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「幸之助と伝統工芸」展 パナソニック汐留ミュージアム
新橋
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新橋のパナソニック汐留ミュージアムでは開館10周年記念特別展、
「幸之助と伝統工芸」が開かれます。
会期は8月25日(日)までです。

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休館日は毎週水曜日で、5月28日までの前期、5月30日から7月9日までの中期、
7月11日からの後期で一部展示替えがあります。

松下電器(現パナソニック)の創業者、松下幸之助(1894-1989)は多数の
美術品を購入したり、公益社団法人日本工芸会などの団体の役員を務めるなど、
文化支援活動を続けていました。

展覧会では松下幸之助ゆかりの工芸作品計約90点を展示して、松下幸之助と
伝統文化との関わりを紹介しています。

松下幸之助は40歳過ぎてから茶に親しみ、裏千家十四代千宗室と親交を深め、
宗晃という茶名も受けています。
そして、茶道具に触れるうち、工芸品に関心を持つようになり、やがて
「日本の伝統産業はものづくりの原点である」と確信しています。

また、自分の使う茶道具は現代作家の物が多く、それは人間そのものに関心の
深かった松下幸之助が「もの」を生み出す作家に興味を持っていたことの表れ
だそうです。

第1章 素直な心 ―幸之助と茶道

幸之助と茶道の関係についての展示です。

第2章 ものづくりの心 ―幸之助と伝統工芸

収集した伝統工芸品を中心にした展示です。

石黒宗麿 「彩瓷壷 晩秋」 1959年頃 パナソニック株式会社蔵
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デザイン化された柿の実が並んだ面白い図柄です。

富本憲吉 「色絵柳胴紐大鉢」 1944年 パナソニック株式会社蔵
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ちょっと南蛮風の模様がすっきりとして華やかです。

近藤悠三 「梅染付壷」 1973年 パナソニック株式会社蔵
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勢い良く描かれた、絵画的な作品です。

角谷一圭 「芦鷺地文真形釜」 1961年頃 パナソニック株式会社蔵
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なびく芦と飛ぶ鷺が鋳出され、風を感じさせます。
茶釜の湧く音は松籟といって、松の枝葉に吹く風にたとえられます。

大場松魚 「平文南飛色紙箱」 1984年頃 パナソニック株式会社蔵
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梅の花が散らされ、鶴の群れが羽根を伸ばして飛ぶ様が描かれています。

他にも現代の伝統工芸を代表する、陶芸の荒川豊蔵、金重陶陽、
河井寛次郎、清水卯一、濱田庄司、藤原啓、染色の志村ふくみ、
森口華弘、漆芸の音丸耕堂、松田権六、木工の黒田辰秋、
人形の平田郷陽、堀柳女などの作品も展示されています。

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松下幸之助は「工芸品のようなものを松下電器も作らないといけない。
大量生産品でも工芸品のような精密、正確なものをつくらないといけない。」
とも述べています。

日本の「ものづくり」は今、大きな曲がり角に立っています。

このようなときに、松下幸之助の原点を振り返る良い機会となる展覧会です。

展覧会のHPです。


【2013/04/25 00:02】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
「国宝 燕子花図屏風 琳派の競演」展 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館ではコレクション展、「国宝 燕子花図屏風 <琳派>の競演」
が開かれています。
会期は5月19日(日)までです。

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毎年恒例の「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」を中心にした、
琳派の作品の展示です。

「燕子花図屏風」 尾形光琳 江戸時代 18世紀 国宝
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(左隻)
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(右隻)
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この季節になると観ることの出来る屏風で、今年も咲いてくれたという
思いで鑑賞します。

「桜下蹴鞠図屏風」 江戸時代 17世紀 重要美術品
(右隻)
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お公家さんや僧侶が満開の桜の下で蹴鞠に興じています。
鞠が画面上で半分だけ飛び出しています。

左隻では、塀の外で従者たちが退屈そうに主人の帰りを待っています。
大きく伸びをして、あくびする者もいて、のどかな風景です。
右隻の人物が様々の衣装を着て、動きのあるのに対し、左隻の従者たちは
黒烏帽子に白の水干姿で、静かに座っています。
左隻の、水辺を表す線も大胆で、モダンです。
右隻と左隻を、枝を伸ばした桜がつないでいます。
大らかな雰囲気で、俵屋宗達の工房による製作と考えられています。

「四季草花図屏風」 「伊年」印 江戸時代 17世紀
(左隻)
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穏やかな色調で、植物を四季の移り変わりにつれて、右から左に描いています。
薊、蒲公英、土筆、大根、鉄線花、撫子、牡丹、立葵、百合、紫陽花、鶏頭、粟、
茄子、薄、桔梗、萩、菊、南天、水仙などです。
「伊年」の印が押してあるので、これも俵屋宗達の工房の作品と思われます。

「浮舟図屏風」 江戸時代 17世紀
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源氏物語の「浮舟」の一場面で、匂宮が浮舟を連れ出して舟で宇治川を
渡っているところです。
六曲一隻で、金色の舟が真中に斜めに大きく描かれているのが印象的です。
長谷川派の作らしいものの、舟の表現には俵屋宗達の影響が見られるそうです。

「白楽天図屏風」 尾形光琳 江戸時代 18世紀
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謡曲、「白楽天」を描いた作品です。
唐の詩人、白楽天が日本に渡ろうとしたところ、海上で老いた漁師
(実は和歌の神、住吉明神の化身)に出会い、和歌の力を知らされ、
神風によって吹き戻されたというお話です。
白楽天を乗せた船の描き方の奇抜さが眼を惹きます。
「浮舟図屏風」の影響があるのかもしれません。

「夏秋渓流図屏風」 鈴木其一 江戸時代 19世紀
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(左隻)
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(右隻)
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江戸琳派の鈴木其一の作品です。
右隻は夏で山百合、左隻は秋で桜葉の紅葉を写実的に描きこんでいます。
一方で、笹の葉は単純で様式的な形にまとめてあるので、観る人の注意は
山百合と桜葉に向きます。
檜は葉の緑が盛り上がるように厚く塗られ、右隻の檜には蝉が一匹止まっています。
全体に濃密な画面で、こちらに向って流れ込んでくる鮮やかな青色の水流の
表現は劇画のようです。
土手や奥の樹木は、芝居の書割のように重ねられていて、平面的な構成です。
圧迫するような力と、近代的なデザイン感覚にあふれています。


展示室5のテーマは「仁清と乾山―都のはなやかなやきもの―」です。

琳派の地、京都を代表する焼き物、野々村仁清と尾形乾山の作品の展示です。

「色絵鉄仙花文茶碗」 野々村仁清 江戸時代 17世紀
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高麗茶碗のような地ですが、のびのびとした筆が入っています。

「銹絵玉取獅子摘四方香炉」 尾形乾山 正徳5年(1715) 個人蔵
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銹絵とは錆漆という漆で描く技法です。
四角い香炉で、摘みは高欄の中で鞠を持つ獅子です。


展示室6のテーマは「清和月の茶」です。

清和月は旧暦の四月のことで、夏の始まりです。
展示も風炉、浅い夏茶碗など、夏の茶道具が中心です。


「時鳥和歌図」 冷泉為恭 江戸時代 19世紀
墨絵で、烏帽子を被った男がくつろいだ姿で座って空を眺めています。
空には「ほととぎすなきつるかたを」と書かれています。 

  ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる 

千載集に入っている藤原実定の歌で、百人一首にも撰ばれています。


展覧会のHPです。





次回の展覧会は特別展、「やきものが好き、浮世絵も好き」です。
会期は6月1日(土)~7月15日(月・祝)です。

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【2013/04/23 00:04】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
「インターメディアテク(東京大学のミュージアム)」 丸の内 JPタワー
東京
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JPタワー学術文化総合ミュージアム、「インターメディアテク(IMT)」は
丸の内の東京中央郵便局の旧局舎跡に建てられたJPタワーの2.3階にあります。

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日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働して運営を行なう
ミュージアムで、JPタワーの開業日の3月21日にオープンしました。
開館時間は午前11時から午後6時まで、5月23日からは木金は午後8時までになります。
月曜日休館、入場は無料です。

一部保存された東京中央郵便局の旧局舎の部分にあって、窓からは
東京駅丸の内駅舎も見えます。
「インターメディアテク」とは、各種の表現メディアを架橋することで
新しい文化の創造につなげる、「間メディア実験館」という意味だそうです。

東京大学の開発によるオリジナルグッズの販売も行われています。

広い展示室には東京大学の所蔵する学術標本や研究資料が常設展示されています。
昔の陳列棚や机なども使い、多数の動物の剥製や骨格標本、植物の標本、
昔の実験器具、機械などが並んでいます。

古い大きな理科室にいるような雰囲気で、モース博士や寒月君が現れそうです。

階段の壁にはマチカネワニの大きな骨格が貼り付いていたり、階段教室が復元されて
いたりと、展示のデザインも工夫されています。
明治以来、東京大学が営々と積み重ねてきた学術研究の一端を垣間見出来る、
興味深い展示です。

JPタワーにオープンした商業施設のKITTEに行かれる折には、ご覧になることを
お奨めします。
KITTEのショップや東京駅の雰囲気とはまったく違う空間です。

インターメディアテクのHPです。


JPタワーの3階から吹き抜けを見下ろしたところです。

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【2013/04/20 00:01】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「春の名品選 藝大コレクション展」 東京藝術大学大学美術館
上野
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上野の東京藝術大学大学美術館では「春の名品選 藝大コレクション展」が
開かれています。
会期は5月6日(月・祝)までです。

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東京藝術大学の前身の東京美術学校による、日本画、西洋画、彫刻、
工芸品などのコレクションのうち約70件が展示されています。

「絵因果経」 紙本着彩 8世紀後半 国宝
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5世紀に漢訳された過去現在因果経を絵入りの経巻にしています。
上段に釈迦の物語が素朴な表現で描かれています。
会期中に巻き替えがあります。

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狩野芳崖 「不動明王」 紙本着彩 1887年 重要文化財
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ゴツゴツした肢体の不動様です。
光背の代わりに背景に金泥を塗って輝かせ、その姿を浮き上がらせています。

上村松園 「序の舞」 紙本着彩 1936年 重要文化財
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2009年の東京藝術大学の所蔵作品展でこの作品を観た時の記事は以下の通りです。

『等身大の大きさの掛軸で、若い女性が能の仕舞を舞っているところです。
前に伸ばした右手は扇を逆手に持ち、袖を腕に巻いた、華やかな瞬間です。
松園特有の、柔らかい赤の振袖の裾模様は、彩雲です。
雲母を使っているのか、雲は輝いて見え、フットライトのようです。
帯は斜めに結んであるのが分かるので、立矢帯という格調の高い結び方の
ようです。
帯地は金、模様は鳳凰に桐です。
雲と、その上を飛ぶ鳳凰という組合せです。
髪型は文金高島田という、これも格調高い型で、かんざしは牡丹でしょうか。
牡丹も鳳凰と一緒に描かれる花です。
衣装は豪華でありながら、立ち姿は清楚で、緊張感があります。
やはり、観る甲斐のある作品でした。
特に裾模様の輝きの美しさは、実際に作品を観ないと分かりませんでした。』


鏑木清方 「一葉」 紙本着彩 1940年
2009年の東京藝術大学の所蔵作品展でこの作品を観た時の記事は以下の通りです。

『上村松園の「序の舞」の隣に並んでいます。
樋口一葉を、地味な着物に前掛けをして、針仕事の手を休めている、市井の
女性の姿として描いています。
その顔は意思的で、写真のほとんど残っていない一葉は、この絵で紹介
されることが多いです。
背景は何もありませんが、ランプが吊ってあって、夜なべ仕事と、明治という
時代を思わせます。』

赤松麟作 「夜汽車」 キャンバス・油彩 1901年
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女の子を寝かしている母親、煙草に火を付ける老人、窓の外の景色に
見入る老人、話し込む人など、さまざまな人たちが描かれています。
草鞋履きの足も見え、足元にはお茶の土瓶やみかんも皮も転がっていて、
季節を感じさせます。
車内灯の光、入口に立つシルエット、マッチの光、暗い車外の景色など、
光を効果的に使っています。
日本画では雨宿りの場面を借りてさまざまな種類の人たちを描く趣向が
ありましたが、それと似たような画題です。

橋本平八 「裸形の少年像」 1927年
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高さ154.2cmの木彫で、黒く彩色されています。
敬虔な表情をした少年で、一歩前に踏み出した姿は
古代エジプト彫刻のようです。

橋本平八 「花園に遊ぶ天女」 1930年
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高さ121.7cmの木彫で、全身に花模様が浅く線彫りされ、唇は赤く彩色
されています。
アールデコ風のヘアスタイルをしていて、右足を少し上げた姿は軽やかで、
モダンな雰囲気です。

橋本平八(1897-1935)は三重県生まれで、彫塑部があった頃の院展などに
出品していましたが、38歳で早世しています。

特別展示1
都市を描く―移りゆく東京と画家

東京を描いた作品の展示です。

近藤浩一路 「京橋」 キャンバス・油彩 1910年
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電柱が立ち、京橋川を市電が渡っています。
現在に比べると人通りも少なく、まだのどかな風景です。
都市を俯瞰した構図の風景画は印象派から学んだものかもしれないそうです。

小絲源太郞 「屋根の都」 キャンバス・油彩 1911年
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上野の山から見た浅草方向の景色で、左奥に浅草十二階(凌雲閣)らしい
物が見えます。
一面の屋根に朝日が当たり、手前には電線を張り巡らせた電柱も見えます。
浅草十二階は1923年の関東大震災で倒壊し、その後の復興によって東京の
風景も一変しています。

前川千帆 「有楽町駅」 紙・木版多色刷 
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8人の作家が関東大震災後の東京の風景を描いた版画集、「新東京百景」
(1929-1932年)の中の一つです。
鉄骨を使った柱や屋根など、駅の雰囲気は今と同じです。
駅名表示が「いうらくちやう」となっています。
時代としては世界大恐慌の頃にあたりますが、作品からは暗さは感じられません。

特別展示2

修復記念―小磯良平 「彼の休息」
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「彼の休息」(1927年)は小磯良平の東京美術学校の卒業制作です。
表面に塗ったワニスが黄色くなり、亀裂も生じていたので、ワニスを
塗り替え、亀裂の補修も行なって、今回公開されました。

作品のモデルは神戸第二中学校以来の友人の竹中郁で、ラガーシャツ姿で
休んでいるところです。
神戸では外国人によって伝えられたラグビーが早くから根付いていたそうです。
小磯良平はその頃マネを熱心に研究していたので、マネの画集も置いてあります。
勢いの良い作品で、シャツやソックス、パラソルの縞模様が眼を惹きます。
さすが神戸らしい、1927年とは思えないモダンな雰囲気があります。

同級生の山口長男によれば、小磯良平は美術学校始まって以来の秀才と呼ばれ、
「とにかく筆を持って書き出したならば、完璧なものを生み出し、失敗という
ことはなかった」そうです。
技量の高い画家は従来の様式を越えて新しいものを追求することが多いのですが、
小磯良平は生涯一貫した画風を続けています。

展覧会のHPです。


東京藝術大学大学美術館では「夏目漱石の美術世界展」が開かれます。
会期は5月14日(火)- 7月7日(日)です。

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秋には「国宝 興福寺仏頭展」も開かれます。
会期は9月3日(火)-11月24日(日)です。

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【2013/04/18 00:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「カリフォルニアデザイン展」 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では「カリフォルニアデザイン1930-1965 」展が
開かれています。
会期は6月3日(月)まで、火曜日が休館日です。

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副題は「モダン・リヴィングの起源」で、第二次世界大戦後にアメリカの
大衆文化の中心として飛躍的な発展を遂げたカリフォルニアの生み出した、
「ミッドセンチュリー・モダン」のデザインをテーマにした展覧会です。

カリフォルニアの温暖な気候、楽観主義的な気風、アジアやメキシコに近い
という立地から、開放的で明るいデザインが生まれています。

「机、椅子」 
 ケム(カール・エマニュエル・マーティン)・ウェーバー 1938年頃

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木、プラスチック、クロムメッキ加工のアルミを組合わせたセットです。
第二次世界大戦前にすでにこのようなモダンなデザインが生まれていました。
私も使ってみたくなります。

「添え木」 チャールズ&レイ・イームズ 
 エヴァンス・プロダクツ社成型合板部門 1941-45年頃

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第二次大戦の負傷兵のために作られた成型合板の添え木です。
15万本以上製造されたそうです。
イームズ夫妻はロサンゼルスを拠点に、成型合板やプラスチックなどを用いて
多くの工業製品や建築のデザインを行なっており、この添え木が最初の
大量生産品です。

「象」 チャールズ&レイ・イームズ 
 エヴァンス・プロダクツ社成型合板部門 1945年


合板を立体的に成形する技術によって作られた玩具です。
小さな子供が乗ることが出来る丈夫さです。
1945年は日本が太平洋戦争で降伏した年ですが、アメリカはこのような玩具を
作る余裕があった訳です。

「ダイニング・チェア・ウッド」 チャールズ&レイ・イームズ 
 エヴァンス・プロダクツ社成型合板部門 1945-49年

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成型合板製で、底板と脚の間にはゴム製のショックマウントが入っています。
デザイン性に優れ、座り心地も良さそうな椅子です。

「イームズ・ストレージ・ユニット」 チャールズ&レイ・イームズ 1949年頃
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現在も販売されている、組み合わせ家具です。
簡素で使いやすく、大量生産にも向いています。
カリフォルニアは軍需工場の従業員や復員兵のために大量の住宅需要があり、
カリフォルニアデザインを発展させる基にもなっています。
軍事用に使われた成型合板、ファイバーグラス、合成樹脂といった新素材が
住宅や日用品の素材に転用されています。

「エアストリーム バンビ」 ウォーリー・バイアム 
 エアストリーム・トレイラー・インク 1961年

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会場の入口に置いてあって、ひと際目を惹きます。
アルミ製のトレイラーで、板はリベット留めがされています。
まるで爆撃機の胴体のようで、航空機製造技術の応用であることが分かります。
第二次大戦中のカリフォルニアは航空機産業の中心でした。

「マーマン邸 レクリエーション・パヴィリオン(アーケディア)」 
 バフ・ストラウブ&ヘンスマン社 1958年 写真:ジュリアス・シュルマン

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カリフォルニアデザインの住宅は大きなガラスを使い、陽の光を取り込み、
家の内外を一体化して開放的です。

左:「バービー人形」 マテル社 1959年
バービーはカリフォルニアの玩具メーカー、マテル社によって1959年に発売が
開始されています。

右:「サーフ・ボード」 グレッグ・ノル 1960年頃
カリフォルニアといえば、ビーチ、太陽、サーフィンを思い浮かべます。
木製だったサーフボードもファイバーグラスを使うことで軽くなっています。

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「女性用水着」 メアリー・アン・デウィーズ 1961年
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星条旗をあしらった水着です。
楽天的で自己肯定的なカリフォルニアデザインを象徴しているようです。
ザ・ビーチ・ボーイズが結成されたのも1961年です。

カリフォルニアデザインは資本主義アメリカの経済、生活文化の優位を示す
象徴として、冷戦時に映画などを通じて世界中に宣伝されてもいます。

しかし、ベトナム戦争の泥沼化によってやがて明るいカリフォルニアにも影が
差してきます。
1965年はアメリカが北ベトナムへの爆撃(北爆)を開始した年であり、
不安な雰囲気の「ホテル・カリフォルニア」をイーグルスが歌ったのは1976年です。

現在の私たちの周りにある品々のデザインにも大きな影響を与えたカリフォルニア
デザインを知ることの出来る、とても興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。





【2013/04/13 00:08】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

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