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「大浮世絵展」 江戸東京博物館
両国
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両国の江戸東京博物館では「大浮世絵展」が開かれています。
会期は3月2日(日)までです。
その後、名古屋市立博物館、山口県立美術館に巡回します。

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国際浮世絵学会創立50周年記念、江戸東京博物館開館20周年記念特別展
ということで、国内・海外から約440点の浮世絵を集めて展示するものです。
東京展では7回の展示替があり、各期間は約340点ずつの展示です。

浮世絵前夜の風俗画、初期肉筆浮世絵から、春信、歌麿、写楽、北斎、広重、
国芳、巴水まで、浮世絵の代表作を網羅した、まさに「浮世絵の教科書」の
ような展覧会です。

山口会場には国宝の松浦屏風も展示されます。

「風俗図屏風(彦根屏風)」 寛永年間(1624~44)彦根城博物館 国宝
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1月14日までの展示でした。

小さな屏風で、教養人のたしなみの四芸を題材にした「琴棋書画図」を
元にしていて、遊里の情景を写しています。

山水画の屏風を立て、琴の代わりに三味線を弾き、碁を打っています。
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手紙を読んだり書いたりしている横で、禿が何か指差して右の場面と
つなげています。
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若衆が刀を杖に気取ったポーズを取っています。
近くで見たら刀の鍔は車透かしでした。
髪を結っていない女の姿には生な力強さがあります。
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菱川師宣 「見返り美人図」 17世紀 東京国立博物館
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1月28日から2月16日までの展示です。
肉筆浮世絵で、玉結びの髪に吉弥結びの帯、振袖は菊と桜の花の丸模様です。
後ろ姿にすることで、後ろ結びである吉弥結びを見せ、左袖をひるがえして
模様を際立たせています。

鈴木春信 「雪中相合傘」 大英博物館
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鈴木春信の代表作で、雪の中を行く男女の清楚で睦まじい姿を描いています。
雪を効果的に使った白と黒の対比が印象的で、二人の着物には空摺で模様を
浮き出させています。

東洲斎写楽 「市川鰕蔵の竹村定之進」 
 寛政6年(1794) 東京国立博物館 重要文化財

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1月14日までの展示でした。
まさに切腹しようと裃の右肩を脱いだ姿で、見開いた目、歪んだ口許と
手の形から緊張感が伝わります。
団十郎茶といわれる市川家の好んだ柿色の衣装には三枡の紋が入っています。

江戸東京博物館のロゴは、この向かって右側の目を元に佐藤晃一氏がデザイン
したものです。

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東洲斎写楽 「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」 
 寛政6年(1794) 東京国立博物館 重要文化財

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にらみつけている目、引き結んだ口、懐から突き出した両手が印象的です。
顔を強調するため小さく描かれた手の形がご愛嬌です。

歌川国芳 「相馬の古内裏」 1845-46年頃 名古屋市博物館
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2月18日からの展示です。
大判3枚続きで、山東京伝の「善知(うとう)安方忠義伝」より、大宅太郎光圀が
妖術を使う滝夜叉姫(たきやしゃひめ)と戦う場面です。
西洋の骨格図を参考にしていて描写は正確とのことです。

渓斎英泉 「江戸日本橋より冨士を見る図」 
 文政(1818~29)中頃 江戸東京博物館

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1月20日までの展示です。
周りをアルファベットのような文字で囲って、異国趣味を出しています。
オランダ東インド会社のロゴも混じっています。

葛飾北斎 「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 
 文政末期(1830頃) 江戸東京博物館

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2月20日までの展示です。
冨嶽三十六景を代表する作品で、浮世絵全体を代表する作品ともいえます。
鮮魚を江戸に運ぶ押送船(おしおくりぶね)が波に翻弄されています。

歌川広重 「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」 
 天保(1830~43)中頃 江戸東京博物館

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2月2日までの展示です。
毛槍と馬印を立てた大名行列の一行が朝の日本橋を渡ります。
太鼓橋の形を上手く使っていて、お侍の武張った肘も描写されています。
手前の高札場の横では、日本橋の市場で仕入れた魚屋や八百屋の棒手振りが
商いに出かけるところです。
町の木戸は開けられ、遠くには火の見櫓も見え、いかにも江戸らしい
鮮やかな風景です。

歌川広重 「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」 
 安政4年(1857) 愛知・高浜市やきものの里かわら美術館

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1月26日までの展示です。
隅田川の新大橋(大橋)を西側から見た図です。
川向こうに幕府の御船蔵があり、安宅船(戦艦)を収容していたので、
「あたけ」の地名が付いています。

川瀬巴水 「日本橋(夜明け)」 昭和15(1940)年 江戸東京博物館
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2月2日までの展示です。
会場の最後に展示されていました。

朝の日本橋を抒情的に描いています。
左の建物の上には白木(屋)の文字も見えます。
今のコレド日本橋の場所です。

川瀬巴水(1883~1957)は大正から昭和にかけて活躍した風景版画家です。
新版画という、江戸の浮世絵の技法を受け継ぎながら新しい芸術を目指した
版画を制作し、日本各地の風景を叙情的に描いています。

とても人気のある展覧会で、私は休日の開館時刻の少し後に行きましたが、
すでにかなりの来館者がありました。
1点1点に解説が付いているので、それを読んでいると全部観るのにかなり
時間がかかると思います。


次回の特別展は江戸東京博物館開館20周年記念特別展、「大江戸と洛中
~アジアの中の都市空間~」です。
会期は3月18日(火)から5月11日(日)までです。

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【2014/01/14 20:38】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
「生誕140年記念 下村観山展」 横浜美術館
みなとみらい
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横浜美術館では、「生誕140年記念 下村観山展」が開かれています。
会期は2014年2月11日(火・祝)までで、休館日は木曜日です。
作品は一部展示替えがあります。

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日本美術院を代表する画家で、創設者の一人でもある下村観山(1873-1930)の
作品・資料約150件を展示する展覧会です。

下村観山、本名晴三郎は明治6年に紀州和歌山藩の小鼓方、幸流の家に
生まれています。
明治維新により能は藩の後ろ盾を失い、一家は明治14年に上京し、晴三郎も
絵の修業を始めて、狩野芳崖、そして橋本雅邦に師事しています。
盟友の横山大観が本格的に絵の勉強を始めたのが20歳頃で、かなり遅いのと
対照的です。

この頃は北心斎という、老大家のような号をもらっています。
会場には北心斎の落款のある、中国画を手本にした狩野派風の作品が何点か
展示されています。

明治22年に東京美術学校が開校し、横山大観らと共に第1期生として入学しています。
この頃から観山の号を用いています。
卒業後、直ちに助教授として迎えられますが、明治31年に校長の岡倉天心が
美術学校を逐われると、一緒に辞職し、天心の創設した日本美術院に加わります。


「闍維(じゃい)」 明治31年(1898) 横浜美術館
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日本美術院の第1回展に出品された作品です。
入滅した釈迦の火葬の場面で、闍維とは荼毘のことです。
右から2番目の人物は下村観山自身とのことです。
画家が自分の姿を絵の中に描き入れるのはルネッサンス絵画のボッティチェリを
思い出します。

明治34年には美術学校に復帰し、明治36年から2年間、イギリスに留学しています。

留学中に模写した、ラファエロの「椅子の聖母」「まひわの聖母」、
ジョン・エヴァレット・ミレーの「ナイト・エラント」などの模写が
展示されています。
水彩を使った、すぐれた出来栄えの模写で、技量の高さを示しています。


「木の間の秋」 二曲一双 明治40年(1907) 東京国立近代美術館
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1月10日からの展示です。
空気遠近法を使って近くの立木は濃く、遠くは薄く
描いています。
多くの木々や草が画面を埋めて、かなり賑やかです。
葉脈は金線で描かれていて、華やぎがあります。


「小倉山」 六曲一双 明治42年(1909) 横浜美術館
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小倉百人一首の貞信公(藤原忠平)の歌に拠っています。

  小倉山峰のもみぢば心あらばいまひとたびのみゆきまたなむ

貞信公が林の中で歌の想を練っているところです。
木々は輪郭線を使わない没骨法で、人物は線描で描かれています。
直衣の模様も細かく描き込まれ、木の葉の葉脈には金線が入っています。
木の幹にリスが一匹、描かれています。
画面を横切るように長く伸びた枝が目を惹く構図で、空間表現を意識して
いるのでしょう。
とても手の込んだ意欲作です。

大正2年には実業家の原三渓の招きで横浜の和田山に転居して、
横浜市にゆかりの画家となっています。


「張果老」 二曲一隻 大正10年(1921)頃 横浜美術館
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張果老は唐時代の仙人で、玄宗皇帝にも招かれたこともあります。
驢馬に乗って日に数千里を移動し、休む時は驢馬をたたんで瓢箪に
しまっておいたそうです。
顔は写実的ですが、衣は太い線で大まかに描かれています。

「蜆子(けんす)」 大正10年(1921)頃 桑山美術館
蜆子(けんす)和尚は唐時代の僧で、年中同じ衣を着て、蝦や蜆を捕って食べて
いたといいます。 
墨絵で、左手に網を持った蜆子(けんす)和尚が蝦を捕まえて喜んでいます。
禅画によく選ばれる画題で、観山は蜆子の飄々とした姿を描き出しています。

「魚籃観音」 三幅対 昭和3年(1928) 西中山妙福寺
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魚を商う美女が居て、結婚を申し込む男たちに、観音経・金剛経・法華経を
よく暗誦する者と結婚するとの条件を出します。
この条件を満たした男と結ばれますが、やがて亡くなり、観音の化身と
されるようになります。
唐時代の話ですが、作品ではインドを舞台にしています。
観音の顔がモナリザそっくりなのも面白いところで、西洋画を採り入れようと
する観山の努力を表しています。

下村観山は仏教や中国・日本の古典に拠った作品を多く描いています。


「老松白藤」 六曲一双 大正10年(1921)
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1月8日までの展示です。
金地に大きく枝を伸ばした松とそれに絡みつく藤が装飾的に描かれ、
上に向かう幹の上昇感と、下がる枝の安定感が一体となっています。
熊蜂が一匹、小さく描かれています。
松と藤はよく描かれる題題で、夫婦和合を表しています。

「木の間の秋」や「小倉山」など、意欲的にあれこれ描き入れていた頃と比べ、
画面は単純化され、印象深いものになっています。

「弱法師(よろぼし)」 六曲一双 
 大正4年(1915) 東京国立博物館 重要文化財

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12月20日までの展示でした。
東京国立博物館の平常展にときどき展示されています。
能の「弱法師」を題材にした作品で、下村観山の代表作です。
讒言を信じた父によって家を逐われた俊徳丸は盲目となり、あちこち彷徨ったのち、
春の彼岸の日に四天王寺に辿り着きます。
そこで、俊徳丸を追い出したことを後悔して貧者に施しをしていた父と出会い、
家に帰ることが出来ます。
四天王寺の西門は極楽の東門とされ、西の難波江に沈む夕陽を拝む、
日想観という業が行なわれていた場所です。
満開の梅の傍らに立つ俊徳丸は痩せ衰えた姿で、杖を持ち、大きな赤い入り日に
向かって合掌しています。
束の間の極楽の様を表していて、能の家に生まれた下村観山ならでは作品と云えます。

「竹の子」 昭和5年(1930) 下村晴郎氏蔵
1月8日までの展示で、会場の最後に展示されています。
食道がんの病床にあった観山の許に届けられた竹の子を描いたもので、
絶筆となっています。
確かな線描と瑞々しい色彩で、作品はまったく衰えを感じさせません。


下村観山は、古典の素養を下敷きに、高い技量によって作品を作り上げていった
画家であることがよく分かります。

展覧会のHPです。


【2014/01/12 21:22】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「シャヴァンヌ展」 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
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渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、Bunkamura25周年記念、
「シャヴァンヌ展」が開かれています。

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副題は「水辺のアルカディア ビュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界」と
なっています。
会期は3月9日(日)までで、会期中は無休です。
その後、島根県立美術館に巡回します。

フランスを代表する壁画画家のビュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824-1898)は
リヨン生まれで、若いときのイタリア旅行によってジョットやピエロ・デラ・
フランチェスカなどの初期ルネサンス絵画に感銘を受けています。

「アレゴリー」1848年 油彩・カンヴァス クライスラー美術館
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初期の作品で、まだシャヴァンヌ独特の淡い色調ではありません。
3人は建築、宗教、文学の寓意で、図面を持った建築家の首飾りや
指輪などの質感まで描き出されています。

やがてシャヴァンヌは壁画画家としての才能を見出され、公共建築の壁画を
手掛けるようになります。
そして遂には、ドラクロワ、シャセリオーを継ぐ、公共建築の壁画画家と
されるまでになります。

「幻想」 油彩・カンヴァス 1866年 大原美術館
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縦264cmの大きな作品で、ニンフが葡萄の蔓を投げてペガサスを
捉えようとしていて、子供がリースを作っています。
青い色調が幻想性を増し、神話的な理想郷への憧れを見せています。

「聖ジュヌヴィエーヴの幼少期」 
 油彩・鉛筆・カンヴァス 1875年頃 島根県立美術館

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パリのパンテオンの装飾壁画の縮小版です。
聖ジュヌヴィエーヴはパリの守護聖人で、451年のフン族の攻撃から
パリを守ったとされています。
パリのパンテオンは元は聖ジュヌヴィエーヴ教会として建設され、
1792年に竣工しています。
故郷のナンテールで、聖ジェルマンに見出された場面で、対角線構図で
配された群像の中心に幼いジュヌヴィエーヴが立っています。
手前の水面はセーヌ川を表しています。
フレスコ画のような淡い色調の整然とした、壁画にふさわしい画面です。

「プロ・パトリア・ルドゥス(祖国のための競技)」 
 油彩・カンヴァス 1885-87年 個人蔵

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アミアン美術館階段壁画の縮小版で、横280cmあります。 
フランスは1870-71年の普仏戦争に敗れます。
そのフランスの再建の願いを込めた作品で、若者たちが槍投げの練習をしています。
流れているのはソンム川です。
ベルギー国境に近いピカルディ地方にあるアミアンは普仏戦争、第一次・
第二次世界大戦と3度、ドイツ軍に占領されています。

「プロ・パトリア・ルドゥス(祖国のための競技)もしくは家族」 
 油彩・カンヴァス 1885-87年 トレド美術館

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現在は切り離されていますが、元は「プロ・パトリア・ルドゥス」の
右側に続く画面で、的になった木の幹に槍が突き刺さっています。
作品の切断後に、今回初めて並べて展示されています。

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「羊飼いの歌」 油彩・カンヴァス 1891年 メトロポリタン美術館
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シャヴァンヌはギリシャのアルカディアを題材にした作品を多く描いています。
アルカディアはニコラ・プッサンの「アルカディアの牧人たち」にも描かれた、
理想郷とされる場所です。

この作品では4人の人物が互いに無関係にそれぞれ自分の世界に没入していて、
不思議な雰囲気をつくっています。
シャヴァンヌが象徴主義の画家とされる由縁です。

「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」 油彩・カンヴァス
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リヨン美術館の壁画の縮小版です。
リヨンはローヌ川とソーヌ川の合流する街で、絹織物の産地としても
知られています。
山の中の水辺の、清らかに澄んだ、静けさに満ちた理想郷の情景です。
ギリシャ神殿の前にいるのは、建築(石柱の欠片に腰掛けている)、
彫刻(立っている)、絵画(パレットを置いている)の化身で、
周りには月桂冠を冠ったミューズたちが集まっています。

シャヴァンヌはフランスに留学していた黒田清輝が会って助言を受けたことがあり、
藤島武二や小杉放菴などにも大きな影響を与えています。
東洋画に通じる平面的な画面、優しい色調などに日本の画家は親しみやすさを
感じるのでしょう。
会場には黒田清輝が西洋に倣った「構想画」として描いた、「昔語り」の
下絵類も展示されています。

オーギュスト・ロダン 「ビュヴィス・ド・シャヴァンヌの胸像」 
 ブロンズ 1890-91年 国立西洋美術館

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親しかったロダンの制作した像で、シャヴァンヌはロダンにフロックコートと
ネクタイ、レジオン・ドヌール勲章を着けた姿にしてほしいと要望しています。

展覧会のHPです。

シャヴァンヌは壁画を多く描いた画家ですが、精密な縮小版を遺してくれた
おかげで、このような展覧会によってその魅力を知ることが出来ます。


次回の展覧会はBunkamura25周年記念、「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 
華麗なる貴族コレクション展」です。
会期は4月4日(金)から5月25日(日)までです。


【2014/01/10 22:37】 美術館・博物館 | トラックバック(4) | コメント(0) |
『心の美「富士山」を描く名画展』 日本橋三越
三越前
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日本橋三越本店では『心の美「富士山」を描く名画展』が開かれています。
会期は1月13日(月・祝)までです。
入場料は一般800円です。

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富士山の世界遺産登録を記念する展覧会で、日本画、洋画、版画
約60点が展示されています。

「日本画」

横山大観 「日出処日本」 1940年 個人蔵
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富士山といえばやはり横山大観です。
紀元二千六百年と皇紀が書き込まれています。
太平洋戦争が始まったのはこの翌年です。

横山大観 「日本心神」 1942年 個人蔵
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富士と雲と朝日と山桜です。
本居宣長の歌に拠っています。

  敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花

川端龍子 「怒る富士」 1944年 大田区立龍子記念館
大作で、題名の通りの富士と雷雲を迫力一杯に描いています。
川端龍子の息子は戦死していますが、この作品の翌年に日本は
敗戦を迎えています。

奥村土牛 「富士越え龍」 1976年 
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1976年は辰年に当たり、宝永火口に龍を配しています。
奥村土牛の富士には立体感があります。

田渕俊夫 「輝光」 1985年
大きな作品で、田渕さん特有の高空から見た眺望です。
画面一面に群青色の富士と裾野が描かれ、街の光が星のように
またたいています。

片岡球子 「赤富士に春来る」 1993年
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鈴蘭と満開の梅が描かれています。
笛吹市芦川町には鈴蘭の群生地があります。

稗田一穂 「富士の見える駅」 1994年 成川美術館
駅のホームから見上げた先に富士の山頂が見えます。
犬を連れた女性が踏切を渡っている、日常の風景の中の富士山です。

平松礼二 「日本の祈り」 2013年
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海は青海波、麓は桜の満開で、富士は紅白梅に包まれ、装飾的な作品です。


「洋画」

林武 「赤富士」 1967年 彫刻の森芸術文化財団
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浮彫のように厚塗りの赤富士で、大沢崩れも描かれています。

絹谷幸二 「蒼天富嶽龍宝図」 2008年
明るい群青色の空と富士の前で、玉を掴んだ龍が踊っています。


「版画」

川瀬巴水 「山中湖不動坂」 1936年 渡辺版画舗
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秋風が雲を走らせ、薄を揺らせています。

人々に親しまれてきた富士山も画家によりさまざまな捉え方、
思い、表現があるものだと思います。


【2014/01/07 22:28】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「星星會展」 日本橋高島屋
日本橋
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日本橋高島屋では「星星會展」が開かれています。
会期は1月13日(月・祝)までです。
入場料は一般800円です。
その後、名古屋の松坂屋美術館、京都文化博物館、広島県立美術館を巡回します。

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星星會展は下田義寛(1940-)・竹内浩一(1941-)・田渕俊夫(1941-)・牧進(1936-)の
4人によるグループ展で、2005年に第1回展が開かれ、以降隔年で開催され、
2013年に終了した展覧会です。

会の命名と題字は趣旨に賛同した髙山辰雄さんによるもので、「小さな星でも
切磋琢磨によって大きな星として輝くようになる」との意味で名付けたそうです。
下田さん、田渕さんは院展、竹内さんは日展、牧さんは無所属と、
経歴はさまざまですが、どれも深みと品格のある作風です。

それぞれの作品、約20点ずつが展示されています。

下田義寛 「聴春」
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富士山を逆光の中に浮かび上がらせています。
下田さんの描く富士山は色彩に力があり重厚です。

竹内浩一 「花回る」
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竹内浩一さんは淡い色彩による鋭い写実で動物を描いています。
動物は竹内さんの自画像でもあるそうです。

竹内浩一 「夜さめ」 四曲一隻
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竹内さんが魚を題材にするのは珍しいそうです。
雨に喜ぶ鯰たちで、嬉しそうな表情まで描かれています。
亀も一匹混じっています。

田渕俊夫 「大地」
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遠山からの雪解け水が田を潤しています。
少ない色数による構成的な画面が田渕俊夫さんの特徴です。

田渕俊夫 「好日」
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稲は稲木に架けられ、藁が燃やされています。

牧進 「秋初め」
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ひび割れた地面の模様の面白さと雀の群れの賑わしさを描いています。
猫じゃらしに季節を感じます。

牧進 「闌(たけなわ)」
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桜の散る中で丹頂が舞っています。

牧進 「美麗相愛」 四曲一双
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金の孔雀、銀の牡丹は黒の地から浮かび上がり、幽玄な世界を見せています。
孔雀は牡丹に求愛しているようです。


【2014/01/05 21:04】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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Author:chariot
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