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「ジョアン・フック絵画展」 大丸東京店
東京
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大丸東京店美術画廊では、「ジョアン・フック絵画展」が6月25日(火)まで
開かれています。

ジョアン・フックさん(1952~)はオーストラリアの女流画家で、
鮮やかな色彩と明快な形で南の国の景色や生き物を描いています。

展覧会ではシルクスクリーンやミストグラフの作品が展示されています。
海中を描いた絵ではさまざまな魚が泳ぎ回り、どれも親しみやすく、
夏にふさわしい作品です。

ジョアン001

植物の生い茂る密林を鳥や蝶が飛び交い、オオトカゲの尻尾も見える、
南の楽園です。


【2013/06/21 00:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「プレイバック・アーティスト・トーク」展 東京国立近代美術館
竹橋
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竹橋の東京国立近代美術館では 、「プレイバック・アーティスト・トーク」展が
開かれています。
会期は8月4日(日)までです。

ア001


東京国立近代美術館では2005年以来、コレクション展に展示された作品の前で
アーティスト本人が自作について語る、「アーティスト・トーク」を開いており、
その数は30回になります。

展覧会では特に絵画の作家を選び、トークのダイジェスト映像とともに
コレクションの作品約40点を展示しています。
トークの要点をまとめた小冊子も配布されています。

作家は以下の12名です。

秋岡美帆、岡村桂三郎、児玉靖枝、小林正人、鈴木省三、辰野登恵子、
堂本右美、中川佳宣、長沢秀之、日高理恵子、丸山直文、山口啓介

私が記事にしたことのあるのは岡村桂三郎、辰野登恵子、丸山直文の3名です。


岡村桂三郎 「黄象 05-1」 2005年
ア004

岡村桂三郎さん(1958~)は東京都出身の日本画家で、板に怪物などを
ごつごつとした筆触で武骨に描いています。

トークの一部です。

『絵を描くということは、単に映像が見えるようにするための行為ではなくて、
画面に一種の念を入れていく作業だと思う。
日本画の岩絵具は油絵具やアクリルのようにコーティングされておらず、
素材の味をそのまま出しており、面白い材料。

2003年頃からは屏風状の作品を大量に描いている。
自分の作品は「絵画」ではなく、「絵」と言っている。
近代の絵画は四角い画面の中に描かれるが、江戸時代は屏風や掛軸で
あったりして、もっと自由だった。
「絵画」の仲間入りをすることで「日本画」になったと思うが、
それ以前の「絵」の段階で考えたい。』 

2009年に日本橋高島屋の美術画廊Xで開かれていた「META II 2009」展で
岡村桂三郎さんのギャラリートークがありました。
「META II 2009」展の記事です。


辰野登恵子 「Untitled 95-9」 1995年
ア005

辰野登恵子さん(1950~)は長野県出身で、形というものを意識した
抽象画を描いています。

トークでの一部です。

『70年代にはポップアートに影響を受けて、写真をキャンバスに埋め込むような
作品を描いていた。
しかし、自分の道を探りたいと思って、方眼紙に線を一本書き入れて、
無機質なものに自分の感情を加えるような作品を作った。
これがアメリカで起きていた、最小限にして最大のことを語るという
ミニマリズムというアートの流れに合っていることを後で知って、本当に驚いた。
78年くらいから紙の仕事から離れて、キャンバスに描く世界に戻った。
80年頃はアメリカの抽象表現主義の見直しの時期で、自分も近代の日本も含めて
絵画についての考えを積極的に出していこうと考えるようになった。

「Untitled 95-9」は、中の空洞を外側の空気圧と違ったものに見せるためには、
空洞を空洞として描くのではなくて、それをずらして偶然組み合わさって出来た
というイメージにしている。
抽象画であっても、具体的なものからヒントを得てもよいが、たとえばこの空洞を
窓としたら、窓なら当然その向こうに空があるという発想ではなくて、あくまで
内側から発せられた形でありたい。』

2011年に資生堂ギャラリーで、「辰野登恵子展 抽象-明日への問いかけ」が
開かれていました。
「辰野登恵子展 抽象-明日への問いかけ」の記事です。

また、2012年には国立新美術館で、「与えられた形象―辰野登恵子/柴田敏雄」展が
開かれていました。
「与えられた形象―辰野登恵子/柴田敏雄」の記事です。


丸山直文 「Garden 1」 2003年
ア006

丸山直文さん(1964~)は新潟県出身で、下塗りをしていないキャンバスに
水で絵具を染み込ませるステイニングという技法によって風景画などを描いています。

2011年に損保ジャパン東郷青児美術館で開かれていたタグチ・アートコレクション
特別展、「GLOBAL NEW ART―現代アートをもっと楽しむために―」に丸山さんの
作品が展示されていました。
「GLOBAL NEW ART―現代アートをもっと楽しむために―」展の記事です。

トークでの一部です。

『絵を描き始めようと思った80年代後半はすでに「絵画のための絵画」といった
完全な形の作品が言われていて、ある意味、「絵画は終わった」とも言える。
自分としては具象画は描けないし、かと言っていわゆる抽象画も描けないし、
そこで自分の中にある美術史ということや自分の作品というものを括弧に入れて
リセットして再スタートさせようと思い始めた。

「Garden 1」はベルリンに居たときに近くの公園に近所の子供たちを連れて
遊びに行った時の光景。
子供を見ようと思うと影の部分が見えない、全体的な絵を見ようと思うと
子供が見えてこないで色の点になっている。
絵を見るときというのは目がすごく動いている。
ボードレールは「絵は壁に掛かっているから唯一の視点を持てるだろう。」と
いっているが、やはり視点を動かしている。
そういうことをもっと活性化させる形で描いたらいいなと思う。』


他に、中川佳宣さん(1964~)のトークでは、ジャクソン・ポロックが
床に置いたキャンバスの周りを廻りながら絵具を撒くドリッピングを
している映像を見て、自分の叔父が苗代で種を撒いている姿と重なって見え、
日本人もアメリカ人もない、それを超えたものを感じた、という面白い話も
ありました。


作家自身の話を聴くと、作品への観方も変わったり深まったりして、
興味も増します。
特に現代作家の場合、作品を観ただけではよく解らず、読み違えてしまう
場合もあります。
作家の方に訊くと、どう観るかは観る人の自由ということをよく言われますが、
やはりどうしてそのような作品が出来たかを知りたいものです。

全員のトークの映像も観たいのですが、1人約15分なので、全部観ると
3時間かかります。
展示されている作品を観て、興味を持った作家の映像を観るのも良いでしょう。

展覧会のHPです。

YOUTUBEに「プレイバック・アーティスト・トーク」展のプロモーションビデオ
載っています。


東京国立近代美術館では「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」が開かれます。
会期は9月3日(火)から10月14日(月・祝)までです。

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【2013/06/19 00:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「川合玉堂展」―日本のふるさと・日本のこころ― 山種美術館
恵比寿
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恵比寿の山種美術館では特別展、生誕140年記念、「川合玉堂―日本のふるさと
・日本のこころ―」展が開かれています。
会期は8月4日(日)までです。
7月7日までの前期と7月9日からの後期で展示替えがあります。

玉001


川合玉堂(1873~1957)は日本の自然とそこに暮らす人びとを詩情をもって
描いた画家です。
展覧会では山種美術館の所蔵する作品約70点すべてを展示しています。

川合玉堂は愛知県出身で、岐阜県で育ち、1887年に14歳で京都の四条派の
望月玉泉に学び、さらに幸野楳嶺に師事しています。
幸野楳嶺は竹内栖鳳や菊池芳文の師でもあります。

「鵜飼」 1895(明治28)年
玉012

部分
玉011

若い玉堂の力作で、京都で開かれた第4回内国勧業博覧会に出品されています。
大きな画面の作品で、そそり立つ岸壁の下、篝火の煙をなびかせて漁をする
鵜飼舟を描いています。

川合玉堂は同じ会場で橋本雅邦の出品した「龍虎図屏風」(現在、重要文化財)
や「釈迦十六羅漢図」に衝撃を受け、翌年上京して雅邦に入門します。
なお、この第4回内国勧業博覧会では黒田清輝が「朝妝」を出展して、
裸体画ということで騒動になっています。

「二日月」 1907(明治40)年 東京国立近代美術館
玉007

前期展示です。
小諸の風景が元になっていて、円山四条派と狩野派を併せ、さらに近代的写実も
取り入れて、玉堂のその後の方向を決めた作品とのことです。
川を渡る人馬の姿は霞み、暮れかかる空には三日月より細い二日月が出ています。
水気を含んだ景色とそこに暮らす人物を抒情的に描くという、川合玉堂の特徴が
表れています。

「紅白梅」 1919(大正8)年 六曲一双 玉堂美術館
玉002

左隻
玉003

右隻
玉004

金箔地に、右隻の下から立ち上がって左隻にも枝を延ばす白梅と、
左隻の上から枝を下ろす紅梅の組合わせです。
右隻二羽、左隻に一羽の四十雀が止まっています。

大正期は琳派の画風が流行した時代とのことで、この屏風も尾形光琳の
「紅白梅図屏風に倣っています。
はじめ学んだ丸山四条派、橋本雅邦からの狩野派、さらには琳派と、
さまざまな画法をこなせるというのは、その技量の高さを示しています。

「雪亭買魚」 1938(昭和13)年頃
縦長の掛軸で、雪景色の湖に張り出した庵の主が小舟に乗った漁師から
魚を買っています。
小橋を渡る釣り人も見える、文人画の趣きのある味わい深い作品です。
1930年代になると、自然と人を情趣豊かに描く、玉堂特有の世界が広がります。

「鵜飼」 1939(昭和14)年頃
玉005

川合玉堂は岐阜県育ちなので、長良川の鵜飼は馴染み深い題材であり、
生涯に500点あまり描いているそうです。
流れを下る鵜飼舟の篝火の明と岩場の暗が対照され、煙に霞む船頭も見える、
躍動感のある作品です。

  水を空を焼きて狩来る鵜舟かな

川合玉堂は俳句も好んで詠んでいます。

「春風春水」 1940(昭和15)年
玉006

川の急流に張ったワイヤーを使った渡し舟と、岩場に咲く山桜です。
満々とした蒼い水の描写が印象的な作品です。

  しげり立つ青葉にそそぐ雨の音にまじりて多摩の川音たしかも

梶田半古から、俳句は俗だから和歌を詠むように勧められて和歌も始め、
歌集「多摩の草屋」を編むまでになっています。
梶田半古は小林古径、前田青邨、奥村土牛の師でもあります。

河合玉堂は多摩地方の風景を愛してよく描いています。
戦時中は奥多摩に疎開し、東京の自宅が空襲で焼失した後は現在の
青梅市御岳に移り住んでいます。

「雪志末久湖畔」 1942(昭和17)年
玉008

志末久(しまく)とは風の激しく吹き寄せることを言います。
吹雪の寄せる湖畔の景色で、冷たく張りつめた空間が広がっています。
古典的な山水画の雰囲気を残していますが、雪をいただいた山塊の重なりは
写実的です。

「山雨一過」 1943(昭和18)年 絹本・彩色
原風景005

雨上がりの山道の情景です。
谷から吹き上がる風に木々も草も馬子の蓑も揺れ、雲も千切れて飛んで行きます。

「早乙女」(部分) 1945(昭和20)年 絹本・彩色
原風景002

終戦の年に描かれていますが、常と変わらぬ農村の営みです。
畦道は一気に引いたような太い線で、たらし込みも使われています。
田植は早乙女が中心になる農作業ですが、戦時中で男手の足りない
時でもあります。

「朝晴」 1946(昭和21)
玉009

部分
玉010

大きな作品で、崖から伸びる松、尾根道、遠山の重なった雄大な景色です。
遠くの尾根道を行く人と馬は朝霧の中から現れています。

「渓雨紅樹」  1946(昭和21)年 絹本・彩色
原風景006

谷あいの村は雨に煙り、紅葉した木々の葉はうなだれています。
白抜きで表された道を傘を差した人が二人歩いています。
川合玉堂はよく風景の中に何人かの人を描いて、人のつながりを表しています。

  家毎に水車まはるや柿紅葉

川合玉堂は写生の折に見かけた水車小屋の風景を気に入り、自宅の庭に
水車を作ってその音を楽しんだということです。


松竹梅を横山大観、竹内栖鳳とともに描いた三幅対、横山大観、川端龍子と
ともに描いた三幅対も展示されています。

また、第2展示室には動物を描いた作品が展示されています。
玉堂は元々、動物画を得意とする円山四条派で修業していたので、
虎、兎、猿、鶴などの姿を巧みに捉えています。


川合玉堂は、「自分は自然が好きでそれを描いており、(雅邦先生のような)
理想主義にはなり得ない。」と述べています。
たしかに、作品を観ていると自然とその中の人の営みが好きでたまらず、
それを描き続けていたことがよく分かります。

鏑木清方は玉堂の訃報に接して、「日本の自然が、日本の山河がなくなって
しまったように思う」と言って嘆いたということですが、玉堂が描くことに
よって日本の自然が懐かしい姿として記録されたとも云えます。

山種美術館のHPです。

青梅市の多摩川沿いにある玉堂美術館のHPです。





山種美術館の次回の展覧会は「速水御舟―日本美術院の精鋭たち―」です。
会期は8月10日(土)から10月14日(月・祝)までです。

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【2013/06/17 00:01】 美術館・博物館 | トラックバック(2) | コメント(0) |
「エミール・クラウスとベルギーの印象派展」 東京ステーションギャラリー
東京
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東京駅丸の内駅舎の東京ステーションギャラリーでは「エミール・クラウスと
ベルギーの印象派展」が開かれています。
会期は7月15日(月・祝)までです。

その後、7月26日から8月25日まで石川県立美術館、9月14日から10月20日まで
碧南市藤井達吉現代美術館を巡回します。

ク002


エミール・クラウス(1849~1924)はベルギー印象派の画家で、フランダース地方の
ワレヘムの小さな村に生まれています。

1869年にアントワープの美術アカデミーに進学しますが、当時の主流であった
歴史画には興味を示さず、風俗画や肖像画、そして風景画を描いています。

1882年にはパリのサロンに作品を出品し、1889年から数年間、冬の間パリに滞在して、
アンリ・シダネルや印象派の画家と出会い、特にモネの影響を強く受けます。

1883年にゲント市近くのアステヌに移り住んで、第一次大戦時のロンドン亡命以外は
ずっとそこで、田園の風景と人々の生活を賛美する作品を描いています。

作風はフランス印象派の影響を受け、光を強調したルミニスム(リュミニスム)
(光輝主義)を代表する作家の中心として活躍します。

展覧会では、クラウスの作品29点を中心に、フランスの印象派、ベルギーの印象派の
作品やクラウスに師事した日本人画家の作品など合わせて65点が展示されています。

エミール・クラウス 「昼休み」 1887~1890年頃 個人蔵
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田園の生活を明るい光の中で描いています。
クラウスは逆光をよく使うのも特徴で、絵を教えるときはいつも「いつでも
日に向かって画をすえて」と言っていたそうです。
この人物も逆光を強調して描かれ、明るい野原との対比を強調しています。

エミール・クラウス 「野の少女たち」 1892年頃 個人蔵
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金色に輝く麦畑を歩いてくる子供たちは手に木靴や野の花を持っています。
頭の輪郭も金色に縁取られ、聖者の行進のようです。

エミール・クラウス 「タチアオイ」 1895年 ヴェルヴィエール市立美術館
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風景や人物をよく描いたクラウスですが、このような花の絵もあります。
やはり逆光で描いていて、花弁を透かして日の光が輝いています。

エミール・クラウス 「レイエ川を渡る雄牛」 1899年(またはそれ以降) 個人蔵
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近くを流れるレイエ川の風景で、牛の群れのつくる川面の波立ちには
活き活きとした動きがあります。

エミール・クラウス 「月昇る」 1912年 個人蔵
明るい景色を描くことの多いクラウスですが、夜の景色もあります。
水辺の情景で、水面に月が映り、水草の陰には白いガチョウの群れの見える、
日本画のようなしっとりした雰囲気の作品です。

1914年から1919年のロンドン滞在時にはテムズ川の風景画を多く描いています。

クロード・モネ 「霧の中の太陽(ウォータールー橋)」 1904年 個人蔵
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エミール・クラウス 「ウォータールー橋 黄昏」 1918年 個人蔵
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同じ霧のロンドンでも、モネが霧の中の光を表現しているのに対して、
クラウスは光に照らされる景色を描き出しています。

ジェニー・モンティニー 「庭で遊ぶ子どもたち」 1912年 個人蔵
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ジェニー・モンティニー(1875~1937)はゲント出身で、クラウスに
師事しています。
クラウスと同じく、日光の中の農村風景を題材にしていますが、
筆触に激しさがあります。

児島虎次郎 「和服を着たベルギーの少女」 1911年 大原美術館
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児島虎次郎(1881~1929)は岡山県高梁市の出身で、東京美術学校を卒業後、
1908年にヨーロッパに留学しています。
はじめフランスに滞在しますが、美術学校時代の友人、太田喜二郎の案内紹介で
ベルギーに移り、ゲント美術アカデミーに入学し、エミール・クラウスらの教えを
受けます。
留学により作風は大きく変わり、色彩は明るく、強くなっています。
この作品は背景に菊や日本人形、陶磁器などを置いてジャポニズム風ですが、
色彩の対比も筆触も強く、児島虎次郎の個性が出ています。

児島虎次郎は大原美術館の創設者、大原孫三郎の援助を受け、大原コレクションを
形成する作品のヨーロッパでの買い付けも行なっています。

太田喜二郎 「麦秋」 1914年 高梁市成羽美術館
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太田喜二郎(1883~1951)は京都の出身で、東京美術学校在学中に
ベルギーに渡り、エミール・クラウスに師事しています。
帰国後は京都に住み、洛北の風景や人びとの生活を描いています。
この作品ではクラウスの教え通り、逆光も取り入れて、初夏の麦刈りの
情景を描いています。

ベルギーの近代絵画はフランス印象派などフランスの影響を強く受けながら
独自の発展をしています。
その代表者の一人であるエミール・クラウスの作品をまとめて観ることの出来る、
興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。

エミール・クラウスの作品は最近、東京の展覧会で何回か観る機会がありました。
2009年に損保ジャパン東郷青児美術館で開かれた「ベルギー王立美術館コレクション 
ベルギー近代絵画のあゆみ展」にもクラウスの作品が何点か展示されていました。 

「ベルギー王立美術館コレクション ベルギー近代絵画のあゆみ展」の記事です。

2010年にBunkamuraザ・ミュージアムで開かれた、「フランダースの光 
ベルギーの美しき村を描いて」展にはクラウスの作品が11点が展示
されていました。
また、児島虎次郎、太田喜二郎の作品の展示もありました。

「フランダースの光 ベルギーの美しき村を描いて」展の記事です。


東京ステーションギャラリーの次回の展覧会は「大野麥風
(おおのばくふう)展」です。
会期は7月27日(土)から9月23日(月・祝)までです。


【2013/06/15 00:11】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(4) |
「古染付と祥瑞展」 出光美術館
日比谷・有楽町
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日比谷の出光美術館では、やきものに親しむ X として、「古染付と祥瑞展」が
開かれています。
会期は6月30日(日)までです。

染001


副題は「日本人の愛した<青>の茶陶」となっていて、明時代の末期に
景徳鎮民窯で焼かれた青花(染付)である、古染付と祥瑞の展示です。
茶の湯に親しんだ初代館長、出光佐三のコレクションを中心にしています。


古染付

古染付とは明の天啓年間(1621-27)に焼かれた染付雑器の日本での呼び名で、
素朴で庶民的な味わいが茶の世界で好まれています。
材料も粗悪なため、釉薬が剥がれて地の土が見えていますが、茶人はこれを
「虫喰い」と呼んで景色の一つとして楽しんでいます。

「古染付葡萄棚文水指」
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八角形の水指で、吉祥文様のブドウが描かれていて、蔓の渦巻きが楽しい
リズムを生んでいます。

「古染付周茂叔愛蓮図皿」
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周敦頤(しゅうとんい)(1017-1073)は字を茂叔といい、北宋時代の官僚で、
宋学の祖とされています。
蓮を愛した人で、古染付でもよく描かれているそうです。
釣をする姿は蓮よりも小さくさらりと描かれ、飄々とした味わいがあります。
皿の口縁にはくぼみが付けてあって、蓮の葉の破れに見立てています。

「古染付御所車文手付鉢」
古染付は日本以外に伝世品は無く、日本からの注文で作られた可能性が
あるそうです。
御所車と人物を描いていますが、車を曳く轅(ながえ)は1本しかなく、
人物の足は裸足に見えます。
良い手本が無かったのか、送られてきたお手本をよく理解できずに
描いたのでしょう。

千住の石洞(せきどう)美術館所蔵の古染付の向付のセットも展示されています。
形も筍、貝、茄子、魚、鶏、兎、山羊、馬、扇などさまざまで、魚や動物の
五客セットでは1個ごとに目の表情に変化を付けて面白く描いてあります。

東京大学埋蔵文化財調査室所蔵の、本郷の東京大学附属病院入院棟の敷地から
出土した古染付の破片も展示されています。
東京大学附属病院は加賀藩の支藩、大聖寺藩、富山藩の上屋敷のあった所です。


祥瑞

祥瑞(しょんずい)とは、明の崇禎年間(1621-27)に焼かれた染付磁器の
日本での呼び名で、日本の茶人の注文に応じて制作されたと考えられています。

崇禎(すうてい)帝は明の最後の皇帝で、この時代はすでに景徳鎮の官窯は
運営されておらず、その高い技術は民窯に受け継がれています。

古染付と違って、青の発色も深く鮮やかで、姿も美麗です。
「祥瑞」の名は、「五良大甫呉祥瑞」という銘のある品があることから付いており、
何点かの展示品の底にもこの銘があります。

「祥瑞兎文輪花皿」
染002

祥瑞には幾何学模様と動植物を組合わせた絵柄が多くあります。
丸紋を並べた縁取りの中を4分割して、違う幾何学模様で埋め、
真中に白抜きで兎を描いています。

「祥瑞蜜柑水指」
茶4-6-2010_003

ミカンのように丸くふくらんだ形には安定感があります。
片面にはオシドリ、牡丹、竹、虫などが描かれていますが反対側には
丸紋という小さな丸い模様を三段にして並べてあります。
半分ずつ違う絵柄にする片身替りというデザインは中国には無く、
日本のものだそうで、日本からの注文であることを示しています。

蓋の裏にも絵が描いてあって、画題は童子が象を掃除する、「掃象図」です。
象は相に音が通じ、禅宗において相は見えるもの、認識するものを示し、
これらへの執着を無くすことを目指しています。
象を掃除することはその象徴であり、このような画題が日本の注文に
よるものか、景徳鎮独自のものか分からないそうです。

これと同じような画題に、明清の宮廷で飼っていた象を洗う行事を描いた
「洗象図」があります。
「掃象図」も水指の絵柄として、特に夏に合うようにも思います。

(参考)
「染付洗象図大皿」 伊万里 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵 
平0231


屏風も6点、展示されています。

「盆栽図屏風」 六曲一双 筆者不詳 江戸時代
遠くに山の描かれた金箔地に、右隻に12個、左隻に11個、さまざまな
盆栽が並べられています。
松をあしらった盆栽が多く、他に楓や梅などがあります。
どれも凝った形をしていて、眺めて楽しめる屏風です。


さわやかな青の染付の並ぶ、初夏にふさわしい展覧会です。


次回の展覧会は「文字の力・書のチカラ II-書と絵画の対話」展で、
会期は7月6日(土)から8月18日(日)です。

書001


【2013/06/13 00:16】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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