1900年 東京藝術大学
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和服の女性がオウムに言葉を教えているところで、オウムはオウム返しをしています。
左からの柔らかな光を上手く表しています。
第5回白馬会展に出品され、好評を得た作品で、1904年のセントルイス万国博覧会にも
出展されました。
矢崎千代二(1872-1947)は横須賀市出身で、黒田清輝に師事し、東京美術学校に
学んでいます。
日本のパステル画の開祖とされ、世界各地を放浪して描き続け、終戦の翌々年に
北京で亡くなっています。

小鳥を見上げる和服の女性という構図では、鏑木清方の「朗羅」(1933年)を思い出します。
鏑木清方もこの作品を見ていたのでしょうか。

岡田三郎助 「支那絹の前」 1920年 高島屋史料館
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着物を好んで描いた岡田三郎助による夫人像です。
艶のある質感を油彩画ならではの技法で描き出しています。
着物は紅縮緬地松竹梅に匂袋小袖で、背景の裂とともに高島屋史料館が
保存しているそうです。

東郷青児 「巴里の女」 1922年
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東郷青児は1921年からフランスに留学し、リヨン美術学校に学びますが、
1923年の関東大震災で仕送りが途絶えたため、パリに居付いて、
若い芸術家たちの集まるモンパルナスで暮らすようになります。
この絵にはセザンヌやモンパルナスに集うエコール・ド・パリの画家たちの
影響が感じられます。
こちらをまっすぐ見つめた顔はやや憂いを含んでいます。

東郷青児 「ナース像」 1974年
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戦時の救護服を着た看護婦の姿で、モデルは日本赤十字社の看護学生です。
背景は異国の山河を象徴しているのでしょう。
日赤の依頼で描かれた作品で、東郷青児スタイルで描かれていますが、実際の
スカート丈はもっと長かったそうです。
日本赤十字社もこの展覧会の後援団体である縁での展示です。

(日本画)

上村松園 「三美人之図」 1908(明治41)年 光ミュージアム
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松園30歳代の作品で、浮世絵風の図柄です。
手前の女性が一番若く、結綿という若い女性の髪型をして、
孔雀模様の豪華な帯をしています。
奥の女性は眉を剃った、松園のよく描いた引眉にしています。
蛇の目傘の丸の連続が面白い形を作っています。

「円窓」 上村松園 1943(昭和18)年頃
歌002

髪を立兵庫に結い、鹿の子絞りの小袖姿の遊女が立て膝で座っています。
円窓の障子には花を付けた梅の枝の影が映っています。
春の気配の中の遊女は目を伏せて何やら物思いの風情です。
立兵庫という目立つ髪形を見せながら、上村松園らしく品の良い、静かな雰囲気に
包まれています。

上村松園 「うつろふ春」 霊友会妙一コレクション
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脇息にもたれ、散る花を眺めて行く春を惜しんでいます。
絞り染めの打掛に、輪違模様の小袖、髪は勝山髷でしょうか。

鏑木清方 「さじき」 1945(昭和20)年頃
歌003

西の松園、東の清方と呼ばれた、鏑木清方の作品です。
桟敷で芝居見物をする親子です。
後ろには枇杷やサクランボが置かれた初夏の情景で、母親の帯は紫陽花、
娘の紙入れは杜若をあしらっています。
それに対して、着物の柄は母親は桔梗に撫子、娘は色付き始めた楓と、
秋を感じさせる演出です。
全体に緑色を効かせていて、母親のかんざしは翡翠、指輪はエメラルドでしょうか。
娘の口は少し開いていて、母親との表情にわずかな違いを見せています。
昭和20年だと終戦の年で、枇杷やサクランボなど簡単に手に入らなかった頃ですが、
思い出の中の情景でしょう。

鏑木清方 「七夕」 6曲1双 1929(昭和4)年 大倉集古館
左隻
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七夕の竹飾り、瓜、徳利、香炉、桔梗、女郎花と共に五色の糸巻き、琴、筆と柏葉の
模様の着物がお供えされています。
着物の柄はは梶や柏の葉に字を書いて供える風習を表しています。
裁縫、音楽、書道の上達を願う行事です。
左上に金銀の砂子で描かれた天の川を見上げる女性の着物は秋草の裾模様です。

右隻
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水葵と朝顔の模様の着物姿の洗い髪の女性が縁台に腰掛け、白い芙蓉を
眺めています。
網に笹の裾模様の着物の女性は、かがんで針に糸を通しながら水鏡に映る
織姫と彦星を視ているところです。

伊東深水 「楽屋」 明治座
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鏑木清方の弟子だった伊東深水の作品です。
島田髷に蝶の模様の着物、亀甲花菱の帯の女性が舞台の出を控えて、
姿見の前で口紅を差しています。
2011年発行の110円切手の図案にも使われています。
伊東深水の描く女性には厚み、豊かさがあります。

日本画では他に、鏑木清方の「雨月物語」の絵巻物(霊友会妙一コレクション)や
大阪の女流画家、島成園の「お客様」も印象に残りました。

キリンビールのポスターも何点か展示されています。

多田北鳥 ポスター「キリンビール」(明治屋) 1926年
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返杯のグラスを洗っているところです。
新橋の売れっ子芸者だった、まり千代がモデルで、背景は新築された
横浜工場とのことです。
多田北鳥は日本の近代広告デザインの草分けとされています。


エコール・ド・パリの画家の作品や美人画など、さまざまなうるわしい姿の揃った展覧会です。

展覧会のHPです。


【2017/08/08 21:21】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
文化庁新進芸術家海外研修制度 50周年記念展 -美術部門-「洋画」「日本画」「版画」 日本橋髙島屋
日本橋
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日本橋髙島屋8階ホールでは文化庁新進芸術家海外研修制度 50周年記念展
-美術部門-「洋画」「日本画」「版画」が開かれています。
会期は8月14日(月)まで、入場料は一般800円です。

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文化庁が1967年から実施している、若手芸術家を研修のため海外に派遣する、
新進芸術家海外研修制度(旧文化庁芸術家在外研修制度)の50周年記念として、
洋画、日本画、版画の75名の新作が展示されています。
出品作家によるトークや解説も行なわれます。

(洋画)
奥谷博 「Peace」 2017年
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奥谷さんは第1回の1967年フランス派遣です。
背景はパリ郊外で大規模開発によって近代的ビルの立ち並ぶデファンス地区です。
コの字型の建物は、ルーブル宮殿から凱旋門を抜ける、パリの歴史軸の西の端に
建てられたグランダルシュ(大アーチ、新凱旋門)です。
凱旋門の形に合わせて、同じ人物が2人、描かれています。
孫娘さんが終戦時の自分の年齢に近くなったことを思っての題名とのことで、
右側の人はピースサインをしています。

2015年に銀座の日動画廊本店で開かれた、「傘寿・画集刊行記念 奥谷博展」の記事です。

絹谷幸二 「旭日富嶽来迎図」 2017年
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絹谷さんは1977年イタリア派遣です。
平等院を訪れ、来館者の帰った後の館内で飛天たちを写生していると、
飛天が語り掛けてくるように思えたそうです。

2010年に東京藝術大学大学美術館で開かれた、「退任記念展 絹谷幸二 生命の軌跡展」の
記事
です。

田村能里子 「風に還る日」 2017年
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田村さんは1985年中国派遣です。
西域地方の風土に魅せられて、描き続けています。

遠藤彰子 「明日」 2017年
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田村さんは1986年インド派遣です。
明日を目指す人を見ての感動を描いたとのことで、アイススケート選手の
活躍に触発されての作品でしょうか。

呉亜沙 「metabolism」 2017年
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呉さんは2005年アメリカ派遣です。
Metabolismとは新陳代謝のことで、体も心も休みなく代謝を繰り返して
入れ替わっていることを表現しているそうです。

(日本画)
西田俊英 「月と孔雀」 2017年
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西田さんは1992年インド派遣です。
滞在先では昼は白牛、ロバ、ラクダの行き交う所も、夜は雰囲気ががらりと変わり、
幻想的な世界が現れるそうです。

2016年に横浜のそごう美術館で開かれた、「西田俊英展 忘るるなゆめ」の記事です。

2015年に日本橋髙島屋で開かれた、「-いのちの景色- 西田俊英展」での西田さんの
ギャラリートークの記事
です。

町田久美 「丘」 2017年
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町田久美さんは2008年デンマーク派遣です。
きれいな描線で、不思議な姿の人物を描いています。

2010年に西村画廊で開かれた、「町田久美展」の記事です。

(版画)
柳澤紀子 「Sign・予兆 Ⅶ」 2016 年
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柳澤紀子さんは1992年イギリス派遣です。
紙を貼り合わせた、コラージュの作品です。

入江明日香 「La forêt noire」 2017年
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入江明日香さんは2012年フランス派遣です。
La forêt noireは黒い森という意味で、ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)地方の
ケーキの名前でもあります。
猫を肩に載せた、鮮やかな姿は森の守り人を表しているそうです。

展覧会のHPです。


国立新美術館では毎年、この制度で派遣された作家を選抜して作品を展示する、
「DOMANI・明日展」が開かれています。

2016年12月から開かれた「19th DOMANI・明日展」の記事です。

2015年12月から開かれた「18th DOMANI・明日展」の記事です。

2014年12月から開かれた「17th DOMANI・明日展」の記事その1です。
「17th DOMANI・明日展」の記事その2です。
入江明日香さんの作品が展示されていました。

2013年12月から開かれた「16th DOMANI・明日展」の記事です。

2013年1月から開かれた「 DOMANI・明日展 2013」の記事です。

2012年1月から開かれた「DOMANI・明日展」の記事です。
田村能里子さん、遠藤彰子さんの作品が展示されていました。

2010年12月から開かれた「DOMANI・明日展 2010」の記事です。
町田久美さんの作品が展示されていました。

2009年12月から開かれた「DOMANI・明日展 2009」の記事です。
呉亜沙さんの作品が展示されていました。

2008年12月から開かれた「DOMANI・明日展 2008」の記事です。


【2017/08/05 18:32】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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Author:chariot
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